概ね訳「Q&A ボーイングの737MAXクライシスの原因」

737MAXの件(https://togetter.com/li/1353074)番外 この度の737MAX関連報道でピューリッツァー賞を受賞した私の推し記者、ドミニク・ゲーツさんの記事を読め…
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Dominic Gates @dominicgates

Why was the MCAS flight control system needed? What were the flaws in MCAS? Why didn’t Boeing catch them during development of the MAX? Why didn’t the FAA catch the flaws during certification? Were the pilots at fault? Answers to these & more here: seattletimes.com/business/boein…

2020-11-19 01:13:50
サキノハカ @sakino_haka

Q&A: What led to Boeing’s 737 MAX crisis(Q&A ボーイングの737MAXクライシスの原因) seattletimes.com/business/boein… ドミニク記者さんによる簡潔にまとまった737MAXクライシスの一部始終の説明。ページ翻訳で読み流すだけでもぜひ。

2020-11-18 23:34:06
サキノハカ @sakino_haka

かなり意訳や補足やはしょり入れるけど訳してくよ 「Q. ボーイングは完全新型機を開発する代わりに、なぜ50年前に開発された737をMAXへ改造したのですか?」

2020-11-19 09:08:31
サキノハカ @sakino_haka

「A. 2010年12月に新しい低燃費エンジンを搭載したエアバスの競合機種、A320neoの発売が成功した後、ボーイングのリーダー達は、同様に再設計した737で対抗するか、まったく新規のナローボディ機を開発するためにさらに数年をかけるかについて議論しました。 」

2020-11-19 09:08:41
サキノハカ @sakino_haka

「当時ボーイングは、すべてのリソースと投資を787 ドリームライナーのプログラムの修正に集中させていましたが、すでに3年遅れており、いまだ納入されていませんでした。そのため経営陣は、必要な投資を遅らせるため、完全新型機の方にしたいと考えていました」

2020-11-19 09:10:29
サキノハカ @sakino_haka

「ボーイングの会長兼最高経営責任者であるマクナーニーは、ボーイングの長年の独占顧客だったアメリカン航空がそのわずか2ヶ月後に裏切り、A320neoを注文したとき、その賭けに負けました」

2020-11-19 09:13:45
サキノハカ @sakino_haka

「ボーイングのリーダーたちはアメリカン航空本社のダラスにすっ飛んでいき、再設計された737を提供できれば、大型発注をA320neoと737に分割するというアメリカン航空からのコミットメントを土壇場で得ました」

2020-11-19 09:17:15
サキノハカ @sakino_haka

「そのため、737MAXの誕生はあまりにも急かされたものでした。ボーイングは、最終的な設計やエンジンサプライヤー決定さえも持たずに、MAXの開発に取り組みました。同じ年の12月、サウスウエスト航空が737MAXに最初の発注を出しました」

2020-11-19 09:19:13
サキノハカ @sakino_haka

「737MAXは、長年にわたって安全であることが証明されている古い設計の737の派生モデルであったため、そのシステムの多くは、最新のFAA安全基準にアップグレードされず、適用を除外されました」

2020-11-19 09:21:13
サキノハカ @sakino_haka

「また、航空会社はコストを削減するために、以前の737型機を操縦するパイロットが最小限のトレーニングで済むようにMAXを設計することを要求したため、ボーイングはMAXが以前のバージョンの737型機とまったく同じように扱えることを保証しました」

2020-11-19 09:21:45
サキノハカ @sakino_haka

「その最初の発注で、ボーイングは、最終的な製品がフルフライトシミュレーターでパイロットに高額な新規トレーニングを必要とする場合、飛行機1機あたり100万ドルを航空会社に支払うことを顧客のサウスウエスト航空に約束しました」

