坂口恭平さん/「経済」を新しく生み出す芸術/土地、家、態度経済

おもしろかったのでまとめてみました。
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坂口恭平 @zhtsss

芸術が次に取り組むべき行為は「経済」を新しく生み出すことだ。economicの語源は「家計をやりくりすること」。お金のことでない。どうやって生き延びていくのか。そのことの方法論である。そこに僕は二つの行動で取り組んで行きたいと思っている。

2011-07-14 14:09:58
坂口恭平 @zhtsss

一つは僕たちが住んでいる「土地」「家」に対しての根源的な思考それに伴う実践である。家計をやりくりすることのそもそもの根源的なものを捉える。それは月にいくら稼ぐかではない。それは生きるのに本当はいくらかかるのかである。そしてお金を払っているけれどそもそもそれは本当に正当なのかである

2011-07-14 14:14:58
坂口恭平 @zhtsss

僕は毎月家賃を払いながら生きている僕たちは全て奴隷の一種であると思っている。始めから抜かれる生き方は、本来の経済の流れとは大きく異なる。なぜ人間は生活していくのにお金がかかるのか。これは当たり前のように思われているが僕はそうは思わない。まずもっとそこにお金がかかることが労働を促す

2011-07-14 14:16:43
坂口恭平 @zhtsss

土地が私有化されていることが問題であるとも言える。かと言って全てを国有化すればいいのかというとそうでもない。土地というものは誰も所有することができないものだと認識しなくてはならない。公共とは別に国家が提供するものではないのだ。僕たちがそれぞれ社会性を持つ生物として共有するべきだ

2011-07-14 14:19:02
坂口恭平 @zhtsss

個人によっても、国家によっても私有しないということへの思考への実践が「モバイル」なのである。モバイル状であることで、日本の法律上においてもそれは不動産とはみなされない。さらに家ともみなされない。そうすることによってこれまでの流通ではなく、別のレイヤーの土地所有、家の考え方ができる

2011-07-14 14:39:08
坂口恭平 @zhtsss

そこでモバイルハウスによる住宅政策が必要になってくる。車輪一つで全てが変わる。法律変えなくても良い。土地も所有しなくても良い。しかも天災、人災、政治災が起きてもすぐに移動することができる。モバイルなので揺れても壊れない。壊れても修繕できる。そもそも必要なお金が格安なため再建できる

2011-07-14 14:42:23
坂口恭平 @zhtsss

まず住まいのためにかかる金を年間で1万円くらいにする。家に対する初期投資は3万円からかかっても20万円くらいまで。それだけでかなり生活が安定すると思う。6千万円のマンションに住みたい人はそのままで。でも年間1万円くらいだと嬉しいという人にも選択肢を与えたい。現社会には選択肢がない

2011-07-14 14:48:31
坂口恭平 @zhtsss

ではインフラはどうするか。モバイルハウスではインフラと家は始めから離れている。災害があるとインフラが壊れてしまって問題になる。そこで始めから分けておく。電気は小型ソーラーパネルによる発電と12ボルトバッテリーによる充電で賄う。それに合う電化製品はもう既に存在しているので問題無し

2011-07-14 14:50:40
坂口恭平 @zhtsss

Wifiを通す。携帯電話やパソコンは12ボルトで充電できる。電灯はバイク用のライトを転用。冷蔵庫は車用。もしくは非電冷蔵庫の奨励。それくらいで電気は十分だ。世界中の自動車用電化製品を集合させたらすごいことになると思う。つまり電気代0円。発電所の有無よりも発電できることを教えたい

2011-07-14 14:53:16
坂口恭平 @zhtsss

次に水道。熊本の場合は湧き水、そして地下水による井戸水が盛んなのでこれを利用していくことを前提にしつつ、水道も通す。水道は一つのヴィレッジに一カ所作る。家と接続しない。さらに井戸と水道の二つの川を作り有事に備える。一日に使える水を決めその中であれば無償にする。それ以外はお金を払う

2011-07-14 14:55:28
坂口恭平 @zhtsss

ガスに関してはいまいち僕分かっていません。熊本はプロパンなのでそれも分離されているので問題なしと思っている。それと竃の復活をさせたいという考えも。しかしそれはちょっと難しいかも。火についてのアイデアは募集中。ガスは無料は無理だね。火をおこせば無料だけど。そこもハイブリットでいくか

2011-07-14 14:58:24
坂口恭平 @zhtsss

新しいeconomicを作り出す柱のもう一つが「態度経済」である。生活にかかるお金が極限まで0円に向かっていくことで、人々は少しずつ時間によって規定され共食いのように消費を促してしまう「労働」の必要性がなくなる。そこで自ら発光する才能、つまり独自の貨幣を作り出す可能性が広がる。

