- cornelius0321
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①「八つ墓村」(1977年、野村芳太郎監督)についてのどうでもいい話を。この映画では、なぜか日産自動車の車ばかり出てくる。
2011-06-08 23:34:54②まず目につくのが、辰弥を迎えに来た田治見家の車が、3代目セドリック・4ドアハードトップだ。日産の最高級車プレジデントに次ぐ高級車だ。プレジデントでもいいのだけれど、調達できなかったか、大型なので狭い山道を走るのが難しかったのかもしれない。
2011-06-08 23:34:41③このセドリックが、久野医院の前を通り過ぎるのだが、この時久野医院が所有していた車が、3代目ブルーバード・4ドアセダンだ。大衆車として人気を得ていた車だ。
2011-06-08 23:34:28④森美也子所有の車が、「ハコスカ」の愛称で親しまれた3代目スカイライン・4ドアセダンだ。今なお人気の、日産を代表するスポーティー・カーである。
2011-06-08 23:34:14⑤さて、この3台を見てわかるのは、村の支配者田治見家の車(黒塗りのセドリック)が「保守・伝統」というイメージを表し、久野医院の車が、どうしても本家に頭が上がらない親戚筋の「肩身の狭さ」を示し、美也子の車が、「軽やかな行動力」を示しているということだ。
2011-06-08 23:34:04⑤さて、この3台を見てわかるのは、村の支配者田治見家の車(黒塗りのセドリック)が「保守・伝統」というイメージを表し、久野医院の車が、どうしても本家に頭が上がらない親戚筋の「肩身の狭さ」を示し、美也子の車が、「軽やかな行動力」を示しているということだ。
2011-06-08 23:34:04⑥車を見ても、八つ墓村における人間の序列や力関係が見て取れる。井川家に至っては、粗末なトラックだ。原作の梅幸尼の代わりのキャラクターである工藤校長が岡山の教育委員会に出かける時に乗るのが4代目セドリック・4ドアセダンだ。
2011-06-08 23:33:53⑦ただ、このセドリックは、学校か村所有の公用車か、またはハイヤーのようにも見える。 公用車やハイヤーはタクシーと同様の作りのものも多い。
2011-06-08 23:33:41⑧以前、タクシーに乗っていた時、「タクシーにはクラウンやセドリックが使われますが、ボディーだけで、エンジンや装備は一番安いのを使ってます」という話を運転手から聞いたことがある。だとすると、外見や対面重視する「役所」的な性格を示す車ということだろうか。
2011-06-08 23:33:29⑨エンドロールには、「協力 日本航空」とあるけれど、日産自動車の文字はない。では、なぜこの映画で日産車ばかりが使われているのだろうか?ここからは私の推測になる。
2011-06-08 23:33:12⑩犬神家を除く市川崑の金田一シリーズが東宝映画なのに対して、「八つ墓村」だけは松竹映画だ。その松竹の本社は東京東銀座(築地)にある。歌舞伎座や新橋演舞場などの松竹系劇場もある。
2011-06-08 23:32:59⑪新橋演舞場のある建物、実は演舞場だけではなく、「日産自動車本社別館」と一体化したビルなのだ。つまり、東銀座では松竹と日産がまるで悪霊島の「太郎丸と次郎丸」のようにくっ付いているわけだ。
2011-06-08 23:32:49⑫なので、「八つ墓村」制作時に、「松竹さん、ぜひ当社(日産)の車、使って下さいよ」というやり取りが、スタッフサイドであったのではないかと推測してみる。
2011-06-08 23:32:38⑬でも、わからないのは、岡山の山村には鉄路で行くしかないのに、あれほど大々的に日本航空の協力が必要だったのかということだ。辰弥が空港整備士という設定だからだろうが、冒頭の飛行場のシーンだけでも相当な金が掛かっているはずだ。贅沢な制作費の使い方ではある。<この話題終わり>
2011-06-08 23:32:27