
〈コロナ対応に追われる霞が関の国家公務員〉職員の4割が過労死ライン・20代の自己都合退職6年で4倍増・7人に1人が辞めたい・午前4時47分に妻から「帰っておくれ。寿命が縮む。タクシーのうちに」・「寝るというより細切れに気絶する感じ」
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きょう(11/26)のNHKニュースおはよう日本で「厚生労働省の若手官僚に密着、長時間労働の実態は」が特集されました。内容メモを連投します。「新型コロナの感染が拡大するなか、対応に追われているのが霞が関の官僚たち。業務量の急増によって霞が関の国家公務員の働き方が危機的な状況になっている」 pic.twitter.com/ijVWhdNUa3
2020-11-26 12:47:15

今年3~5月に、過労死ラインの月80時間を超える月100時間以上の残業をした国家公務員は全職員の4割にのぼる。国家公務員は民間と違って労働基準法が適用されない。その代わりに人事院規則というルールがあるが、違反しても罰則がなく、残業代もすべて支払わていない。
2020-11-26 12:47:16
新型コロナ対策の中心を担う厚生労働省の若手官僚Aさん(31歳、女性)を密着取材した。前日も午前1時過ぎまで仕事をしていたAさん。きょうも午前8時過ぎには出勤。主な担当は食品安全・生活衛生の政策調整。しかし、厚労省が新型コロナ対策の司令塔を担うなか、空港などの水際対策も加わっている。
2020-11-26 12:47:16
「まさに今、厚生労働省の頑張りどころ。行政が今ここで頑張らなくてどうするという時を迎えている」とAさん。Aさんの大切な業務の一つが国会対応。大臣の答弁を作成し国会答弁時に同席もする。しかし、事前準備のやりとりが原則対面になっており、電話やオンラインではない。
2020-11-26 12:47:16
この日の午後、Aさんが急遽向かったのは議員会館。質問を予定している議員から直接質問内容を聞き取る「問取り」をするため。30分で質問の内容を聞き取る予定だったが、結局かかったのは1時間半。別の議員の聞き取りも急遽入り厚労省と永田町を2回往復することになった。
2020-11-26 12:47:17
終業時刻を過ぎた午後6時半過ぎ、ようやく予定していた本来業務の打ち合わせを始めることができたAさん。国会対応の合間をぬって本来業務の時間をつくる。霞が関では紙文化が根強く残り、省内の会議だけでなく国会議員への説明資料なども紙が基本。印刷に深夜まで追われることもある。
2020-11-26 12:47:17
国会答弁の作成や省内での調整に時間を取られ、昼食を取る余裕もなかったAさん。午後10時過ぎ、ようやく口にできたのは地下のコンビニで買ったパスタ。食べながら始めたのはたまったメールの確認。1日に受け取るメールは約500通。さまざまな部署からメールが届く。
2020-11-26 12:47:17
空港での検疫について上司に相談しようとしていたAさんだったが話ができたのは日をまたいでから。午前2時半、まだ仕事をしている職員もいるがAさんはようやく職場をあとにした。「自分に余力があれば現場に足を運んでもっといい政策を考えられるんじゃないか。悔しさはないとは言えない」とAさん。
2020-11-26 12:47:18
霞が関の長時間労働が若手の官僚離れにもつながっている。自己都合で退職した20代は6年間で4倍以上に急増。内閣人事局が発表した調査で、20代の官僚の14.4%、7人に1人が数年以内に辞めたいと答えており、事態の深刻さは増している。 pic.twitter.com/TFXd2xKZIs
2020-11-26 12:47:19

厚生労働省の官僚Bさんとその妻が取材に応じた。Bさんは業務の量に加え質の面にも悩みを抱え退職を考えている。「残業月200時間超えが常態化。雑多な業務に追われ国会以外の場でも議員に呼び出され詰問されることも多々ある。人間的な扱いをされていないと感じ、これを続けていくのはかなり厳しい」
2020-11-26 12:47:20
Bさんの妻は一人で子育て。SNSでの夫婦のやりとり=午前4:47妻「帰っておくれ。寿命が縮む。タクシーのうちに」→Bさん「タクシー乗った」。(別の日)午前0:17妻「(子どもが)パパと叫んだ。かわいそう。ほとんど会ってないから」。午前4:59妻「大丈夫か?」→午前4:59Bさん「タクシーなう」
2020-11-26 12:47:21
Bさんの妻「夫の頬も痩せこけどんどん衰弱化していく。子どもと接する余裕もない。子どもに対する当たりもどんどんきつくなって、私ともたわいない話をする余裕すらなくなって…。国民の生活を良くするために働いているはずなのに、自分たちの家庭がどんどん犠牲になっているのが本当につらい」
2020-11-26 12:47:21
もともと不夜城と呼ばれてきた霞が関だが、新型コロナの感染拡大で現場は多忙を極める。コロナ対応という大事な時期にしっかり働いてもらわないといけないということもあるが、それでも現状、行き過ぎた負担になっている。
2020-11-26 12:47:21
今回の取材の中で「寝るというより細切れに気絶する感じ」「国のあり方を議論できていない」「制度を詰める時間的余裕がなく、国民に迷惑がかからないか心配だ」との声が現役官僚から寄せられた。
2020-11-26 12:47:21
霞が関の国家公務員にはやりがいや誇りを支えにしている人が多いが、この状況が続くとやめてしまうだけでなく、官僚になろうという人もいなくなってしまうのではないかと取材の中で心配になった。
2020-11-26 12:47:22
新型コロナの感染が拡大するなか、国家公務員には国民の命を守る仕事をしてもらわなければならない。しかし、そのためには霞が関の仕事を効率化するのはもちろんだが、人を増やすなど抜本的な改革をする時期に来ている。
2020-11-26 12:47:22