帝国憲法に殉死した清水澄法学博士の遺言

最後の枢密院議長 清水博士は、帝国憲法に殉じて投身自決しました。 彼が命を賭してまで戦後日本人に伝えようとしたことを読み解くため、原文より平易な言葉になるよう、書き起こしを行いました。
21
ふぐば🐽 @Fuguba

「自決の辞」 "新日本憲法の発布に先立ち私擬憲法を公表したる団体および個人ありたり。その中には共和制を採用することを希望するものあり。或は戦争責任者として今上陛下の退位を主唱する人あり。我国の将来を考へ憂慮の至りに堪へず。併し小生微力にしてこれが対策なし。"

2020-08-29 03:48:24
ふぐば🐽 @Fuguba

"依て自決し幽界より我国體を護持し今上陛下の御在位を祈願せんと欲す。これ小生の自決する所以なり。而して自決の方法として水死を択びたるは楚の名臣屈原に倣ひたるなり。 元枢密院議長 八十翁 清水澄 法学博士 昭和22年5月 新憲法実施の日認む"

2020-08-29 03:52:28

【自決の言葉】
新憲法発布に先立って私案を発表した団体・個人の中には、
日本を共和制にしよう、というものもありました。
あるいは、戦争責任者として天皇陛下(昭和帝)の退位を主張するものもありました。
我が国の将来のことを考えると、憂慮してもしきれません。
しかし私には残念ながら力がなく対策がない。

この老体にできることは、自決してあの世から日本の国体を護持し、
天皇陛下の御在位を願うことしかありません。

自決の方法として淵に身投げするのを選んだのは、古代中国・楚の国の重臣、屈原が国を憂えて汨羅江に身を投げた故事に倣ってのことです。

ふぐば🐽 @Fuguba

9月の読書。 最後の枢密院議長、清水澄法学博士は、『日本国憲法』の施行の日に自決の辞を認め、同年9月25日、汨羅江に身を投じた楚の屈原に倣って、熱海錦ヶ浦海岸に投身。帝国憲法に殉じた。 逐条帝国憲法講義 - 国立国会図書館デジタルコレクション dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid…

2020-08-29 03:40:27
ふぐば🐽 @Fuguba

9月は、国会図書館に公開されている上記の著書を読み、清水博士の赤誠に思いを馳せることとしたい。

2020-08-29 03:42:06
ふぐば🐽 @Fuguba

君主国體に於ける君主の統治権は、君主固有の権力であり、他から委任されたり継承されたりしたものではない。自己固有の権力を自己の名に於いて行使するのであって、他人の権力を代行するのでも、その権力を他人の名に於いて行うのでもない。

2020-08-29 04:20:35
ふぐば🐽 @Fuguba

人民の国體が君主を擁護し権力を代行させるようなものは、君主と称するも実は君主国體ではない。 対して、共和国體とは、人民の団体が統治権を有する国體である。首長として大統領を置くも、同じ元首と言えど、君主と大統領は性質を異にする。大統領は最高の官吏と見做して差し支えない

2020-08-29 04:23:21
ふぐば🐽 @Fuguba

共和国體は別名民主国體とも言う。言葉は異なるが、人民団体を統治権の主体とする点で、同一の観念である。しかし近来、君主国でも人民の安寧を本として天皇が統治を行わせられる我国も、民を主とするのだから、一種の民主国だという説を為す者がいる。

2020-08-29 04:28:00
ふぐば🐽 @Fuguba

確かに、民を本とするのは列聖が軫念せられたる所で、その意味で民主国というのは著者も躊躇するものではない。しかし、所謂民主国とは、統治権の主体を人民団体にあるとするものであり、擅(ほしいまま)に我が国体の美を紊(みだ)すもので、断じて間違いだ。

2020-08-29 04:33:18
ふぐば🐽 @Fuguba

統治権の主体と、政治上の目的とは別個の観念に属する。濫りに語によって思想を混乱し万古不朽の我が君主国体の精華を傷つけてはならない。 第2章 國體 より 帝国公法大意 - 国立国会図書館デジタルコレクション dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid…

2020-08-29 04:36:46

仁徳天皇の民のかまどの故事にもあるように、
歴代の天皇は民草の安寧を尊んで統治を行ってきました。
しかし「民主国」とは断じて異なります。

「民主国」というのは、統治権の主体が人民にあるということであって、
我が国の国体とはまったく異なるのですから、
軽はずみにこのようなことを言うのは厳に戒めなければなりません。

ふぐば🐽 @Fuguba

統治権の主体の問題と政治上の目的の問題は別個の観念、というのは全くその通りだと思う。民主主義という言葉を弄するのは有害。最近、美濃部、佐々木、清水らを読み返して言えるのは、3者とも、学術上の体系化に違いはあれども、根本の国体に於いてはなんら揺るぐことがないということ

