アナコさんはオオアナコンダ

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「アナコさんはオオアナコンダ」 131 いつまで経ってもアミィは戻っては来ませんでした。時は、矢のように過ぎていきます。やがてアナコさんも爺も蜘蛛も死にました。廃墟となった爺の家にはまだ二つのケージが残っています。いつの間にか一つのケージの中には白い百合が一輪咲いていました。 最終回。

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「アナコさんはオオアナコンダ」 130 アミィがいなくなってから数日が経ちました。アナコさんはなんとなく感じていた寂しさにも慣れて静かな生活を満喫しています。爺は空になったアミィのケージをどうしようかなどと言いつつそのままにしてアミィが戻って来るのを待っているようでした。 おしまい。

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「アナコさんはオオアナコンダ」 129 爺が起き上がります。「いつの間にか寝てたか。そういえば何か夢を見てたような」ハサミン達が帰って行きます。「アミィちゃんはどこに行ったんだ？　もう戻って来ないのか？」蜘蛛が言います。ずっと一緒にいるのは爺だけかとアナコさんは思いました。 おしまい。

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「アナコさんはオオアナコンダ」 128 泣いている爺アミィにハサミンが近付きます。「生まれ変わったらまた会いに来ればいいだよ。時間もないだでな。もう行くべ」ハサミンが言うと爺アミィが崩れ落ちるようにしてその場に倒れます。「爺を戻すだよ。サービスだべよ」ハサミンが言いました。 おしまい。

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「アナコさんはオオアナコンダ」 127 ハサミンが尻にある鋏で猫の鼻をぷすっと刺します。猫の鼻がぽろっと落ちます。「余計な事言ったら駄目だべよ」「駄目でしたか？」「あれ見てみれ」ハサミンに促されて猫が爺アミィを見ます。「お姉様と離れたくない」爺アミィが泣き出しました。 おしまい。

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「アナコさんはオオアナコンダ」 126 猫が片方しか残っていない目で爺アミィを見ます。「元はといえば貴方のせいですよ。そんなところに入っちゃって。新しい体はここにはないんです。貴方は生まれ変わるんですから」爺アミィが「生まれかわる？」と言います。「そうです」猫が頷きました。 おしまい。

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「アナコさんはオオアナコンダ」 125 蜘蛛が慌てて飛び下がります。「おい。猫。腐ってるじゃないか」「ハサミンさんの趣味ですから。猫は全然気になりません」そう言った猫の体から液状になった何かしらの組織片が落下します。「お姉様のケージを汚さないでよね」爺アミィが言いました。 おしまい。

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「アナコさんはオオアナコンダ」 124 蜘蛛がハサミンに駆け寄ります。「おお〜。ハサミン。どうした？　早速飲みにでも行くか？」「駄目ですよ。ハサミンさんはすぐに向こうに帰るんですから」猫が言います。「なんだあ？　もう尻に敷かれてるのか？」蜘蛛が言って猫の方を見ました。 おしまい。

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「アナコさんはオオアナコンダ」 123 アナコさんが抵抗をしないのをいい事に爺アミィがアナコさんの体を触りまくります。アナコさんはなぜか親に謝りたくなりました。「まったく。何をやってるだか。早くそこから出ないとずっと爺のままになるだで」不意にハサミンの声がしました。 おしまい。

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「アナコさんはオオアナコンダ」 121 爺アミィが噛まれていない方の手でアナコさんの体を触ります。「あっあ〜ん。お姉様の手触り最高！」アナコさんはその腕に巻き付いて締め付けます。「お姉様ったら。それはただのご・ほ・う・び」アナコさんは噛むのをやめて締め付けるのもやめました。 おしまい。

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「アナコさんはオオアナコンダ」 121 爺アミィがアナコさんに向かって手を伸ばします。「ぐへへへへ。お姉様ってどんな手触りなの〜」アナコさんは容赦なく思い切り噛み付きます。「ほ〜！　いったあ～い」爺アミィが声を上げます「ちっ。俺も噛まれたいぜ」蜘蛛が戻って来て言いました。 おしまい。

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「アナコさんはオオアナコンダ」 120 爺アミィがアナコさんを見つめます。「お姉様。二人きり。初めてじゃない？　こんなふうになったの」爺アミィの目に妖しい光が宿ります。アナコさんは聞こえていない振りをします。「あーしには今手があるんだよね」爺アミィが嬉しそうに言いました。 おしまい。

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「アナコさんはオオアナコンダ」 119 蜘蛛が走り出しケージから出ようとしたところで足を止めます。「なんだよ。俺だって仲間だろ？」「は？　そう思ってんの自分だけだから」蜘蛛と爺アミィが睨み合います。「爺アミィのバカ」蜘蛛がケージから出て行き箪笥の裏の隙間に入って行きました。 おしまい。

