社会変革に関するディスカッション【封建社会から競争社会、そしてゆとり社会へ】

生産性が安定している社会にとって合理的なシステムが封建主義、生産性が向上中の社会にとって合理的なシステムが能力主義だとしたとき、現代は、能力主義からネオ・封建主義とも言えるゆとり社会への移行期ではないかということに関する考察。話は生産性からエリート、さらにはサロン的エスタブリシュメントの脱構築のための社会変革にまで至ります。
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長野テル @naganoteru

封建主義は身分差別だからNG、資本主義は能力主義だからグッド的な倫理面からの説明は嘘くさい。技術革新がなく生産性が一定の状況下で合理的なシステムが身分社会、技術革新が進行中で生産性が向上する中で合理的なシステムが能力主義に過ぎない気がする。身分も偶然なら、能力だって偶然だもんな。

2011-07-24 17:52:14
長野テル @naganoteru

いわゆる先進国の経済的豊かさがほぼ均等なのを見るにつけ、現代における先進国の水準が生産性の究極形なんじゃないかと思う。もはや努力や能力によって生産性が上がる余地はかつてほどなく、誰かのやってきたことをなぞっていればそれなりの生産性が上げられる社会。

2011-07-24 17:56:58
長野テル @naganoteru

産業革命から80年代くらいまでの間は、能力を重用するのが社会にとって合理的だったのだろうけど、今や能力なんてそんなには求められなくなってきているんじゃないだろうか。もしかしたら、イノベイティブな能力よりも安定した社会において必要なモラルが求められる時代が来ているのかもしれないな。

2011-07-24 18:02:28
長野テル @naganoteru

(夕方の続き)イノベーションによる生産性の向上過程では、あまねく教育を施し能力によって選抜することが合理的。能力に対して報酬するのもそのため。能力主義を実現するために競争が取り入れられる。その一方で、競争敗者のモラルハザードという負の側面が現れる。

2011-07-24 21:33:08
長野テル @naganoteru

反対に、イノベーションによる生産性の向上余地が小さくなってくると、能力主義的な競争は、生産性向上への寄与以上に競争敗者のモラルハザードや格差拡大等の負の側面の方が大きくなるのではないだろうか。生産性が究極水準に達したあとは、その状況に最適なシステムを社会は作り上げるのではないか。

2011-07-24 21:36:29
長野テル @naganoteru

それがどういうシステムなのかというと、それはわりと封建的だったりするんじゃないかと思う。そういう社会にあってもリードする人間は少数であれ必要だし、そういう連中にはエリートとしてのモラルが必要。エリートに見合った報酬は必要だけど高すぎる報酬は不要だし、率先垂範する意識は必要。

2011-07-24 21:40:37
長野テル @naganoteru

一方で、多くの普通の人たちは、真面目にこつこつと仕事に取り組んでくれることが大切。善良な一般市民ってイメージ。で、それはまるで江戸期におけるエリート階級(武士)と一般庶民(農民・町民)のような感じなのではないか、と。

2011-07-24 21:44:09
長野テル @naganoteru

その疑似封建的なシステムの方が、うまくいったら大金を稼げるぜと言って煽り、自分には能力がないやとあきらめた人の一部が仕事をテキトーにするようになったり、生活保護のおいしさに味をしめて働く気すら失うような社会よりはるかに健全だと思うんだよなあ。

2011-07-24 21:46:32
長野テル @naganoteru

そこでは、多くの普通の人たちは、まじめで善良であることが重要なんであって、ことさらに能力が高い必要も、競争であおられる必要もないと思う。もちろん、自堕落でもダメ。それなりに豊かな生活ができていることに感謝し、そういった内在的動機によってまじめに働くことができるというイメージ。

2011-07-24 21:51:26
長野テル @naganoteru

だから、就労意思すらない人に十分な生活を保障する今の生活保護制度には違和感があるし、一方で、一部の金融マンが過剰に報酬を得うる状況にも違和感がある。それは、すでに時代遅れのシステムなのではないかと思う。そういう意味じゃ、ゆとり教育には必然性があったのよね、実際。

2011-07-24 21:55:47
長野テル @naganoteru

もっとも、ここで問題にしている生産性に関しては、財とサービスとで切り分けないといけないと思う。ぼくが言っているのは、財の生産については生産性向上はそろそろ限界じゃないかという意味。バージョン1.0を1.1にはできても2.0の余地は一昔前とは比べものにならないくらい小さい、と思う。

