赤ちゃんリーダー、大人リーダー

「強いリーダーシップ」=「赤ちゃん的万能感を取り戻したい願望」という変換式が適切かもしれない。
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shinshinohara @ShinShinohara

リーダーの命令は絶対、部下は上の言うことをよく聞く。そんなリーダーシップ観は、「赤ちゃん的万能感」を取り戻したい、幼児的願望にもとづいていると私は思う。泣きさえすればミルクは出てくるわ、おむつは変えてもらえるわ、欲求がすべてかなう、赤ちゃん的万能感を取り戻したい、という願望。

2021-01-09 00:09:41
shinshinohara @ShinShinohara

西郷隆盛や大山巌など、薩摩藩出身のリーダーは「大人のリーダー」だ。いかに部下にのびのびと動いてもらえるようにするかに心を砕き、自分はまるで愚か者のように茫洋とし、部下の活躍を喜び、問題が起きたら自分が責任を取る。赤ちゃん的願望、みじんもなし。

2021-01-09 00:11:59
shinshinohara @ShinShinohara

西郷隆盛や大山巌は、部下の活躍に驚き、喜んだ。それはまるで、赤ん坊が初めて立ったり、言葉を発した時に手放しで喜ぶ親のように。赤ん坊は、自分の成長が親を驚かせることをしり、強い成長意欲を抱く。昔のリーダーは、「驚き役」を心得ていた。

2021-01-09 00:13:44
shinshinohara @ShinShinohara

ところが昨今のリーダーシップは、部下を意のままに支配し、自分をあがめさせることを期待するようだ。それはまるで、「見て見て!僕ってえらくなったでしょ!ほめてほめて!」と親に言っているかのよう。問題は、親にではなく、部下に賞賛を期待している、その赤ん坊的願望。

2021-01-09 00:15:12
shinshinohara @ShinShinohara

「強いリーダーシップ」という言葉、私には、「その鳴き声で大人たちを振り回す赤ん坊」という風に変換されて聞こえる。そうかあ、右と言えば右、左と言えば左、って反応してもらえるの、赤ん坊や幼児のころにはあったよね。それを取り戻したいのかあ。うんうん。でも、それって大人じゃないよね。

2021-01-09 00:18:20
shinshinohara @ShinShinohara

泣き声一つで大人を振り回していた子どもは、幼稚園や保育園、小学校に通うことで、一つの現実にぶち当たる。自分と同じ年ごろの子には、自分のわがままが全く通じない、ということ。しかし同じ年ごろの子と一緒に遊ぶことは楽しいため、すぐその現実を受け入れる。身勝手は通じない現実を。

2021-01-09 00:20:36
shinshinohara @ShinShinohara

ところが人の上に立つと、幼児的願望が復活しやすいらしい。なぜなら、部下は上司である自分の片言隻句に右往左往し、一喜一憂する姿が、かつて赤ん坊のころ、泣いたり笑ったりすることで親たちを翻弄することができた記憶を呼び覚ますから。「あの時の万能感を取り戻せるかも?」

2021-01-09 00:22:42
shinshinohara @ShinShinohara

けれど、その万能感を取り戻そうとしたら、部下はいい年したオッサンに振り回されることに辟易する。赤ん坊ならまだかわいい。けれどオッサンの気まぐれにいちいち付き合っていられない。上司の言うことは会社の命令、という建前のせいで従っているが、内心、心の底からへきえき。

2021-01-09 00:24:24
shinshinohara @ShinShinohara

「赤ちゃん的万能感」を取り戻そうとする上司がいるような組織が、活性化するはずがない。「強いリーダーシップ」=「赤ちゃんの頃の万能感を取り戻したい」と脳内変換する常識を広めた方がよいように思う。

2021-01-09 00:26:16
shinshinohara @ShinShinohara

西郷隆盛や大山巌を生んだ薩摩藩、現在の鹿児島県の公立学校では、「校長の強いリーダーシップのもと、教員はそれに従って教育を施し、生徒は従順に従う」という方針で運営されているそうで。 残念ながら、それでは西郷隆盛や大山巌は生まれない。リーダーが赤ちゃん返りしては、誰も大人になれない。

2021-01-09 00:29:08
shinshinohara @ShinShinohara

リーダーは、大人になる必要がある。それには、親が赤ちゃんの成長に驚き、喜ぶように、リーダーは、部下の働き、成長に驚き、喜ぶ役割を果たすことが大切。リーダーが部下に「どうだ、俺はすごいだろう」というのは、下手ゴルフに付き合わせて部下にお上手を言わせる感じ。ちょっと幼児的。

2021-01-09 00:31:07
shinshinohara @ShinShinohara

西郷隆盛、大山巌、東郷平八郎は「大人」だった。部下の活躍、成長に驚き、面白がった。 部下の一挙手一投足に目を光らせ、細かく注意しては部下を委縮させて楽しむ赤ん坊的リーダーとは違い、西郷らは部下に元気がなければそれとなく声をかけ、元気ならば任せて見守った。

2021-01-09 00:33:41
shinshinohara @ShinShinohara

今の鹿児島の公教育が、もし「校長の強いリーダーシップのもと」という体制であるならば、もはや鹿児島からは、大西郷と呼ばれた西郷隆盛のようなリーダーは出てこないだろう。「いつか自分もリーダーになって、赤ちゃん的願望をかなえたい」という赤ちゃんリーダーを輩出するかも。

2021-01-09 00:35:31
shinshinohara @ShinShinohara

しかし、鹿児島県民は今も、西郷にあこがれ、大人というのは自分より年少に好きに活躍させ、それを見守り、何か問題が起きた時は自分が責任を取る、ということの大切さを知っている。公教育のほうが退嬰化(赤ちゃん返り)していないか。システムが県民を見習った方がよい。

2021-01-09 00:37:31
shinshinohara @ShinShinohara

残念ながら鹿児島に限らず、日本全国、公教育の現場では校長の権限がむやみやたらと強化され、一般の教員は校長の強いリーダーシップに従順に従う僕扱いされる傾向にあるようだ。子どもは、なんとなく気づいている。このシステムは、トップになれると赤ちゃん返りが許されるシステムだと。

2021-01-09 00:39:28
shinshinohara @ShinShinohara

みんな、大人になろう。赤ちゃん的万能感はひと時の現象なのだということは、幼稚園や小学校の時にすでに学んだことのはず。自分を見てもらおう、自分を認めてもらおうとするのではなく、部下を見て、部下の働きや成長に驚き、面白がろう。

2021-01-09 00:41:01
shinshinohara @ShinShinohara

「強いリーダーシップ」=「赤ちゃん的万能感を取り戻したい願望」だという、身もふたもない現実を、私たちは再度認識しなおそう。そうでないと、赤ちゃんというリーダーが泣いては国民が右往左往する国になってしまう(え?もうなってる?)。

2021-01-09 00:43:20