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「アナコさんはオオアナコンダ」 118 アナコさんはこれは絶対にろくな事にならないと思うと聞こえてない振りをします。「アミィちゃん。人はいいけど爺だぜ？　俺達の飯の世話とかもするんだ。できるのかい？」蜘蛛が言います。「は？　蜘蛛って飼われてないよね？」アミィが言いました。 おしまい。

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「アナコさんはオオアナコンダ」 117 爺アミィが洗面所に駆け込みます。「うわー。すげー。お姉様。あーし人になってる」洗面所から爺アミィのはしゃぐ声が聞こえて来ます。「お姉様。見て見て」爺アミィが戻って来るとアナコさんに自分を見せるようにケージの前でくるりと体を回しました。 おしまい。

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「アナコさんはオオアナコンダ」 116 爺が体を起こします。「え？　何これ？　嘘？　お姉様。あーし人になってる？」爺が言います。「脈がある。どういう事だ？」蜘蛛が言います。「おーい。誰かー。わし蛇なってるみたいなんだが？」アミィのケージの方からそんな声が聞こえて来ました。 おしまい。

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「アナコさんはオオアナコンダ」 115 皆が爺の屍の周りに集まります。「どうすんだこれ？」蜘蛛が言います。アナコさんはどうしたものか？　と首を傾げます。「ハサミンに頼んだら」アミィが言います。「爺がしゃべった」「あーしはアミィなんだけど？」蜘蛛の言葉に爺がそう答えました。 おしまい。

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「アナコさんはオオアナコンダ」 114 テンションの上がった爺が喜びの舞を始めます。しかしそこは爺。日頃の運動不足が祟りすぐに転びました。爺が動かなくなります。蜘蛛が爺に近付き八本の足で器用に脈を測ります。「こりゃ駄目だ。死んでる」蜘蛛が言いました。 おしまい。

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「アナコさんはオオアナコンダ」 113 うつし世に戻ると爺がアナコさんのケージに張り付いて泣いていました。「アナコ。どこに行ったんだ。アナコー」アナコさんはこのまま泣かれるのも面倒だと思うとケージのガラスを音が鳴るように叩きます。「アナコ？　戻ったのか？」爺が言いました。 おしまい。

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「アナコさんはオオアナコンダ」 112 ハサミンと猫に皆が別れの挨拶をし、入口に入ります。「お姉様。ほら。起きて。帰るんだから」アミィが言った後で何かが閃いたような顔をします。「むむ？　今ならいたずらし放題じゃね？」アナコさんは何なら悪寒を感じ、すぐに目を覚ましました。 おしまい。

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「アナコさんはオオアナコンダ」 111 猫がハサミンを引っ掻きます。「いきなり何するだ？」「そんな簡単に生き返っちゃうんですか？　生き返ったら離れ離れになるんですよ？」「猫はバカだなや。またすぐに死んで戻って来るだよ。そんな事はおらには朝飯前だで」ハサミンが言いました。 おしまい。

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「アナコさんはオオアナコンダ」 110 ハサミンがうつし世への入口を開きます。「さあここから帰るだよ」「ハサミン。お前と飲みたくなったらどうすりゃいいんだ？」蜘蛛が言います。「呼んでくれればいいだよ。すぐに生き返るべ」ハサミンがなんでもない事のように言いました。 おしまい。

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「アナコさんはオオアナコンダ」 109 アミィが駄々をこね始めます。「さっきはいいよって言っちゃったけどこうなったら生き返りたいぃぃ」「アミィさん大丈夫ですよ。向こうに帰ったら自動で生き返りますから」「ただ元の蛇になるかどうかは日頃の行い次第だべ」猫とハサミンが言いました。 おしまい。

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「アナコさんはオオアナコンダ」 108 猫が泣き出します。「ハサミンさん。猫は嬉しいです。行きましょう。まずは飲んでそれからうへへへ」蜘蛛がハサミンの肩を優しく叩きます。「よかったな。ハサミン」蜘蛛の言葉を聞いたハサミンが皆の顔を見回して言いました。「それじゃ皆は帰るだよ」 おしまい。

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「アナコさんはオオアナコンダ」 107 アナコさんはすすっとアミィから離れました。「あれ？　お姉様？」アミィが言いつつアナコさんに近付きます。「猫よい。あの子を早く戻すだよ。それが終ったら二人で飲みに行くべ。こっちにもいい酒場くらいあんべーよ？」ハサミンが言いました。 おしまい。