【きょうの風も】福間健二 #k2fact282

1月14日から23日まで。表現の生みだすイメージは、現実の視界では遮断されたり、立つ位置の後側にあったりして見えないものを含むべきだ。さらにもうひとつ、思い浮かぶこと、感じることなどの、なかなか言葉になってくれない部分を、意味をこえるものとして含むべきだ。この二つのことを考えながら書いた。だいぶ前から、音楽、自分で音楽だと思っているものだが、それが先に出てくることが多くなった。 音楽は、7で出した、このところよく聴いているチャーリー・パーカー(バード)。いい曲ありすぎだけど、「Now's The Time」。 https://www.youtube.com/watch?v=ryNtmkfeJk4&feature=emb_logo
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福間健二 @acasaazul

きょうの風も、この門、この窓の体温を奪いとり、だれの視野にも入らない島を動かしながら、生きた道具と死んだ道具を区別しない。だとしても、風の色に驚くということがまだできる人、ホワイトホースを飲みすぎるな。そのいのち、そのこころ、風は知っている。(きょうの風も1)#k2fact282

2021-01-14 11:47:27
福間健二 @acasaazul

九月の風を見るのは、木々の揺れる葉を見ることだった。警戒すること以外の仕事があって、風を感じたあとに少しべとつく指をからませて歓楽街を通りぬける二人もいた。歩く。着く。左側の窓からの空、鳥、信号機。問題は。魂に言った。救われるかどうかじゃないぞ。(きょうの風も2)#k2fact282

2021-01-15 11:35:12
福間健二 @acasaazul

きょうの風も、ぼくを踊らせる。振り返らないためのダンス。はじまりを呼びだすためのダンス。そうだったろうと念を押したがる人、引き裂かれるよ。逃げる。追う。どちらでもあり、ふさがなくていい哀愁もあって、ぼくの発明したこの白い馬はまだ値下がりしない。(きょうの風も3)#k2fact282

2021-01-16 11:59:04
福間健二 @acasaazul

怒りで歪んだ顔。元に戻っても輪郭としてそうだというだけで、写真の水の上、時代遅れの笛が鳴る。安売りしないという意地の、維持だが、ウイスキーは安くなっている。結局、飲みすぎて、風よ吹け吹け、風車はないけど、阿佐ヶ谷のロンサム・カウボーイ、目がまわる。(きょうの風も4)#k2fact282

2021-01-17 16:30:34
福間健二 @acasaazul

もやし、シュレッドチーズ、くきほうじ茶、酢。きょうの買い物。赤い芯のダイコンはなかった。消費生活には、はずせることならはずしたい。哀愁も、錆びた釘も、身を隠す森を通りぬける電波、その作用も。行けなくなった弘前の友からの言葉。いのちはいまを生きるだけ。(きょうの風も5)#k2fact282

2021-01-18 13:41:38
福間健二 @acasaazul

風を見る。背負わない。本を読んで感想をまとめる。それだけで人生なんとかなってくれと願った虫がすぐに戻ってくることはわかっていた。愚かな、でも冬を生きのびる虫。よかったね。ふらつく足どりで戻っても、阿佐ヶ谷にはネオ書房がある。コンコ堂と銀星舎もある。(きょうの風も6)#k2fact282

2021-01-19 08:21:27
福間健二 @acasaazul

どんな興奮で、どんな人間になろうとしたか。朝、三十ページのエルロイ、一時間のバード、まだ足りない。直線上に起こることの限界にぶらさがる道具は、楽しいとき、そのあとに待っているものを思って怖くなる人々と落葉を結びつける。十人、百人、千人、掃いて捨てた。(きょうの風も7)#k2fact282

2021-01-20 13:52:13
福間健二 @acasaazul

惑星の一部であること。怒っている惑星の一部であること。その不安、どうすれば汚れきって留守の他人の家のお風呂に入ったり、上弦の半月のすぐ上の火星に気づく七十五歳のお母さんを愉快に描写する息子になれたりするのか。凍る湖とため息も入れた荷物の置き場所はここ。(きょうの風も8)#k2fact282

2021-01-21 10:14:59
福間健二 @acasaazul

湖の中身、財布の底。どう開くのか。いろんな門、いろんな窓、いろんな生き方がある。体温、ぬくもり、中華丼を食べる人とラーメンに小ライスの人が話している。テーブルは別でも、コロナ、大雪、それ以上に困ったことなど。きょうの風も食後の自転車にはやさしくない。(きょうの風も9)#k2fact282

2021-01-22 09:12:46
福間健二 @acasaazul

落葉を掃く道具、何の手だったか。簡単なことを思い出せない人、自転車もうやめたほうがいい人、みんなぼくの馬に乗って、きょうの風も歌う。生の歌。夜になれば、死の歌。聴く姿勢と場面だけの問題ではなく、まだ現れない人、自分でなにか縫うということをしないのか。(きょうの風も10)#k2fact282

2021-01-23 12:03:02