なぜ二重スリット実験で電子を見ると干渉縞が生じないのか?

二重スリット実験は多世界解釈で考えると理解しやすい。両スリットを通過した電子が同一地点に到着し干渉するのは世界全体が同一になる時だけ。どちらのスリットを通過したか記録すると世界全体が同一にならず干渉しない。
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x_seek @x_seek0

二重スリット実験の誤解に「電子は見ると粒子となり見ないと波になる」というものがある。 これは多世界解釈で考えると理解しやすい。両スリットを通過した電子が同一地点に到着し干渉するのは世界全体が同一になる時だけ。どちらのスリットを通過したか記録すると世界全体が同一にならず干渉しない。 twitter.com/AnshBhatnagar_…

2021-01-02 12:49:06

x_seek @x_seek0

@w_kiwamu 通常の3次元空間の波動関数を考えがちですが、デコヒーレンスを考察するには3N次元空間の波動関数を考える必要があります。 3N次元空間とは、この宇宙に存在する全粒子N個の座標を表現した空間です。3N次元空間は想像困難なため粒子の座標xと、観測装置の計器の針の座標Xの2次元空間を想像願います。

2021-01-04 18:34:40
x_seek @x_seek0

@w_kiwamu 今、二重スリット実験で、粒子が異なるスリットを通過し位置cに到達したとします。また観測装置は粒子がどちらのスリットを通過したか観測します。 スリットAを通過する場合、観測装置の計器の針の座標はAとなり、スリットBを通過する場合、針の座標はBになるものとします。

2021-01-04 18:34:58
x_seek @x_seek0

@w_kiwamu 粒子の位置だけを見ると、粒子は同一地点に到達したように見えます。しかし針の座標AとBは異なる座標です。 2次元空間の波動関数ψ(x,X)で、座標(c,A)と(c,B)は異なります。位置が異なるため、波の加減が発生せず干渉も起きません。これが一般にデコヒーレンスと呼ばれる現象です。

2021-01-04 18:35:21
x_seek @x_seek0

@w_kiwamu 「①どの程度の情報が漏れたら重ね合わせにならないのか、少しでも漏れたらデコヒーレンスするのか」 「情報が漏れる」とは「観測装置の計器の針」の分岐を意味します。二重スリット実験で、分岐した粒子が同一地点に到達しても、針の座標が異なり3N次元空間で異なる座標ならば干渉しません。

2021-01-04 18:35:43
x_seek @x_seek0

@w_kiwamu 「③一般に多世界解釈ではこのような2つの可干渉な重ね合わせとデコヒーレンス後の並行2世界をどのように区別しているのか」 多世界解釈では3N次元空間で同一地点(同一世界)に到達すれば可干渉、異なる地点(異なる世界)に到達すれば干渉しない、つまりデコヒーレンスとなります。

2021-01-04 18:36:26
x_seek @x_seek0

@w_kiwamu 「干渉縞ができている状態の計測器の針の座標はどう表現されるのでしょうか」 二重スリット実験で干渉縞ができる場合、世界全体が一致するため、どちらのスリットを通過したか観測しておらず計測器の針の座標は変化していません。(観測すると世界全体が一致せず干渉しません) twitter.com/w_kiwamu/statu…

2021-01-05 18:24:39
渡邉極之 @w_kiwamu

ダブルスリットの例で干渉縞ができている状態の計測器の針の座標はどう表現されるのでしょうか? 計測器が両方の座標を示す2つの波動関数の線形結合ですか? 線形結合できるときはお互いに可干渉の意味なので、3N次元で別の座標では干渉しないということと食い違ってわからないです。 twitter.com/x_seek0/status…

2021-01-04 22:12:43
x_seek @x_seek0

@takiuchi 現実世界では完全に孤立した部分系は存在しないため、厳密に言えば部分系だけで干渉は議論できません。しかし近似的な部分系は存在するため、近似的にならば部分系だけで干渉を議論できます。

2021-01-07 00:31:02
Genki Takiuchi @takiuchi

@x_seek0 近似的な孤立系でも干渉するという事は系内の3N次元空間の中身が完全に同じではなくてもある程度近いだけで干渉しうるという事でしょうか

2021-01-07 10:53:34
x_seek @x_seek0

@takiuchi 3N次元空間とは、世界に存在する全ての粒子の位置を指定するための空間です。3N次元空間の一点は、一個の世界に対応します。私はこの3N次元空間の一点を「確定世界」または単に世界と呼んでいます。 干渉とは、3N次元空間の同一地点で、異なる経路を経た世界が合流し波高が加減され変化する現象です。

2021-01-08 23:21:47
x_seek @x_seek0

@takiuchi 多世界解釈の干渉は、分岐した世界が合流し、世界全体が完全に一致した時だけ起こります。なぜなら干渉とは、3N次元空間の同一地点で、異なる経路を経た世界が合流し波高が加減され変化する現象だからです。 異なる二つの世界は異なる二点に対応します。二つの世界は合流しないと干渉しません。

2021-01-08 23:26:58
x_seek @x_seek0

@takiuchi ここで次のような疑問が生じるかもしれません。 「多世界解釈では世界全体が一致しないと干渉しないのに、なぜ部分系だけが一致した時にも干渉することがあるのだろうか?」 果たして、部分系「だけ」が一致しているのでしょうか?