2020-11-19 09:22:56
サキノハカ @sakino_haka

「Q. なぜMCASという新しい飛行制御システムが必要だったのですか?」

2020-11-19 09:25:43
サキノハカ @sakino_haka

「A. 新しい旅客機の認定の一環で、FAAは通常の旅客運行で想定されるものを超えた飛行試験操作を要求しています。その中でテストパイロットは『ワインドアップターン』と呼ばれる、失速に近づいた後に下向きに螺旋状に曲がる高速ターンを飛行する必要があります」

2020-11-19 09:27:03
サキノハカ @sakino_haka

「この操縦中、翼と対向する気流との間の角度である迎え角が大きくなり、パイロットは高いGを経験します。旅客機の認定で承認を得るためには、航空機はこれをスムーズに飛行する必要があり、またパイロットへは操縦桿の感触が徐々に変化するようにする必要があります」

2020-11-19 09:30:14
サキノハカ @sakino_haka

「しかし、737MAXの開発の初期段階の風洞試験のデータによると、翼のかなり前方に配置された大きなエンジンは、この操作中に機体を機首上げさせる傾向があります。これは、パイロットが抗わなければならなかった操縦桿の力が途中でいきなり緩むことを意味するでしょう」

2020-11-19 09:32:22
サキノハカ @sakino_haka

「機体にわずかな物理的変更を加えても問題が解決しなかった時、ボーイングは機首上げ傾向に対抗するソフトウェア『操縦特性補助システム(MCAS)』を考案しました」

2020-11-19 09:34:34
サキノハカ @sakino_haka

「迎え角とGを測定する2つのセンサーが特定のしきい値に達すると、MCASはパイロットからのコマンドなしで機体の水平舵を動かし、飛行機の機首を自動的に押し下げ、機首上げに正確に対抗します。システムが設計どおりに動作したなら、パイロットは気付くことさえありません」

2020-11-19 09:36:16
サキノハカ @sakino_haka

「Q. 737MAXの開発中にMCASの設計は、どのように、そしてなぜ変更されたのですか?」

2020-11-19 09:38:40
サキノハカ @sakino_haka

「ボーイングは、認証前の最終段階の飛行試験中に、迎え角が大きいがGのない低速シナリオでも機首上げが発生することを発見しました。ボーイングは、この状況もカバーするようにMCASを変更しました」

2020-11-19 09:39:58
サキノハカ @sakino_haka

「つまり、単一のセンサーである迎え角センサーによってトリガーされるようになりました。また、低速で起動した場合、同じ機首下げ効果を得るためには水平舵をもっと大きく動かす必要があります」

2020-11-19 09:43:08
サキノハカ @sakino_haka

「MCASは、尾翼の水平舵を一度に0.6ユニットではなく2.5ユニット動かせるようになりました。水平飛行から最大機首下げ状態までは約4.8ユニットであり、これはMCASが2回起動すれば到達しうるものです」

2020-11-19 09:45:32
サキノハカ @sakino_haka

「Q. MCASのシステム設計の欠陥は何でしたか? A. 第一に、このシステムは冗長性のない単一のセンサー、迎え角(AOA)ベーンからの信号によってトリガーされていました。機体には2つのAOAベーンがありますが、フライト中にMCASをトリガーするために使用されるのは1つだけです」

2020-11-19 09:48:21
サキノハカ @sakino_haka

「2件の致命的な737MAXの墜落事故では、このAOAベーンが誤った信号を発したときに一連の出来事が始まりました」

2020-11-19 09:49:54
サキノハカ @sakino_haka

「航空エンジニアは、システムに複数の冗長性を組み込んで、単一のコンポーネントの障害によって飛行機が制御不能に陥ることがないようにします。このような『単一障害点』を回避することは、飛行機の設計では欠かせない要素です」

2020-11-19 09:50:46
サキノハカ @sakino_haka

「ボーイングのエンジニアリングリーダーは、2件の737MAXの墜落を引き起こしたAOAの障害は、『単一障害点』ではないと主張しています。彼らの主張は、MCASが誤って作動した場合、乗組員は飛行機を回復するための標準的な手順を知っている必要があるというものです」

2020-11-19 09:52:24
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