TwitterAPI有料化は可能な限り対応予定です。続報あり次第公式アカウントにて報告いたします。
2020年11月30日

農業と食料の専門家 浅川芳裕さん/「ビーガンが飢餓を救う」というビーガンの主張への警鐘

家畜を通じて生活を築いてきた文化に暮らす人々にとって、家畜のいないビーガン生活がいかに脅威をもたらすか
38
農業と食料の専門家/浅川芳裕 @yoshiasakawa

▼メディアが報道しない「農業・食料・環境」問題の情勢分析&役立つ情報提供を心掛けています ▼著書は15万部超のベストセラー『日本は世界5位の農業大国 大嘘だらけの食料自給率』等10冊 ▼農業アドバイザー/ジャーナリスト/政策アナリスト ▼農業ビジネス編集長 ▼農家13代目 ▼質問募集中!

農業と食料の専門家/浅川芳裕 @yoshiasakawa

今回ビーガン諸姉からの意見の中で、「ビーガンが飢餓を救う」説がむごすぎる。ロジックは「私の肉食否定⇒家畜の減少⇒エサが食料に安く回る⇒世界の飢餓を救う!」だが、世界の現実が見えていない。飢餓に一番直面している世界の大多数が「家畜で生計」を立てる人々で、その彼らを一番飢えさせる説だ

2020-11-26 01:50:43
農業と食料の専門家/浅川芳裕 @yoshiasakawa

まず、食料と収入を「家畜」に依存している人々が途上国に約10億人(IFAD:国際農業開発基金)暮らしてい現実がある。その多くは地球の表面積の半分を占める半乾燥・乾燥地帯で家畜と暮らす。十分な穀物は育たないが、人が食べられない草や残渣を家畜に食べさせ、財産として蓄え、生計を立てているのだ

2020-11-26 01:52:14
農業と食料の専門家/浅川芳裕 @yoshiasakawa

そうした零細な牧畜家たちは何も貧しいわけではない。家畜の飼育について専門知識があり、何千年もの間、厳しい環境条件に適応し、牛や羊、山羊、ラクダなどを最適バランスで飼ってきた。同じ畜種を飼えば特定の植物を食いつぶし、持続可能性を失うからだ。自然と動物の調和をとるプロフェッショナルだ

2020-11-26 01:53:19
農業と食料の専門家/浅川芳裕 @yoshiasakawa

乾燥・半乾燥地帯だから当然、雨量が少なく、水資源が少ない。その限られた資源を自分が飲む前に家畜に与える。自分はミルクを通して頂き、余ったのは大事に乳製品にして貯蔵食にする。まさに生存の伴侶である。彼らの絆は、普通の農耕民やまして愛玩動物しか知らない都市民と比べようがないぐらい深い

2020-11-26 01:55:11
農業と食料の専門家/浅川芳裕 @yoshiasakawa

食料(穀物)は畑を持つ牧畜家もいるが、農耕民との連携で手に入れる。家畜の糞尿を堆肥として提供したり、耕作に家畜の手を貸した手間と作物を交換する。互酬の関係である。収穫後は家畜を放ち、作物残渣を食べさせる。牧畜民と農耕民と家畜が一体となり、資源をムダなく皆の摂食につなげる生存戦略だ

2020-11-26 01:56:24
農業と食料の専門家/浅川芳裕 @yoshiasakawa

伴侶であり、貴重な財産である家畜をむやみに食べはしない。食するのは伝統で定まった儀式やハレの日だ。一定数以上増えたり特定の時期に現金や金などの流動資産に交換する。その際、市場となる都市の食料価格や輸入肉は高い方がいい。家畜の財産価値が高まるからだ。食料は交換含む自給だから問題ない

2020-11-26 01:57:26
農業と食料の専門家/浅川芳裕 @yoshiasakawa

何が問題かといえば干ばつのときだ。元々、水資源が少ない所で極度の日照りが続けば、人(牧畜&農耕家)・家畜・作物全てにとり生命の基が断たれる。最後の砦、家畜が食べる草も枯れる。この飢餓の危機を脱するには財産を食するしかない。次に食料調達に重要なのが現金や金などの短期流動資産である。

2020-11-26 02:17:32
農業と食料の専門家/浅川芳裕 @yoshiasakawa

干ばつの最貧国にいっても食料自体は備蓄や輸入、援助などで存在はする。問題は自給自足のキャッシュを余り持たない牧畜民たちが自給バランスが崩れたとき買えないことだ。そこで肝心なのが家畜の健全な市場形成である。牧畜周辺に位置する地方・都市民が豊かになり、食肉や乳製品を食する需要のことだ

2020-11-26 02:27:47
農業と食料の専門家/浅川芳裕 @yoshiasakawa

これは、アフリカでミルクや肉の大部分を長年、担ってきた小規模牧畜家にとって、収益性の向上や生計の持続可能性を意味する。牧畜・畜産業の発展は、何千万人もの失業中の若者が暮らす牧畜がメインの農村地域の雇用と経済成長にとって、数少ない希望であり、大きな原動力となる…💤続きは明日以降…

2020-11-26 02:43:57
農業と食料の専門家/浅川芳裕 @yoshiasakawa

例えば日本ではいまだ飢餓のイメージがあるエチオピアだが、食肉が買えるようになった中間層の増加により、農業GDPは飛躍的に向上。市場に応じ、家畜頭数の増大、ワクチンなど近代畜産の導入による死亡率の低減が進む。国民の4割を占めその内、8割が家畜を飼うエチオピア農家が貧困から脱し始めている

2020-11-28 13:10:33
農業と食料の専門家/浅川芳裕 @yoshiasakawa

少し豊かになったエチオピア農家は農業機械を購入し始めている。これまで、畜力(家畜による牽引)に依存していた畑を耕す作業が機械に代わることで、出荷できる家畜頭数を増やすことができる。つまり、自給自足の脆弱な農業から、現金収入の得られる自分や家族、親族を養える農業へ現在、転換中なのだ

2020-11-28 13:39:31