ricky氏:MMTから必然的に出てくる、政府と金融業界の癒着への批判

MMTがアメリカで展開しているMMC(Money Manager Capitalism)批判について
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wankonyankoricky @wankonyankorick

MMTは当初より、アメリカ政府と業界の癒着構造を厳しく批判してきた(ビル・ブラック等)。これは政府が主権通貨を発行でき、それを頂点とする債務ヒエラルキーの構造が資本制経済の核になっている、というMMTの「貨幣理論」の「現実描写」から(そして業界団体と政府の

2020-09-21 15:50:23
wankonyankoricky @wankonyankorick

癒着構造」という現実認識から)、当然の論点であるわけ。 後のMMC論に関して簡単に言うと、労働市場の自由化による改革が進められ、労務者家計の所得が減少した。ブッシュ減税の結果、ローン控除が原則廃止されたけれど、住宅ローン控除だけが残された。公的年金が廃止され、民間の確定拠出型年金に

2020-09-21 15:50:23
wankonyankoricky @wankonyankorick

切り替えられ、巨額の資金が金融市場に流れ込んだ。金融規制監視が取り払われ、自己査定で十分とされた。融資先の査定が、リレーショナルバンキングシップ等からスコアリングでよいこととされるようになった。等々のことが、財務長官を筆頭として業界が送り込んだ行政吏によって企画され、業界の

2020-09-21 15:50:24
wankonyankoricky @wankonyankorick

ロビー活動を通じて議会で成立した。こうした法的条件がそろう中で、「所得から所有へ」「オーナーシップ・ソサエティ」の掛け声のもと、ホーム・エクイティファイナンスが可能になり、それを利用しなければ労務者家計が標準的(と自分たちが思っていた)生活水準を守ることができなくなり、そこから

2020-09-21 15:50:24
wankonyankoricky @wankonyankorick

サブプライムローンバブルが形成されるようになるわけ。つまり銀行がSPVに信用創造で金を生み出し、証券化によって将来の収入を当期の収入として計上することができるようになり(これが金融部門の巨大な架空利益を形成した)、ストラクチャー化によって危険資産を危険資産部分と安全資産部分に

2020-09-21 15:50:24
wankonyankoricky @wankonyankorick

分けることができるという形式を整えることができるようになり、その安全資産を原資産として様々な金融商品を販売することが可能になった。なお、危険部分(毒入り)部分を売却するためには、証券取引の買い手をだますことが必要になるわけだけれど、これも法律の改正等によって、刑事罰を受けなくて

2020-09-21 15:50:24
wankonyankoricky @wankonyankorick

済むようにされてた。 こうした一連の改革は、債務ヒエラルキーの内部で、決済の序列関係を前提として、それを梃として展開されているわけだから、MMTが当初からそうした動きに着目したのは、貨幣論として当然のことで(というのは、銀行が債務ヒエラルキーの上位にあり、連銀がいつでも銀行へ

2020-09-21 15:50:25
wankonyankoricky @wankonyankorick

決済用資金を提供することが分かっている中で、連銀や財務省の監督規制を改変し、政府の税制(ブッシュ減税)や支出(単に公共支出の減額だけでなく、年金制度改革、住宅ローン保証の改廃、雇用支援策の廃止等々)が金融業界の利益に沿って行われたわけだから)。同じ貨幣論のポジティブ・マネー派も類似の

2020-09-21 15:50:25
wankonyankoricky @wankonyankorick

問題意識の観点から批判を行っている。(まあ、ポジティブマネー派の改革案はMMTと全く逆になって100%準備マネーになっちゃうわけだけれど。) つまり政府が最終的な決済手段を生み出し、その支出や税制が民間の利潤や純資産の形成に密接にかかわっているという現実認識があるなら、業界と政府の

2020-09-21 15:50:25
wankonyankoricky @wankonyankorick

癒着構造がどのような形で現れるのか、それがミクロマクロ経済的にどのような結果をもたらすのかは、理論的観点及び現状批判の観点から当然重大な問題になる(ならなければおかしい)。こうした癒着関係は国や地域、時代等々の条件によって異なる。こうした違いをもたらすものが何であるのかは

2020-09-21 15:50:25
wankonyankoricky @wankonyankorick

わからないけれど、今のところ、日本における様々な業界と政府の癒着構造は、アメリカで見られたものとは全く異なる。少なくとも、金融業界の代弁者が立て続けに財務長官になるなどという露骨なことまでは行われてこなかった。労務者家計の貧窮化が組織的に行われているとはいっても、そしてそこに

2020-09-21 15:50:26
wankonyankoricky @wankonyankorick

様々な貧困ビジネスが寄生していても、そこから巨大金融機関が巨額の利益を手にできるような構造にまではならなかった。 そういう経緯があるから、日本ではMMT派による構造改革批判の議論が紹介されないままに来ちゃっているんだけれど、英語圏ではポジティブマネー派との論争などもあり、知られて

2020-09-21 15:50:26
wankonyankoricky @wankonyankorick

いないわけではない。 日本では、確かに米欧のような形での業界との癒着構造というのは(少なくとも表立っては)発展していなわけだけれど、だからといって、貨幣論と権力と業界の癒着関係の結びつきに対する考察を放棄するわけにはいかない。 MMTは、当初より、地域住民に一方的に負債を負わせる

2020-09-21 15:50:26
wankonyankoricky @wankonyankorick

ことのできる政府の権力が貨幣の起源である、と主張しているのであり、その意味で、権力論を欠いた貨幣理論(主流派経済学のそれがその典型)には意味がないとしている。貨幣と政治権力との関係を理論的にも現状分析上も欠くことができないはず。 アメリカではクリントン時代とブッシュ時代とに

2020-09-21 15:50:27
wankonyankoricky @wankonyankorick

またがって、金融魚介の代弁者が財務長官に就任しているが、対立する両党派にまたがって金融業界が影響力を行使することが可能になるためには、金融業界によって主張されている改革が正当なものである、と世の中に受け入れられるイデオロギー操作が必要になる。そこで大きな役割を果たしたのが

2020-09-21 15:50:27
wankonyankoricky @wankonyankorick

大学における経済学の教程。権力関係を排除した論理空間のもとでの最適化を旨とするモデル構築によって、政府も家計や企業と同じ一経済主体だとされ、あるいは政府による介入は非効率をもたらすあるいはまったく無効である、とする結論を導き出すように作られたモデルによって政府の役割は縮小され

2020-09-21 15:50:27
wankonyankoricky @wankonyankorick

自由化が推し進められたわけだけれど、そうした認識が党派を超えて共有されている限り、金融制度改革はなかなか進まない(金融危機のような直接的危機の後には、多少変化はあるとしても)。 つまり、貨幣論は権力論ばかりでなく、狭い意味(と広い意味―今回は触れないけど―)のイデオロギーも含めた

2020-09-21 15:50:27
wankonyankoricky @wankonyankorick

制度論として語られることが必要になる。(おいらが昨日、東アジアのコロニーキャピタリズムとアメリカのコネクションビジネスとの概念的区別をしなければならない、といったのもそういう文脈、つまり、アメリカにおける業界癒着の在り方と日本や東アジアにおけるそれとの違いをどう概念的に把握する

2020-09-21 15:50:28
wankonyankoricky @wankonyankorick

のか、という話だったんだけれど、どうもあまり理解してもらえなかったようだ。。。(´・ω・`) MMTがアメリカで展開しているMMC批判やコントロール詐欺批判に相当する批判的議論をどのように進めていくか、という話だったんだけれど。。。)

2020-09-21 15:50:28