2021-01-08 23:31:10
x_seek @x_seek0

@takiuchi 多世界解釈では起こりうる事象は必ず起こります。そのため部分系が孤立系で情報が残りの系に漏れてないならば、「残りの系が完全に一致する事象」は必ず起こります。 そのため部分系が孤立系の場合、部分系が一致するならば世界全体も一致します。これが「部分系だけで干渉を議論できる」理由です。

2021-01-08 23:41:08
x_seek @x_seek0

@takiuchi 部分系が孤立系ではなく、情報(二重スリット実験でどちらのスリットを通ったか等)が残りの系に漏れると、残りの系が完全に一致する事象が起きなくなります。 この場合、部分系が一致しても残りの系が一致せず、世界全体が一致しないため干渉は起こりません。これがデコヒーレンスです。

2021-01-08 23:45:06
x_seek @x_seek0

@takiuchi しかし現実には完全な孤立系は存在しません。近似的な孤立系でも干渉を議論できるのはなぜでしょうか?それは現実の世界が不確定性原理の範囲で広がっているからです。 ガウス分布のように局在する波動関数が存在する点の集合を私は「局在世界」と呼んでいます。局在世界は確定世界(点)の集合です。

2021-01-08 23:54:33
x_seek @x_seek0

@takiuchi 粒子が二重スリットのどちらを通ったかという情報は、わずかながら漏れ出てきます。それにも関わらず干渉が議論できるのは、部分系も残りの系も不確定性原理によって元々少し広がっているからです。 元々広がっているから、世界全体が完全に一致する事象が起こりうるのです。

2021-01-08 23:57:55
x_seek @x_seek0

@takiuchi 「近似的な孤立系でも干渉するという事は系内の3N次元空間の中身が完全に同じではなくてもある程度近いだけで干渉しうるという事でしょうか」 干渉は全体系の3N次元空間の一点で起こります。近いだけでは干渉は起こりません。世界全体が完全に一致する必要があります。

2021-01-09 00:03:33
x_seek @x_seek0

@takiuchi 「あるいは二つの世界の3N空間の一致する任意の部分空間では常に干渉が起こっているという事でしょうか」 異なる二つの世界(確定世界)は、3N次元空間の異なる点に対応するため干渉しません。干渉するには二つの世界が合流し、完全に一致する必要があります。

2021-01-09 00:05:19
Genki Takiuchi @takiuchi

@x_seek0 つまり世界は点ではなくガウス分布のような広がりを持つという事ですね。点が全粒子の位置ならば世界の経路は全粒子の運動量にあたると思いますが、不確定性原理によって世界の経路も確定せずにブレて超円錐?状に広がって線にならない感じでしょうか

2021-01-09 01:37:36
Genki Takiuchi @takiuchi

@x_seek0 それから点が重なるのは同一時刻の世界のみですよね。実際には3N+1次元空間で重なる必要があるという理解で良いでしょうか?

2021-01-09 02:00:14
x_seek @x_seek0

@takiuchi 「点が重なるのは同一時刻の世界のみですよね」 二つの可能性があります。 ①3N+1次元空間で重なる必要がある ②3N次元空間で重なる必要がある 私は②と推測しています。実際、時間経過で宇宙のどこかが違うため①と②は区別がつきません。(続)

2021-01-10 15:51:39
x_seek @x_seek0

@takiuchi 私は「時間軸は存在しない」と考えています。 時間に特別な方向はなく、3N次元空間に各時刻の世界が点在しており、世界間の遷移が時間として認識されていると考えています。時間が一方向に進むように感じる理由は未来の世界が現在の世界よりも圧倒的に多いからです。xseek-qm.net/time.html

2021-01-10 15:57:20
x_seek @x_seek0

@takiuchi 「不確定性原理によって世界の経路も確定せずにブレて超円錐?状に広がって線にならない感じでしょうか」 位置が完全に確定しているため運動量は完全に不確定です。経路は経路積分で計算します。局在世界(点の集合)の局在経路は確定世界(点)の確定経路(線)の網目です。 twitter.com/takiuchi/statu…

2021-01-10 16:02:15