2021年1月15日

ricky氏: 政府を貨幣の「ユーザー」であるという"擬制"と『イデオロギー暴露』としての中銀国債引受

『主流派経済学では利潤機会が実物「パイ」と同一視されているが、そんなものは虚偽意識に過ぎない。現に「パイ」は単に利潤機会がない、というだけの理由で余ることが多い。』
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wankonyankoricky @wankonyankorick

Mitchell, Watt & Wray の教科書で、レイが、中央銀行が発券市場で国債を購入できるというごく簡単な反事実的仮定を「イデオロギー暴露」と大げさに表現したことの意味は、こうした文脈で考えると理解できると思う。  中央銀行が発券市場で国債を購入できない、とする法制度は、それによって政府も

2020-09-15 22:43:19
wankonyankoricky @wankonyankorick

企業や家計同様の貨幣の「ユーザー」であるという擬制を作り出す役割を果たしている。誰も貨幣を自分の支出のために創り出すことはできない。そして中央銀行は実物経済資源の成長(人口成長、新資源の発見・開発、技術革新)等に合わせて貨幣供給量をコントロールする。そうすることで貨幣制約と

2020-09-15 22:43:19
wankonyankoricky @wankonyankorick

実物制約を同一視することが可能になる。政府の支出が民間の生み出す所得の移転や借り入れから構成されており、赤字財政は財政破綻につながる、という虚偽意識の根拠がこうして構成される。中央銀行の独立性は政府の恣意的な経済資源濫用に歯止めをかけるために必要なのであり、それが侵されれば際限の

2020-09-15 22:43:20
wankonyankoricky @wankonyankorick

貨幣制約と実物制約の間の不整合(ハイパーインフレ)に結びつくとされることになる。レイが単に中央銀行による国債直接購入モデルを「イデオロギー暴露」と称した理由は、こうした観念が虚偽意識に過ぎないこと示したかったんだと思う。そういう意味では、中央銀行が国債を直接購入して政府が支出すれば

2020-09-15 22:43:20
wankonyankoricky @wankonyankorick

インフレになるので、それを追求するべきだ(インフレ目標を超えたら、赤字を減らすべきだ)とする考え方は、こうした虚偽意識からのわずかな逸脱に過ぎない。本人たちがどう意識しているかにかかわらず、政府支出によって実物資源制約と貨幣制約とを一致させ、多少貨幣過剰に持ってゆくことでインフレを

2020-09-15 22:43:20
wankonyankoricky @wankonyankorick

起こし、それによって景気回復につなげる、というわけだから。それに反してMMTは、貨幣制約と実物資源制約の間に関係はそうしたものではない、インフレが実物資源制約を貨幣供給量が上回ることで生じることなど一般的ではない、としているわけ。だからこの教科書では、雇用水準の決定については

2020-09-15 22:43:21
wankonyankoricky @wankonyankorick

ケインズ・ワイントロープ・クラウアー・レーヨンフープットが参照され、物価水準についてはヒッチ&ホールをはじめとする管理価格理論が採用されており、単純に需要が増えれば価格が上昇し、生産が増え雇用が増える、といった図式は描かれていない。そうした単純な図式自体が実物資源の制約と

2020-09-15 22:43:21
wankonyankoricky @wankonyankorick

貨幣制約の関係の同一性あるいはそこからの偏差という形で経済をとらえているわけなんだけれど、MMTが言っているのは、そもそも経済的実物資源と貨幣の間にはそのような関係はないし、あるべきでもない、ということ。MMTがずっと国債の廃止・中央銀行の直接融資を主張してきたのは、こうした

2020-09-15 22:43:21
wankonyankoricky @wankonyankorick

イデオロギー暴露という目的があったからだし、フルワイラーが繰り返し、「MMTが言っているのは、中央銀行が国債を直接購入しようとしまいと同じだ、ということだ」といっているのも、こうした「ものの考え方の枠組み」を変えていかなければ、適切な経済政策論争などできはしない、という問題意識に

2020-09-15 22:43:22
wankonyankoricky @wankonyankorick

貫かれてのことだと思う。政府は企業や家計と異なり貨幣の発行者として位置づけられるので、わざわざ景気を良くして虚偽の「パイ」を拡大しなければ雇用や福祉の充足を図ることができない、などということはない。主流派経済学では利潤機会が実物「パイ」と同一視されているが、そんなものは虚偽意識に

2020-09-15 22:43:22
wankonyankoricky @wankonyankorick

過ぎない。現に「パイ」は単に利潤機会がない、というだけの理由で余ることが多い。その余った「パイ」を使うことで社会生活を改善することができるのであれば、景気を刺激するなど迂遠な手段によらずとも、直接その「パイ」を購入するため貨幣を発行すればよい。虚偽の中央銀行の独立によって

2020-09-15 22:43:22
wankonyankoricky @wankonyankorick

もたらされた虚偽の貨幣制約と、虚偽の「パイ」という幻想の皮をひん剥こうというのがMMTの「パラダイム転換」の主張なんだと思う。その文脈で考えればレイが発券市場での購入という小さな仮定を「イデオロギー暴露」と呼んだ理由もわかると思う。

2020-09-15 22:43:22

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