メルケル独首相のTwitter社に対する批判への法学者の反応

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メルケル独首相の発言

日本経済新聞 電子版(日経電子版) @nikkei

意見表明の自由を制限する行為は「法に基づくべきだ」とドイツのメルケル首相。トランプ大統領のアカウントを永久凍結したTwitter(ツイッター)社の決定を批判しました。 s.nikkei.com/3i4tg6d

2021-01-12 00:30:45

発言への法学者の反応

satoshinr @satoshinr

情報法を研究しています。ここでは、個人的に思ったこと、感じたことを気ままにつぶやいています。Associate Professor of Information Law @ Kyushu University

satoshinr @satoshinr

メルケルの発言は、ドイツではアメリカや日本に比べ、ヘイトスピーチ規制など法律による表現の自由の制限が広く認められていることを背景に理解すべきなのかと。おそらく基本権保護義務的な発想もあるのだろうし。

2021-01-12 09:50:01
satoshinr @satoshinr

一方、アメリカでは、修正一条によりヘイトスピーチも含め表現の自由が広く保障されるものの、修正一条は私人による制約には適用されず、むしろプラットフォームのmoderationの自由が保障されると考えられることが一般的だったかと。

2021-01-12 09:54:05
satoshinr @satoshinr

1996年に制定された通信品位法230条もプラットフォーム事業者がユーザーの投降した(違法ではない)コンテンツを編集・削除することを認めてきた(編集・削除した場合にも免責してきた)わけで。両国の前提は大きく違う。

2021-01-12 09:55:53
satoshinr @satoshinr

なので、立法論・政策論としてはともかく、アメリカ法に則して言えば、Twitterが法に基づかず、脱法的に、あるいは緊急避難的にトランプのアカウントを停止したと言うのはミスリーディングかと。

2021-01-12 10:02:49
satoshinr @satoshinr

トランプ大統領のアカウント凍結やパーラーへのサービス停止など最近のプラットフォームと表現の自由めぐる問題についてインタビュー記事が公開されています。電話でとりとめもなくお話した内容をわかりやすくまとめていただきました。なお、記事のタイトルと小見出しは、編集部が付けられたものです。 twitter.com/miduwo/status/…

2021-01-18 08:54:31
丸尾宗一郎 @miduwo

成原慧先生にインタビューしました。ツイッター社がトランプ大統領のアカウントを凍結した件とそれに対するメルケル首相による批判について解説してくださってます。米独における「表現の自由」の考え方の違いがものすごく興味深く、勉強になりました。 gendai.ismedia.jp/articles/-/793…

2021-01-18 07:17:09
丸尾宗一郎 @miduwo

成原慧先生にインタビューしました。ツイッター社がトランプ大統領のアカウントを凍結した件とそれに対するメルケル首相による批判について解説してくださってます。米独における「表現の自由」の考え方の違いがものすごく興味深く、勉強になりました。 gendai.ismedia.jp/articles/-/793…

2021-01-18 07:17:09
リンク 現代ビジネス 「トランプのアカウント凍結」と「メルケルのツイッター批判」、多くの人が誤解していること(成原 慧) @gendai_biz 「現代ビジネス」は、第一線で活躍するビジネスパーソン、マネジメント層に向けて、プロフェッショナルの分析に基づいた記事を届ける新創刊メディアです。政治、経済からライフスタイルまで、ネットの特性を最大限にいかした新しい時代のジャーナリズムの可能性を追及します。 59 users 569
Takehiro OHYA @takehiroohya

Professor of Jurisprudence, Keio University Faculty of Law. Dean, Keio Univ. Correspondence Courses. Visiting Prof., Nagoya Univ. PhD Professional Office.

law.keio.ac.jp/~t_ohya/

Takehiro OHYA @takehiroohya

①今回はtwitterがアメリカ発の企業だから国内における私人対国家とか対政治のように見えてるけど、同社が同じことを他国の政治家や政府それ自体に対してもできるし全世界の個人に対してもできるという点がポイントなわけですよ。

2021-01-12 10:54:40
Takehiro OHYA @takehiroohya

②さらに言えばtwitter含めGAFAMなどは「アメリカ発の企業」「アメリカ的企業」であり、すでに多国籍企業ですらなくグローバル企業だとの表現も聞かれるところ。納税問題などを考えれば、彼らを特定国家の国内企業と単純に考えるわけには到底いかないわけで。

2021-01-12 10:54:41
Takehiro OHYA @takehiroohya

③メルケル独首相による、表現の自由に関する問題は国家法によって統制されるべきだという主張の背景にはこのような問題意識があるわけでしょう。人権が衝突する場合の制約について、国家は調整するための正統性を民主的に与えられている。では企業はどうなのか、という。

2021-01-12 10:54:41
Takehiro OHYA @takehiroohya

④そしてもちろん問題は、じゃあその国家は言うほど信頼できるのかという点にあり、EUが個人情報保護に関する規制を戦略的に活用したりしているのを見ると大変にうんざりするわけですね。権威主義国家がプラットフォーマーに検閲を要求してくるような事案も、当然にあったわけで。

2021-01-12 10:54:41
Takehiro OHYA @takehiroohya

⑤どうすっかね、というあたりの話を15日にオンライン刊行予定の『国際問題』誌に書いたのでちょっと待っててください。執筆したのは昨年10月なので当然ですがネタはトランプ大統領ではなく新型コロナウイルス問題です。《広告》

2021-01-12 10:54:42

『国際問題』誌 2021年1・2月合併号
焦点:パンデミック後を見据える世界と日本

リンク www2.jiia.or.jp 電子版国際問題(2020年12月 No.697) 焦点:「新型コロナウイルスに揺れる新興経済国」 5 users 413
Takehiro OHYA @takehiroohya

以下が掲載されております。大屋雄裕「パンデミックと超監視社会の可能性」『国際問題』698号(2021年1・2月号)、(公財)日本国際問題研究所、2021/1、pp. 23-31。オンラインでも以下で公開されています。www2.jiia.or.jp/BOOK/

2021-01-19 18:15:35
Takehiro OHYA @takehiroohya

ちょっと最後の方を引用しておきます。 「われわれ一人ひとりの個人の自由や権利を国家から守るために、企業が――しかもその独占的地位における振る舞いについてしばしば批判の対象になっている巨大IT企業が――行動しているという新たな状況がそこに存在しているとして、

2021-01-19 18:15:36
Takehiro OHYA @takehiroohya

国家としてはその動きをどのように理解し受け止めるべきなのだろうか。そのような抵抗を許さず、政府の下にすべてを一元化したシステムへと屈服することを迫るのか、彼らの疑念に応えるガバナンスのあり方を示そうとするのか、

2021-01-19 18:15:36
Takehiro OHYA @takehiroohya

それとも政府固有の責務などないかのように彼らの手にすべてを委ねてしまうのか。そして被治者であり主権者であるわれわれ国民は、そのどれを評価するのだろう か。」

2021-01-19 18:15:36
INVISIBLE DOJO @mdojo1

@takehiroohya というか、今こそ「自由か、さもなくば幸福か?」のほうの該当章をこそ《広告》すべきでしょうよ。 pic.twitter.com/M0WhyEemYJ

2021-01-12 15:16:35
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Takehiro OHYA @takehiroohya

あっそうか。 いや真面目な話いろいろ書いていて本人が覚えていないので適宜ご紹介いただけると大変にありがたく…… twitter.com/mdojo1/status/…

2021-01-12 15:39:27