2011-07-24 21:58:43
島本 @pannacottaso_v2

製造業の生産性上昇の早さの話ですね。 @naganoteru もっとも、ここで問題にしている生産性に関しては、財とサービスとで切り分けないといけないと思う。

2011-07-24 22:02:25
長野テル @naganoteru

一方で、サービスの生産性については、これは際限がないんじゃないかな。なにせそれは、人がお金を払ってもいいかなと思えばそれだけ付加価値を創出したことになる類のものだから。でも、そこで必要になるのはイノベーションよりスィンスィアリティであるような気がする。

2011-07-24 22:00:29
長野テル @naganoteru

と、ここまで考えたうで現状とのギャップを考えると、教育は知的水準を落とし過ぎた嫌いはあるのかもしれないけど、ゆとりというコンセプトは決して間違っていないと思う。ただ、彼らは競争に煽られなくても内在的に頑張ろうと思ってくれなければならなくて、そういう動機付けが十分かは検証が必要。

2011-07-24 22:05:40
長野テル @naganoteru

そして、競争意識は決して高くはないのだけどまじめで善良な若い子がさあ頑張ろうと思ってる限り、それなりの生活を与えてあげなければならない。生活保護といい終身雇用といい、競争社会の遺物のような年取った連中への保護するために、若者が犠牲になっている現状は是正が必要だと思う。

2011-07-24 22:09:39
島本 @pannacottaso_v2

それ新しい解釈ですよね。 @naganoteru 生活保護といい終身雇用といい、競争社会の遺物のような

2011-07-24 22:10:35
長野テル @naganoteru

新しいでしょw 制度的意図というより、「これらの制度が結果的に競争敗者という前時代の遺物を手厚く守ることになっていて、さらにその結果として若者の雇用機会が奪われたり、一生懸命バイトをしても生活保護以下の所得しか得られない現状は」と読んでください。RT @sankakutyuu

2011-07-24 22:15:56
島本 @pannacottaso_v2

@naganoteru なるほど。再分配前ジニ係数自体を低くしちゃえって発想ですね。

2011-07-24 22:24:06
長野テル @naganoteru

ちなみに、終身雇用は、本来的には封建的な安定生産システムとは親和的だと思います。一流企業が少数の幹部候補と多数の一般社員を生涯にわたって雇用する状況は、前者を武士、後者を庶民とパラフレーズできますしね。生活保護も運用見直しすればいいんでしょうけどね。RT @sankakutyuu

2011-07-24 22:23:32
島本 @pannacottaso_v2

大企業を傘にした垂直的な企業群も同様ですわね。 @naganoteru ちなみに、終身雇用は、本来的には封建的な安定生産システムとは親和的だと思います。

2011-07-24 22:28:55
長野テル @naganoteru

そうなんですけど、そこについては、むしろ下請けの方がより付加価値の高い技術を持っていたり開発していたりするので、様相が異なる場合もあるんですけどね。でも給料は大手メーカーの組立員の方がもらっているという。RT @sankakutyuu 大企業を傘にした垂直的な企業群も同様ですわね

2011-07-24 22:35:41
長野テル @naganoteru

(再び本題に戻ります)もうひとつギャップという意味では、エリート不在が大きな問題。いまだに能力は自分のもの、能力を使って得たベネフィットは自分が独占して当たり前、オレらは勝ち組、おいしい思いすんのは頭いいからに決まってんじゃん、みたいな連中は多いからなあ。ただの偶然のくせに。

2011-07-24 22:41:44
長野テル @naganoteru

そこまでひどくないにしても、自分たちが能力的にも経済的にも「偶然にも」恵まれていることを自覚している人はそんなに多くないと思う。仮に自覚していても、そのことが「だから自分は公益のために体を張らなければならない」という意識にまではつながってない。これも競争社会の負の側面。

2011-07-24 22:43:49
長野テル @naganoteru

なので現状は、社会をリードすべき階層も年寄りには競争社会の遺物みたいな感じの人が多くて、自分の既得権益にはしがみつくわ、若者や将来の日本人のことには無関心だったりするのよね。敗者も敗者なら、勝者も勝者。どっちも卑しいわけですよ、競争社会の遺物の連中は。もちろん全員ではないけど。

2011-07-24 22:50:05
長野テル @naganoteru

したがって、エリートに関して社会として対応しなければならないのは2点。ひとつはきちんとエリートを育成すること。恵まれていることを自覚させ、エリートにみあった処遇を与え、さらにそれにみあった精神性を身に付けさせること。これも決して競争による動機付けではない。

2011-07-24 22:54:08