くろぐだの奇妙な冒険 第７巻 ～逃走～

日向寺皐月 @satuki_hyugaji

#くろくだの奇妙な冒険 第二十一話「逃走」 1 この本によれば、ごく普通の女子高生くろぐだは、世界の救世主になる未来が定められていた バッド・デイに成す術の無いR.S.C.の三人。そんな状況に颯爽と駆け付けた日向寺とTACの二人は、代わりにバッド・デイに立ち向かい… おっと、読みすぎましたね

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#くろくだの奇妙な冒険 3 大きなクレーターを作り、バッド・デイが動かなくなる 「やったか…？」 「いや…」 噴煙の中、バッド・デイはゆらりと起き上がった。抱き抱えられているブシドーは不満そうな顔である 「…三人掛かり…？狡いじゃないか君達。僕は一人だよ？」 「テメェも大概だろ…！」

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#くろくだの奇妙な冒険 4 はんちょ～は壊れたチェーンソーを杖代わりに立ち上がる。体力的に限界が近いだろう 対して、ブシドーは依然元気だ。バッド・デイも健全。所謂ピンチである と、何処からかエンジン音が響く。バッド・デイは辺りを見渡し… 「ライダーブレイク！」 その頭に、前輪が刺さった

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#くろくだの奇妙な冒険 5 そのまま後ろに倒れるバッド・デイ。前輪を地面に下ろしたTRCS2020は、反動を利用して前輪を軸に後輪で追撃する 「ひゅ、日向寺先生！？」 「元気そうで何よりだ、諸君」 TRCS2020を降りた日向寺は、背中に背負った日本刀とAA-12を構える 「…今度はなんだい…？」

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#くろくだの奇妙な冒険 6 起き上がろうとするバッド・デイを撃つ日向寺。そして、三人の方を振り返った 「諸君、撤退し給え！これは君達には手に終えない相手だ！」 突然、日向寺の姿が掻き消える。バッド・デイが足で蹴飛ばしたのだ。が、日向寺はそれを刀で受け止め、衝撃を壁蹴りで受け流す

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#くろくだの奇妙な冒険 7 そのまま前転で着地し、AA-12を連射してバッド・デイを牽制する 「私も余り持たないのでね！奴は一定以上のスピードで離れれば攻撃してこない。さぁ、行くんだ！」 起き上がるバッド・デイ。そして、日向寺に拳を突き立てる。が、それを日向寺は刀で受け止めた 「速く！」

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#くろくだの奇妙な冒険 8 「…後はお願いします！」 そう叫び、かせんはくろぐだとはんちょ～を掴んだ。そのまま大型ロケットに飛び乗り、発進させる 「あ、逃げちゃう」 追い掛ける様に手を伸ばすバッド・デイ。が、その手を日向寺は刀で制した 「君の相手は、私と―」 「っしゃあ！間に合ったー！」

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#くろくだの奇妙な冒険 9 雑居ビルの屋上から、一人の男が飛び降りて着地した。TACだ 「俺、参上！」 「TAC君、もう少し速く来て欲しかったね」 TACが見れば、日向寺はバッド・デイの拳を受け止めていた。そのままAA-12を頭部に向けて連射する 「飛び道具は反則じゃないのかな？」 ブシドーは言った

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#くろくだの奇妙な冒険 10 「対スタンド用の特殊弾頭でダメージが入らない君に言われたくないね…！」 バッグステップを踏み、バッド・デイの拳から逃れる日向寺。刀を見れば、既にボロボロだった 「なまくらめ…」 「そりゃ！」 そんな日向寺と反対、バッド・デイの背中を蹴るTAC 「先に言っておく」

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#くろくだの奇妙な冒険 11 「俺はか～な～り、速い！」 バッド・デイは腕を振り回す。が、TACは既に室外機の上に避難していた TACの身体を覆う、真っ黒なスーツ。彼のスタンド、ジャガー・エスケープだ 「てな訳で…最初からクライマックスだけど、良いよね！答えは聞いてないけどな！」 TACのキック

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#くろくだの奇妙な冒険 12 それはブシドー本体に刺さり… 「じゃ、俺は逃げますんで！旦那も逃げて…って、言わなくてもか」 TACが見ると、日向寺は既に居なかった。逃げたのだ 「俺より足速いんですねぇ…って、言ってる場合じゃねぇわ！」 回避した側から襲い来る拳。TACは避けつつ、走り出した