2011-07-14 15:02:16
坂口恭平 @zhtsss

独自の貨幣、これがすなわちアートワークである。別に美術に限った話ではない。どんなものでも自ら発光することによって貨幣になりうる。それを交換していくのである。現行ではそれを日本銀行券に変えていく。それでいい。でも同時に世界中の通貨とも交換できるので一つの貨幣なのだ。変動もする。

2011-07-14 15:06:16
坂口恭平 @zhtsss

ここで重要なことはものの価値を自分で決定することだ。そこに創造性というものが必要になってくる。昔5万円だったものを自分が流通してきたからといって1億で売るのではなく、自分の生活というものを見つけ始めから流通するべき値段を決める。それは変動させない。一億なら始めから一億にしておく

2011-07-14 15:09:19
坂口恭平 @zhtsss

そうやって決めていくことで才能という貨幣が、現行の貨幣と違い自立し創造性を含有しているので暴落をしない。まあ人間ただ落ち着いて生きるのが嫌いな人がいるので暴落、急上昇が好きな人はやれるようにしたいが笑。重要なのは、自分で高値をつけたい作品を作り、それを欲しがる社会をつくることだ

2011-07-14 15:12:50
坂口恭平 @zhtsss

この二つの柱をもって社会を作り出すには創造的都市(クリエイティヴ・シティ)ではなく、創造市(クリエイション・シティ)の創出が鍵になってくる。Creation/Electri-Cityと僕は勝手に命名している。電気(Electricity)つまり発光都市なのである。

2011-07-14 15:17:07
坂口恭平 @zhtsss

夢物語だと人は言うかもしれないが、僕はそうは思わない。なぜなら登場の路上で出会った多摩川のロビンソン・クルーソーや隅田川のエジソンを始め0円ハウスに住まう人々たちの生活はまさに芸術であり、そこの空間は創造市であった。現実に存在しているのである。しかも20年以上継続している。

2011-07-14 15:20:29
坂口恭平 @zhtsss

さらに僕の今の仕事もそうだ。僕は別にベストセラー作家でもなく、アートマーケットで無数に取引される芸術でもなく、公共建築を建て続け稼ぐ建築家でもない。年に一冊本を書き、年に10枚絵を描き、相変わらず建てない建築家である。しかし、それにもかかわらず生き延びている。労働はゼロだ。

2011-07-14 15:22:45
坂口恭平 @zhtsss

それを人は才能だと言うが、それが正しい。これは僕の才能、つまり貨幣である。しかし、それと同時にそう言う人々にも等しく発光するものがある。もちろん分量、光の色は違う。しかしそれは等しく存在している。はずなんだけど、そうは思われていないようだ。んーここが結構難しい。難しくないんだけど

2011-07-14 15:25:39
坂口恭平 @zhtsss

するどいRT来ましたね。ありがとう。共同体のあり方か。何かメーッセージのようですね。これだから語源っておもろいですね。語源に遡るときこそ、まさに人々がゼロから「生きる」ということを考え直しているときであり、それは無時間の世界の話であり、だからこそシンクロするのだと思います。

2011-07-14 15:27:38
坂口恭平 @zhtsss

なぜ人々は才能を貨幣として発光(発行)させることができないのか?これは簡単なことです。造幣する技術が、機械が、働く人々がいないからです。造幣局が機能していないからです。それが出来ている人々は才能を使うことによって労働を中心としたこの固定した経済生活の中から降りている。

2011-07-14 15:33:21
坂口恭平 @zhtsss

降りることが出来ている人の代表は二つあります。完全な富を得た富裕層。そして0円ハウスに住む路上生活者。これは現状の固定した社会の中でサバイヴする方法です。それだけなのか。この二極化しかないのか。僕もそう思ってた。しかし解像度を上げて社会を観ると他にも色んな方法があると気づいた

2011-07-14 15:38:28
坂口恭平 @zhtsss

僕は先日ブルータスのインタビューで堀江貴文氏の「拝金」という著作の感想を述べた時に、この話を少ししました。富裕層と0円ハウスの住人の共通点を。それは社会に多層的なレイヤーが存在することを知覚し、そこに飛び込み、固定されていると思い込んでいる社会と距離を置き生きている、と。

2011-07-14 15:45:19
坂口恭平 @zhtsss

お金を持ちすぎるということでも、一つだと思われている社会から捻れの世界へ飛び込むことは可能です。なんでもできるから。チャーター機に乗って瞬時のうちに南の島へ行き、そこにしかない一本300万円のラム酒を飲む。これはただの贅沢ですが、それは同時にインスピレーションでもあると言える。

2011-07-14 15:47:10
坂口恭平 @zhtsss

一方、多摩川のロビンソン・クルーソーはお金が0円であるということで捻れのレイヤーへ飛び込み、0円でとんでもなくうまい濁酒を作り、椿の実をゆでてそれで椿油を作り、それで料理する。エクストラバージンオイルなんてものよりも高貴な食事をしている。しかも0円で。これもインスピレーションです

2011-07-14 15:49:29