株式会社カラーによるエヴァの二次創作ガイドラインについて未識魚/中川譲氏の連続ツイート

30
未識🐟 @mishiki

■中川 譲 / 未識 魚 ■キャラ絵の技術的・史的研究者 ■イラストレータ:『おしおき娘』等 ■アニメータ:冴えカノ♭・スロウスタート原画等 ■大学教員・翻訳(米語) ■本・グッズの通販等は:ofo.booth.pm ■ 絵はpixivへ: pixiv.me/mishiki (エロ有

ofo.jp

未識🐟 C103 31日 西へ-36b @mishiki

カラー社のガイドラインを読んだ。総じて、ガイドライン自体はよくできていると思う。以下感想。

2020-12-29 00:33:48
未識🐟 C103 31日 西へ-36b @mishiki

「ファン活動としての創作物を無償で公開する場合」に限定しているので、ネットでの公開のことしか書いてない。これは赤松先生などもご指摘の通りだし、ねとらぼ報でも注が入った通り。

2020-12-29 00:33:59
未識🐟 C103 31日 西へ-36b @mishiki

いわゆる同人活動は「商用利用」になると思われるが、ではその同人活動の「商用利用」はカラー社に別途「お問い合わせ」が必要な範囲にあるのかというと、それは「キャラクターの著作権」の話になるので、落ち着いて考えれば今までと立ち位置は何も変わっていない。

2020-12-29 00:34:50
未識🐟 C103 31日 西へ-36b @mishiki

「公序良俗」に反しない範囲で投稿しろと言ってるのではなく、「公序良俗に反しないサービス」を使えと言っているので、これは恐らく、どうやっても連絡のつかないような(昔の2ちゃんねるのような)サービスを避けてくれという方が主眼で、むしろファンを防護する親心な態度にも見える。

2020-12-29 00:35:28
未識🐟 C103 31日 西へ-36b @mishiki

「敬意と理解をもって」というのもよく考えられているところで、法律上のアウトとファン心理上・ファンコミュニティ内でのアウトの領域は異なるので、そこへ気配りしろとカラー社側が言うというのは、大変な細やかさを感じる。

2020-12-29 00:35:57
未識🐟 C103 31日 西へ-36b @mishiki

「ポルノ表現そのものを目的としたもの」を「控えて下さい」は、禁止でもないし(なので間違っても"No Porn"とは訳してはイケマセン)、「自分の表現はあくまで創作表現であって、ポルノ(絶対悪たる性差別表現)ではない」という防護壁を整えるところでしょう。

2020-12-29 00:36:30
未識🐟 C103 31日 西へ-36b @mishiki

「動画・音楽・音声については…ご利用いただけません」は引用すら不可というのはちょっとどうかと思ったけど、冷静に考えると、現在はDRM回避(=違法な行為)をせず本編の動画の一部を公衆送信するのは非常に困難なので、むしろこれもファンを保護しようという親心を感じる。

2020-12-29 00:37:08
未識🐟 C103 31日 西へ-36b @mishiki

「音楽や音声」についてはカラー社に権利がない可能性が高いので、そもそも許諾できる立場にないと考える方が妥当。なのでこれもファンを啓蒙・啓発する姿勢にすら見える。

2020-12-29 00:38:04
未識🐟 C103 31日 西へ-36b @mishiki

ただ、「本ガイドラインと同様のライセンスで作品を公開」がどこまで通用するかは疑問。「ファン創作物」に新たな著作物性が認められる場合に、ここに一律で同意したことにするという主張はちょっと困難なのでは? ただ「みなされます」とカラー社が主張すること自体には主張としての意味はある。

2020-12-29 00:38:46
未識🐟 C103 31日 西へ-36b @mishiki

というわけで、ほとんど問題らしい問題は感じない。よく考えられてるし練られてると思う。ただ、GPLやCCみたいにライセンスが伝播する発想についてはちょっと困難では? という印象。この辺はFree/Openソース系のコミュニティの方が知見の蓄積がありそう。

2020-12-29 00:41:46
未識🐟 C103 31日 西へ-36b @mishiki

特に評価したいのは「二次創作」という言葉を最後まで使わなかったところ。もうこれだけで、めちゃくちゃ知財関連法外のことまで分かっている人が書いているのは確実(まあそれはこの規模のIPなんだから当たり前か……)なので、まあかなり安心感ありますね。

2020-12-29 00:47:26
未識🐟 C103 31日 西へ-36b @mishiki

最大の課題は、これを「読める」人がどれくらいいるのか、というところだろうか。ねとらぼというのはテクニカルなことを延々と書くことが可能な数少ないウェブメディアだと信じているので、頑張ってもらいたい。

2020-12-29 00:54:16