編集部イチオシ
2020年12月20日

量子力学の理解

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Masahiro Hotta @hottaqu

Theoretical Physicist. Relativistic Quantum Information, Quantum Energy Teleportation, Black Hole Physics, ...

mhotta.hatenablog.com

Masahiro Hotta @hottaqu

物理学徒に多くの混乱を引き起こす、前世紀から続く量子力学教育についてと、今世紀の量子ネイティブ育成のための量子力学の導入の1つの方法を書いてみたいと思います。特に「波動関数とは何か?」という初学者の誰もが持つ疑問を、多世界解釈等の非標準理論に逃げないでどう理解するかがテーマです。

2020-10-18 06:24:31
Masahiro Hotta @hottaqu

まず前世紀から続く量子力学の典型的な教科書の流れを復習しておきましょう。この論法は発見論的でわかりやすく、そのためワクワクする速習法として、今後も物理学以外の分野では、使用されていくと思います。

2020-10-18 06:26:41
Masahiro Hotta @hottaqu

前世紀の教科書では、まず粒子の運動量と「物質波」の波長もしくは波数とを結びつけるド・ブロイの関係式と、エネルギーと波の振動数もしくは角振動数とを結びつけるプランクの関係式から始めます。 pic.twitter.com/OOYMX5aZUX

2020-10-18 06:29:58
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Masahiro Hotta @hottaqu

そして物質波の平面波解を運動量とエネルギーを使って書いてみるのですが、そこでsin関数で書ける実数の振幅の波は駄目で、複素指数関数を使った波だという、よく根拠がわからない仮定を課します。しかもその複素共役の波も考えません。 pic.twitter.com/lXHR0tCqG7

2020-10-18 06:33:21
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Masahiro Hotta @hottaqu

そしてこの複素数の物質波に時間と位置の微分を施して、下記の関係を指摘します。 pic.twitter.com/uMHo4c2Zim

2020-10-18 06:34:24
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Masahiro Hotta @hottaqu

そして自由粒子を考え、運動量の2乗に比例するエネルギーの定義を使って、この物質波がシュレディンガー方程式を満たす解であることを、発見論的に示します。 pic.twitter.com/dhBcMddE2U

2020-10-18 06:36:18
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Masahiro Hotta @hottaqu

さらに「波」なので、線形重ね合わせができるだろうと自然に見える仮定をし、平面波解を運動量に依存した重みをかけて積分して、波動関数Ψを「定義」します。そしてこのΨはシュレディンガー方程式の一般解であると述べます。 pic.twitter.com/j0sOKqcx8W

2020-10-18 06:38:34
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Masahiro Hotta @hottaqu

まだ波動関数の解釈が残っています。普通はシュレディンガー方程式から下記の流れの式を導いて、波動関数の絶対値の2乗という量の物理的な解釈を考えようとするわけです。 pic.twitter.com/hxlgKxYIsH

2020-10-18 06:40:17
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Masahiro Hotta @hottaqu

そしてマックス・ボルンが導入した波動関数の確率解釈を述べて、量子力学の発見論的な速習法は完了するわけです。 pic.twitter.com/j8QJ657o5n

2020-10-18 06:41:38
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Masahiro Hotta @hottaqu

先に述べた速習法は、物理学徒にとって副作用が強いと思っています。一通り説明されれば、「波動関数とは一体なんなんだ?」と物理学徒の誰もが疑問に思うのは自然なことです。それは波動関数の導入が天下りに見えるからです。そして前世紀に多くの若い人達を遭難させたという黒歴史があるのです。 pic.twitter.com/RkN858cmhs

2020-10-18 06:45:08
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Masahiro Hotta @hottaqu

そこで量子ネイティブを沢山育成しなければいけないこれからの時代には、先の速習法はもう適していません。そこで、例えば下記のような量子力学導入の流れが良いだろうと個人的に思っています。これならば波動関数の理解を間違える可能性は圧倒的に低くなります。 pic.twitter.com/xYBbxRF8eh

2020-10-18 06:47:38
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Masahiro Hotta @hottaqu

量子力学では局所実在がないので、物理量の確率分布こそが基本となって、粒子の状態を一意に決めるのです。物理量には様々なものがありますが、その全ての確率分布をたった1つの関数で表しているのが波動関数Ψ(x)であると教えれば、無用な混乱を物理学徒に与えることはないだろうと思うのです。 pic.twitter.com/uSTt4xbMwK

2020-10-18 06:50:16
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Masahiro Hotta @hottaqu

これからの量子の時代には、当たり前に「Ψ(x)は物理的な実在ではなく、情報概念に過ぎない。量子力学自体が情報理論の一種なのだ」と腹に落ちている量子ネイティブが沢山増えてくれることを希望しています。 pic.twitter.com/pvsR3MTJZS

2020-10-18 06:52:30
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コメント

NARUTO,tousen @narutousen 2020年12月20日
量子力学の同じ実験を100回して、100人の物理学者が同時に観測した場合、1.確率的に計算された割合でバラバラに観測される2.確率的に計算された割合で全員が同じ観測結果になる、のどちらになるのでしょうか? 普通なら2.かな? だけどそこに絶対的に存在しているのかな? わかりません?
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あにき監督【Ani-Kan】 @tasukinki2 2020年12月20日
これを説明できれば、波動関数を理解したという自信が手に入るのでは。もちろん簡単ではないだろうけど、ツイートという140文字ブロックのおかげで、一つ一つがまとまっている。この、一つ一つを理解してく
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両棲装〇戦闘車太郎 @d2N5Q4GciZtsa2e 2020年12月20日
narutousen 実験の「系」が100個ならば1.だべな、光粒子の干渉実験とか光粒子がスクリーンの何処に当たるかは非決定的だし
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ねがてぶ @negatebu_chu 2020年12月21日
俺みたいなゴミは、定性的なお話から入るほうがわかった気にはなれたかなあ 優秀な人は最初からどんどん式に触れてもらおう
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いとうはるか @TKTKMTMTkkkk 2020年12月22日
確かにこう言われるとわかりやすいな 進んでいくうちになんとなく理解するものを最初に提示してくれる感じで
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☢山下238☣️ @Yamashita238 2020年12月22日
なるほどわからん。だが理解を目指す。 e=hvだけはわかるけど(←さっそく間違えている)
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