- henzanryou
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日本が誇る国宝キボシツブゲンゴロウの幼虫を世界で初めて発見しました!野外で採集した不明種の幼虫を飼育により羽化させることで、本種の幼虫であることを特定しました。石川、岐阜、高知では6-7月に幼虫が採集されたこと、飼育下の成育日数から、西日本では7-8月に新成虫が出現すると推測されます。 pic.twitter.com/Ykdrf0Oy8V
2020-12-26 21:42:06幼虫は清流の落ち葉溜まりや植物の根際から採集されました。その幼虫は26℃条件下において、蛹室を作ってから蛹化まで5日、蛹化から羽化まで5日、蛹室を作ってから新成虫が脱出するまで17日かかりました。本論文では本種の2齢幼虫、3齢幼虫、前蛹、蛹を初めて図示しています。
2020-12-26 21:46:58実は、キボシツブゲンゴロウの幼虫は2018年に採集しており(写真が当時の3齢)、本種のものであろうと当たりをつけました。飼育した幼虫は全て上陸して順調と思いきや、全て羽化することなく死亡。2019年は多忙により着手できず、今年再チャレンジしてなんとか羽化させることに成功しました。
2020-12-26 21:50:45同時に成虫を用いた繁殖にもチャレンジしていましたが、2年連続で失敗しました。①どこにどのように産卵するのか、②産卵スイッチはどのように入るのか、がなかなか見つかりません。来年こそは成功させたいところです。
2020-12-26 21:53:55本研究をする際、①幼虫を成虫まで育てて種を特定する、②成虫を繁殖させて幼虫を得る、③幼虫と成虫のDNAを分析して種を特定する。の3つの方法が浮かびましたが、飼育屋の意地で①②を選びました。2年かかってしまいましたが、無事に種を特定できて良かったです。
2020-12-26 21:56:20論文はこちらです。 Watanabe, K. & Y. Kamite, 2020. First records of Japanolaccophilus niponensis (Kamiya, 1939) (Coleoptera, Dytiscidae) larvae with ecological notes. Elytra, Tokyo, New Series, 10 (2): 357–358. researchgate.net/publication/34…
2020-12-26 21:58:36なぜ国宝なのか。それは本種が1属1種の大変貴重な種であるからです。学名『Japanolaccophilus niponensis』も日本を主張しています。まさにゲンゴロウ界の朱鷺!本種は環境省版レッドリストの準絶滅危惧に選定され、各地のレッドリストにも頻繁に登場する希少種です。生態解明に向けて研究を継続します.
2020-12-26 22:06:47キボシツブゲンゴロウJapanolaccophilus niponensis、日本列島の固有種です。美しい斑紋をもち、清流にのみ暮らします。残念ながら九州本土では60年近くみつかっておらず、再発見が望まれます。どこかに生き残っていて欲しい!ちなみに写真は対馬産。対馬でもかなり少ないです。体長約3ミリ。 pic.twitter.com/Is5LxIwJZC
2020-12-27 10:55:24@marukeshiman おめでとうございます✨ 飼育により解明されたとのこと、とてもロマンを感じます…!羽化した時の喜びはひとしおでしょうね!😊✨
2020-12-26 23:56:37@marukeshiman おめでとうございます!! 本種の幼虫はこちらでは見つけられなかったので、いつか探し当てたいとおもいます。
2020-12-27 00:01:01