エビラ

自分のすぐ近くにも、知らないことは案外多く存在する。
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カルヴァドス @cornelius0321

①私の実家(神戸)の近くに、生田神社がある。三宮駅からすぐの東急ハンズの裏手なので、アクセスもよく、兵庫県ではおそらく初詣の人出が最多の神社である。今熱愛中の某女性芸能人が一度目の挙式をした所なので、それを契機に参拝者が急増した。

2011-07-24 03:22:21
カルヴァドス @cornelius0321

②この生田神社の脇に、「エビラ薬局」というのがある。「エビラ」という響きが珍しい。「エビラさん」という名前ではないと思う。私が最初に考えたのは、この「エビラ」だ。http://t.co/I4rwHs2

2011-07-24 03:22:07
カルヴァドス @cornelius0321

③1966年の『ゴジラ』シリーズに出てくる伊勢海老とザリガニが合体したような怪獣だ。映画公開時にプラモデルが発売されたが、このエビラのプラモデル、未使用で箱付き美品なら250万円ものプレミアがつく超レア物だ。マニア垂涎の的である。最近になって復刻版が発売されている。

2011-07-24 03:21:56
カルヴァドス @cornelius0321

④ところで、プロフィールにも書いているように、私は歌舞伎が好きで、以前は、毎月のように大阪から新幹線に飛び乗って、東京歌舞伎座まで見に行った。数年前の歌舞伎座の演目に『箙の梅』という演目があった。

2011-07-24 03:21:43
カルヴァドス @cornelius0321

④ところで、プロフィールにも書いているように、私は歌舞伎が好きで、以前は、毎月のように大阪から新幹線に飛び乗って、東京歌舞伎座まで見に行った。数年前の歌舞伎座の演目に『箙の梅』という演目があった。

2011-07-24 03:21:43
カルヴァドス @cornelius0321

⑤神戸や兵庫には、「鵯越」「須磨一の谷」など源平合戦の戦場になった地がいくつもある。『義経千本桜』の一幕「大物浦」は尼崎にあり、今は、阪神電車大物駅がある。平知盛が体に碇を巻きつけて入水する場面が最大の見どころだ。

2011-07-24 03:21:34
カルヴァドス @cornelius0321

⑥生田神社一帯にあった「生田の森」も、源平合戦の舞台になった。『箙の梅』は、梶原景季が森にあった梅の枝を手折って、背中に掛けた矢を入れる筒にその梅の枝を挿して戦場に赴く話だ。能にもあるが、歌舞伎では梶原と若い娘の淡い恋も絡ませている。

2011-07-24 03:21:25
カルヴァドス @cornelius0321

⑦生きるか死ぬかという過酷な戦争の最中でも、梅の花の美しさに思いを寄せる「風流」あるいは「風雅」の心を忘れないという武士の美意識の高さを味わう演目なのだ。

2011-07-24 03:21:12
カルヴァドス @cornelius0321

⑧この「矢を入れるための筒」を「箙」という。この字の読み方は、そう、頭の回転の速い方はおわかりだろう。「エビラ」だ。

2011-07-24 03:20:58
カルヴァドス @cornelius0321

⑨生田神社の脇にある「エビラ薬局」の「エビラ」の由来は、この『箙の梅』だ。好きな歌舞伎の演目が、実は私の実家のすぐ近くの故事に縁があるということを発見した瞬間だった。これだから歌舞伎好きはやめられない。<この話題終わり>

2011-07-24 03:20:46