まず、がんの代謝を語る上で絶対に外せないのが、ドイツの生化学者であり、1931年にノーベル生理学・医学賞を受賞した、オットー・ワールブルグ(Otto Warburg)博士の発見です

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医療法人聖仁会 松本医院 @matsumotoclinic

まず、がんの代謝を語る上で絶対に外せないのが、ドイツの生化学者であり、1931年にノーベル生理学・医学賞を受賞した、オットー・ワールブルグ(Otto Warburg)博士の発見です(Science, 123, 309–314)。

2020-12-04 19:43:20
医療法人聖仁会 松本医院 @matsumotoclinic

普段酸素が存在している有酸素条件下では、我々の細胞内ではブドウ糖がミトコンドリアで完全燃焼されることによって、生命活動に必要なエネルギー(ATP)が産生されています。これを好気的リン酸化(Oxidative phosphorylation:OxPhos)と言います。

2020-12-04 19:43:20
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一方で、酸素がない無酸素条件下では、我々の細胞内ではミトコンドリアの好気的リン酸化(OxPhos)が阻害され、解糖系から乳酸発酵という代謝経路に切り替わっていきます。

2020-12-04 19:43:20
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オットー・ワールブルグは、がん細胞ではミトコンドリアの好気的リン酸化(OxPhos)が障害されており、有酸素条件下でも解糖系が亢進されていることを見出し、それをがん細胞の特徴として発表しました(Science, 123, 309–314)。

2020-12-04 19:43:21
医療法人聖仁会 松本医院 @matsumotoclinic

この、「がん細胞では有酸素条件下でもミトコンドリアの好気的リン酸化が阻害され、逆に糖系が亢進している」ことを、ワールブルグの名前を取って”Warburg Effect(ワールブルグ効果)”と呼んでいます。

2020-12-04 19:43:21