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#くろくだの奇妙な冒険 13 「せめて君位は消さなきゃ。だって見ちゃったんだろ？」 「俺は何も見てないっすけどね！」 横凪ぎの拳を空中回転で回避するTAC。それを追うように、バッド・デイの蹴りがTACを襲った 直撃し、壁に突き刺さるTAC…だったが 「あらよっと！」 身体を捻りながら抜け出した

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#くろくだの奇妙な冒険 14 「君、頑丈だね」 少し呆れた様なブシドー。それを見て、TACは腕を組んで挑発した 「俺の堅さにお前は負ける！涙はそれで拭いとけよ！」 TACが投げ付けたボックスティッシュを叩き潰すバッド・デイ。舞い散るティッシュが無くなると…TACの姿は遠くなっていた 「あ、逃げた」

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#くろくだの奇妙な冒険 15 TACは兎に角走り、逃げ続ける。彼は陸上の強化選手に選ばれた程の実力があり、速力には自信があった 「良し、これで逃げれた…」 そう思い、後ろを見ると― 「訳ないか！」 全速力で追い掛けて来るバッド・デイの姿があった。頭の火鉢は今までに無い程に燃え上がっている

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#くろくだの奇妙な冒険 16 「こりゃ、ちと煽りすぎたかな？」 更に足を速めるTAC。と、バッド・デイはその腕を振るい、近くの車を飛ばして来た 「マジで！？そんなんアリかよ！」 ジャンプし、目の前に落下した車の残骸を回避するTAC。だがそれだけでは終わらず、更に車が飛んで来る 「そりゃ！」

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#くろくだの奇妙な冒険 17 TACは降って来た車を使い、飛び上がる様にしてビルの壁に足を付けた。そして、そのまま走る 「壁も走れるんだ…狡いなぁ…」 そう呟くブシドー。と、バッド・デイは近くの自販機を持ち上げた。そして― 「流石にここまで逃げれば…え」 目の前に、街頭が倒れてきた

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#くろくだの奇妙な冒険 18 「危なっ！」 そう叫び、ジャンプして避けるTAC…だったが、その奥から倒れて来た電柱に直撃する 「うげぇ！」 地面へ落下するTAC。落下しながら見えたのは、電柱と街灯を破壊した自販機だった 「ぐえっ！」 更に追い討ちを掛ける様に、追い付いたバッド・デイに殴られるTAC

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#くろくだの奇妙な冒険 19 「当たった当たった！」 楽しそうなブシドー。バッド・デイは空中に浮いているTACを、追い打つ様に殴るバッド・デイ 「がっ！」 まるでボールの様にバウンドするTAC。それを蹴飛ばすバッド・デイだったが、TACの表情に気付いて攻撃を止めた 「…なんで笑ってるんだい？」

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#くろくだの奇妙な冒険 20 TACは、笑っていた。全くダメージを食らっていないのか、少しふらつくだけで立ち上がる。そして、親指で自分を指差した 「俺の必殺技、パート1…」 そんなTACを、思いっきり殴るバッド・デイ。しかしブシドーは気付いた。TACの落下先は― 「脱出《エスケープ》、だ！」

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#くろくだの奇妙な冒険 21 TACの落下先。それは、高架橋の下を走る新幹線の屋根だった。落下と同時に見えなくなるTACの姿。それをブシドーは悔しげに見た 「あ～あ、皆逃げちゃった…」 少し残念そうなブシドー。しかし直ぐ、大事な用事を思い出した 「あ、鴉のお迎え忘れてた！」

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#くろくだの奇妙な冒険 22 さてさて。上手い事全員が逃げれたバッド・デイ戦。ですが、これで現状は戦力不足なのが分かりました フニコロ君も災難に巻き込まれ、恐らく平和な夏休みは過ごせそうにありませんねぇ… 今日は短めですが、ここまでで… チャオ！

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#くろくだの奇妙な冒険 第二十二話「運命と覚悟」 1 「………」 空を舞う一基のロケット。その上には、R.S.C.の三人が無言でへたり込んでいた 戦闘による疲弊だけではない。平気で人を殺し、その殺意を自分に向けて来る敵。スタンド使いとして一度は考えた事であったが、実際に起こるとは思わなかった

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#くろくだの奇妙な冒険 2 そんな現実…日常を破壊しうる現実は、一度遭遇してしまえば元には戻らない。ましてや、彼女達は高校生である。それは、到底耐えうるものではないだろう 「…そろそろ、良いかな？」 そうかせんは口を開いた。無言のまま頷く二人。かせんはそれを見て、ロケットの機首を下げた