「暗い時代の人間性について」 ハンナ・アーレント

5
GMBO2008 @GMBO2008

私たちは過去をなかったことにできないのと同様に、過去を克服することもできません。しかし過去を受け止めることはできます。そのための形式が嘆きであり、それはあらゆる種類の想起から立ち上がってきます。 「暗い時代の人間性について」 ハンナ・アーレント

2020-12-07 23:13:40
GMBO2008 @GMBO2008

それについては、かつてゲーテが以下のように述べています: 痛みは新しくなる、生の嘆きは 迷路のごとく、誤った道程を繰り返す。 「暗い時代の人間性について」 ハンナ・アーレント

2020-12-07 23:13:41
GMBO2008 @GMBO2008

人は、自らが常に逃亡中であり、逃亡こそが世界が自己を表明する現実であることを知らねばなりません。 「暗い時代の人間性について」 ハンナ・アーレント

2020-12-07 23:20:36
GMBO2008 @GMBO2008

そうした世界逃亡の本来の力は、迫害から生じてくるのであり、従って逃亡している人々の個人的=人格的な強さは、迫害と危険が大きくなればなるほど成長していくのです。 「暗い時代の人間性について」 ハンナ・アーレント

2020-12-07 23:20:36
GMBO2008 @GMBO2008

世界が"人間的'"であるのは、人間によって作り出されたからではありません。また人間の声が鳴り響くことを通して、人間的なものになるわけでもありません。会話の対象になった時に初めて、世界は人間的になるのです。 「暗い時代の人間性について」 ハンナ・アーレント

2020-12-07 23:31:11
GMBO2008 @GMBO2008

(中略)私たちは自分自身の内で、そして世界の中で起こっていることについて語ることを通して、それを人間化(vermenschlichen)するのであり、また、そうした語りの中で、私たちは人間であることを学ぶのです。 「暗い時代の人間性について」 ハンナ・アーレント

2020-12-07 23:31:11
GMBO2008 @GMBO2008

彼(レッシング)が関心を持っていたのは、論争した相手と実際に仲違いするか否かではなく、世界と世界の事物について絶え間なく、繰り返し語り合うことによって、非人間的なものを人間化していくことだったのです。 「暗い時代の人間性について」 ハンナ・アーレント

2020-12-07 23:37:50
GMBO2008 @GMBO2008

彼は多くの人間の友人になろうとしましたが、誰かの兄弟になろうとしたことはありませんでした。 「暗い時代の人間性について」 ハンナ・アーレント

2020-12-07 23:37:51
GMBO2008 @GMBO2008

各自がその瞬間に思いついたことではなく、自分が「真理だと思っている」ことを語るところでのみ、真理は存在し得るのです。しかしそのような語り合いは、孤独の中ではほとんど不可能でした。 「暗い時代の人間性について」 ハンナ・アーレント

2020-12-07 23:45:20
GMBO2008 @GMBO2008

そうした語りの成立は、多くの声があり、「真理だと思っているもの」の表明が人々を結合すると共に相互に分離するように作用する空間、即ち、共に世界を生じさせている人間たちの「間」にそうした距離を作り出す空間と結びついているのです。 「暗い時代の人間性について」 ハンナ・アーレント

2020-12-07 23:45:20
GMBO2008 @GMBO2008

ハンナ・アーレントは1933年に密かに越境してパリに亡命する少し前に、逮捕されてしまった。彼女は、有名な1964年のギュンター・ガウスとのテレビ・インタビューの中で、すぐに釈放されることになったその時の幸運について語っている。 「暗い時代の人間性について」解説 インゲボルク・ノルトマン

2020-12-08 23:33:45
GMBO2008 @GMBO2008

彼女は慣例に反して、自らの弁護のために弁護人を要求せず、警官と彼の「誠実で、礼儀正しそうな顔」を信頼したのである。帝国議会放火の後の一連の非合法的な逮捕の波のことを念頭におけば、彼女の振る舞いは不適切で、いかにもナイーブに見える。 「暗い時代の人間性について」解説 ノルトマン

2020-12-08 23:33:45
GMBO2008 @GMBO2008

しかしながら、こうしたナイーブさにこそ、全体主義体制下での道徳的・政治的諸価値の崩壊に直面した彼女が、自らの政治的考察の係留点にした状況的・反規範的な批判能力が現れているのである。 「暗い時代の人間性について」解説 インゲボルク・ノルトマン

2020-12-08 23:33:46