2020-08-29 22:29:12
ふぐば🐽 @Fuguba

たしかに清水は美濃部の天皇機関説を採用する論者に対して反駁し、清水は天皇を機関とは断じて称しないと述べている。国体と政体を混同するような言説は国民の確信を動揺するものであると、しかし、美濃部の著書に当たると、彼は学術上なんでも細かく分類するのが性分であって、その意味で機関という語

2020-08-29 22:35:41
ふぐば🐽 @Fuguba

を用いているのであって、やはり根本として帝室が先にあって憲法の形に表れているという点では、なんら変わることがない。いまの視点で見てしまうと、どういった点での論点なのかを見誤り勝ちだと感じた。戦前の憲法学者は、統治権の主体が天皇に存するということに対して、疑義を差し挟むようなことは

2020-08-29 22:37:36
ふぐば🐽 @Fuguba

断じてなく、そんなことを言いでもしたら、論の域でなく思い違い・考え違いの域を出ず、論外言われるべきものであったものと思う

2020-08-29 22:38:25

天皇機関説で有名な美濃部達吉博士はたしかに、学説上天皇のことを
「国家の機関である」と言っていますが、
それは読んで字のごとく簡単な学説ではありません。

美濃部の著書をしっかりと読むと、日本の国体の厳として揺るがないことは当然のことであり、その権力の淵源は肇国以来の歴史的な事実によると述べています。
「機関」と表したのは学問上の用語の用法の違いであって、根本をたがえているわけではありません。

現代の感覚に照らして「天皇は機関である」と言うのとでは、雲泥の差があると心得なければなりません。

ふぐば🐽 @Fuguba

君は清水博士の自決を、ただ戦後に1人の人間が自殺しただけと聞き流すか?彼の赤誠に感じ、何千何万もの人間が国家再興を誓うということがあってこそ、彼も幽界から国体を護持できるのではないか。そのためにはまず、清水博士の著書を読まないと

2020-08-29 22:53:19
ふぐば🐽 @Fuguba

『帝国公法大意』第4章第3節 国務大臣の責任 憲法第55条第1項に国務各大臣が天皇を輔弼しその責に任ずことが規定されており、輔弼を全うできない場合は責任を免れることはできない。天皇に対し違法または失当の進言をし施政を誤らしめたり、輔弼の任務を怠った場合をも包含するのは勿論、

2020-08-30 01:04:33
ふぐば🐽 @Fuguba

天皇に対し進言するも十分に匡救の実を挙げられず、違憲違法の法令命令詔勅を発布するに至る場合も包含する。国務大臣が天皇を正路に導き得ないことは輔弼の任務を完うしないことで、責任を免れない。これは法律上も道義上も輔弼の忠誠適切を欠く全ての場合を包含する。

2020-08-30 01:08:34
ふぐば🐽 @Fuguba

蓋し国務大臣の任は重く、その責任は普通の官吏とは性質を異にするため、特に憲法に規定してある。つまり、普通官吏は上官の命令に依って行動していることを理由に責任を免れることがあり得るが、国務大臣は天皇の命令を奉じたのを理由として責任を免れることはないということだ

2020-08-30 01:11:48
ふぐば🐽 @Fuguba

なぜ君主の行為につき国務大臣が責任を負うか?学者の議論のある所。ある論者は、君主無答責により代わりに負うというが、他人の行為に責任を取るというのは法理に適さない。また、君主の行政権は全く国務大臣に与えたのだから、実質的に自らの行為だと言う者もあるが、これは

2020-08-30 01:18:53
ふぐば🐽 @Fuguba

君主を全くの無権力者の地位に置かしむもので、民主国の思想に基づくもので、我国のような立憲君主国の思想とは容れないのは明らかである。抑々大政の施行は必ず国務大臣の輔弼に依り行はれるのが原則であり、違憲な大政施行があるようであれば、やはり国務大臣の輔弼が

2020-08-30 01:21:24
ふぐば🐽 @Fuguba

全うされていないことに依るものと言わざるを得ない。たとえ違憲行為が君主の意思によるものであっても、この理由により、国務大臣の責任であることを、55条は明らかにしたものである。

2020-08-30 01:23:18
ふぐば🐽 @Fuguba

『逐条帝国憲法講義』第2編第1章「天皇」より以下意訳 dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid… 第1条は統治権の主体が万世一系の天皇にあることを明文で宣明したもの。天皇が極位にあり億兆に君臨せられ臣民これを仰瞻(ぎょうせん)し翼賛し奉るのは帝国建肇の由来であり千秋不動の伝統の国体である。

2020-08-30 02:54:29
ふぐば🐽 @Fuguba

君臣の情誼は油然(ゆうぜん)として、慈親が赤子に対する如く、他国にその例を見ない。而して天皇は天祖以来万世一系の血脈に当らせられ、皇統連綿として過去現在未来に通して一あって二あることがない。国家は万世一系の皇統と渾一融和し永劫不変の連繋を有する。寔に君主国の純白真正なるもので、

2020-08-30 03:00:17
1 ・・ 5 次へ