- cornelius0321
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①「華麗なる一族」(山崎豊子原作)は、最近、木村拓哉主演で話題になった。妻妾同居の銀行家は神戸に実在した人物がモデルだという。
2011-06-02 22:01:22②映画版の「華麗なる一族」(1974年、山本薩夫監督)では佐分利信が万俵大介、京マチ子が高須相子、月丘夢路が万俵寧子だった。まさに、「了然和尚、松子と竹子を両脇に抱えるの図」である。
2011-06-02 22:01:10③映画と同時にテレビドラマにもなった。「華麗なる一族」(毎日放送、1974年)だ。ここで高須相子を演じたのが、小川真由美である。
2011-06-02 22:01:01⑤これとほぼ同時期の「アイフル大作戦」では、探偵学校の校長役を演じ、主題歌も歌った。これだ。http://www.youtube.com/watch?v=DgBTShiFgmE
2011-06-02 22:00:41⑥「もしもアタシが男になったら、アタシはきっとアタシみたいな女に惚れるわ」ではじまるテーマ曲。自分がもし男装したら、元の女姿の自分を好きになるだろう…。男と女のあいだをこれほど軽快に行き来する歌を、私は他に聞いたことがない。
2011-06-02 22:00:28⑦私が小川真由美に釘付けになった決定打が、時代劇「おんな浮世絵紅之介参る」だ。ここでの小川真由美は、昼は庶民を助ける女蘭学医者の奥山千絵、夜は悪者を退治する小姓姿の紅之介の一人二役を演じている。昼と夜、男と女を股にかけて活躍しているのだ。
2011-06-02 22:00:12⑧もちろん、この「紅之介」は、「浮世絵女ねずみ小僧」(1971年、フジテレビ)が好評だったことを踏まえて制作されたものだ。ここでもやはり、常磐津の師匠と義賊の一人二役だった。http://www.youtube.com/watch?v=T3_qME9_vPg
2011-06-02 22:00:01⑨ 小川真由美は江戸川乱歩の「黒蜥蜴(悪魔のような美女)」(1979年、テレビ朝日)も演じている。明智小五郎(天知茂)と対決しつつ明智に惹かれる女賊。ここでも小川真由美は、男装して警察の警備からまんまと逃れている。
2011-06-02 21:59:50⑩小川真由美は若いころ、市川寿海(市川雷蔵の養父)の歌舞伎が好きでずっと見ていたという。小川真由美の男装は、歌舞伎の所作をきちんと踏まえている。だから、様式美を感じるし、見ていて爽快なのだ。宝塚出身の女優以外で、小川真由美ほど男装が似合う女優はいない。
2011-06-02 21:59:38⑪誤解を恐れずに言おう。小川眞由美は「変化」する女優である、と。「変化」は「へんか」ではなく「へんげ」と読んでほしい。
2011-06-02 21:59:20⑫昼と夜、男姿と女姿、2つの世界を自在に行き来して何の違和感もなかった小川真由美だからこそ、「人間」から「何だか得体の知れないもの」へと「変化(へんげ)」した森美也子だったのではないか…、そうは考えられないだろうか。
2011-06-02 21:59:06⑬「八つ墓村」(1977年、野村芳太郎監督)のあの結末は、横溝作品としては「?」かもしれないが、変化(へんげ)女優小川真由美の活用法としては唸るしかない。
2011-06-02 21:58:55⑭森美也子を演じた女優はたくさんいる。しかし、浅野ゆう子にも若村真由美にも名取裕子にも不可能で、小川真由美にだけ可能だったのが、この「変化(へんげ)」なのだ。
2011-06-02 21:58:43⑮小川真由美の「変化(へんげ)」はとどまるところを知らない。いつしか「真由美」から「眞由美」に名前が変化し、心に何か思う所があったのだろう。現在は「俗人」から「尼僧」へと変化を遂げたのである。これが彼女の最終変化形態なのかどうかは、今後も注視していく必要がある。<この話題終わり>
2011-06-02 21:58:31