【私は知らない】『1950年代の天使ガブリェルと鴉たち』より。
【私は知らない1】「天使たちは蒸留水のような詩だけを書いている。」まず、これにやられた。つづく「ガブリェルはいつも故郷を夢想し 点検し ついに何も書けないのだ。だが彼には故郷に関する数十の詩の構想があり それが彼を熱くしている。彼は故郷の匂い抜きでは 詩はかけないのだ。」
2011-07-21 10:04:39【私は知らない2】「毎朝 起きてからの一時間 フルートを不機嫌そうに吹く。流麗な曲だ。天使たちは手を止めてそれに聞き惚れる。それから、一日が始まる。」
2011-07-21 10:05:38【私は知らない3】「偶然は物事をうまく運ぶ と大天使がかつて言った。また別の天使は 詩には神に書かれる部分が多ければ多いほどいいと述懐した。今日もそれに期待しよう。」
2011-07-21 10:06:47【私は知らない4】「鴉たちの厚いむれのなかに天使がまぎれることがある。余程の時だが。鴉が絶対多数の場合 彼らは苦笑いしている。日頃 鴉たちは天使の在りよう自体を虚偽だと言触らしている。問題にしたくないのだ。」「神を 見たくもないのだろう」
2011-07-21 10:07:51【私は知らない5】「天使には報われることがない。天使であることですでに報われているからだ。虚偽というのなら真実を告げる虚偽。」
2011-07-21 10:08:35【私は知らない6】「天使はなりたくて天使になったのではない。気づいたら天使であるのだ。ほかに在りようがない。」「鴉たちはそこを胡散くさく思っている。」
2011-07-21 10:09:35【私は知らない7】「悲劇的な天使はいない。如何に悲惨に見えようともだ。」「ともあれ彼らは存在している。だから鴉たちは鬱陶しく眺めている。」 *引用は『葉紀甫(すゑ のりほ)全口語詩集』(入沢康夫編集)「一九五〇年代の天使ガブリェルと鴉たち」より抜粋。(*著作権継承者 早川泰子©)
2011-07-21 10:13:09【私は知らない8】ゆうべ、くたくたに疲れて飛び込んだ寝床で、「葉」の天使ガブリエルと鴉たちの詩を、美しい詩を、ここまで読んで。ひどく満ち足りて、これ程ゆっくり眠れたことは、311以来、なかったほど。安らかに眠りに眠れた。そして、まだ痺れるような余韻の残る、しあわせな朝を目覚めた。
2011-07-21 10:15:16【私は知らない9】この詩集は、全編パソコンに手入力したもの(たぶん、友人の入沢さんが)を、インクジェットでプリントアウトし、クリップでとめてあるだけの、「紙束」である。送料込みで500円。その簡素な紙束のなかに天使ガブリェルは詩聖葉は、棲んでいるのだった。愛されて。
2011-07-21 10:17:35【私は知らない10】いくら高価な詩集を出そうと。いくら高尚な書評を貰おうと。「詩は愛されなければ読まれない」読み物。読み継がれていくことは、不可能なのだ。そして「詩人は愛されなければ生きられない」生き物。それが、わたしの結論です。あなたは、愛されているか。
2011-07-21 10:19:37【私は知らない11】わたしは愛している。
2011-07-21 10:21:27***
【私は知らない】について:私の旧姓は、野瀬です。ある時、スペイン人の方と知り合って、「スペイン語で、『のせ』ってどういう意味ですか?」と聞いた事があります。サとかセとかスペイン語っぽいので。すると「私は知らない」と言われた。「えっ?」と聞き返すと。もう一度「私は知らない」と。
2011-07-21 10:44:52なんだ。「意味ないんですね」と笑うと「だからね、『私は知らない』って意味!」とのことでした。「No se=わたしは知らない」気に入りました。「私は知っている」よりずっといいわと。物を知らない、わたしにぴったり。だから、私の名前は「私は知らない」コワイものなしです。おはようさん♪
2011-07-21 11:00:57ときどき、この「こわいものなし看板」でごちゃごちゃ言うかもしれないし、言わないかもしれないです。よろしく。今回は、引用があるので、間違わないように、ちゃんとメモしてツイりました。ちゃんと入力できてますように。
2011-07-21 11:05:06【わたしは知らない・番外編】「人は見た目が9割」とかいう本がありますが。待て。愛されるには「見た目が9割、仕事が10割」だとわたしは思いまつ。勇気をくれましたぜ。あいらぶ、澤!
2011-07-21 11:11:11