英国史談義

FFのエリザさんが英国史の解説を始めたのでまとめてみました。ちなみに、これ以外にも、あるので。見つけ次第まとめていく方針で。
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エリザ @elizabeth_munh

今日も英国史。 前回のあらすじ。父子間も兄弟間も険悪なのがプランタジネット家。誰からも何もされなくても、寧ろされないからこそ絶賛内紛中。 そして冷徹にそれを眺めるフランス王フィリップ。 pic.twitter.com/AP3d1MlkgC

2021-02-06 17:07:12
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エリザ @elizabeth_munh

プランタジネット総領であり、イングランドを引き継ぐ事が確定している兄、アンリへの臣従を拒む弟リシャールとの対立は遂に武力抗争に発展。兄弟で戦争開始。 獅子心の異名を取る勇猛な騎士であるリシャールに対し、アンリは策略を以て対抗。

2021-02-06 17:10:15
エリザ @elizabeth_munh

リシャールの領地アキテーヌで反乱勃発。殆どのアキテーヌ貴族が反リシャールに回った。 アキテーヌの人々にとって、領主とはフランス以前の巨大帝国、フランク帝国開祖シャルルマーニュ大帝の血を引くアリエノールでなければならなかった。プランタジネット家の人は、余所者だった。

2021-02-06 17:12:29
エリザ @elizabeth_munh

同じプランタジネット家のアンリと密かに内通。開戦直後、リシャールの戦力の殆どが寝返った。 ところが父譲りの武勇は味方の裏切りぐらいでは挫けない。四面楚歌でこそ輝くのがプランタジネット家の理不尽な暴力性。戦わせたら鬼の様に強いリシャールはまるで父ヘンリーのように奇跡の大逆転。

2021-02-06 17:16:38
エリザ @elizabeth_munh

アリエノールの息子とはいえ、頭のてっぺんから足の爪の先まで良い意味でも悪い意味でも当時の騎士そのもので、四六時中戦争と冒険の事ばかり考えてるリシャールは全く相容れず、潰されても潰されても反乱の火の手が消える事はなく、ついにもうリシャールのでなければなんでもいいとばかりに、

2021-02-06 17:14:37
エリザ @elizabeth_munh

策を真正面から破られた兄アンリは動揺したか、単なる不運か、赤痢で死亡。 跡を継がせるはずのアンリが死んだため、父王ヘンリー(50歳。いい加減自分の寿命を数えてる)は、アンリに継がせる筈だったイングランドやノルマンディー、アンジューをリシャールにスライドさせ、

2021-02-06 17:20:36
エリザ @elizabeth_munh

リシャールをプランタジネット総領、代わって、末子であるジャン(受け継ぐ領地がなかったことから『Lack Land』領地なしと不憫がられて父に可愛がられた)をアキテーヌ公とし、アリエノールの後継者にしようと考える。 ところがアキテーヌに愛着を示すリシャールはアキテーヌの引渡しを拒否。

2021-02-06 17:22:49
エリザ @elizabeth_munh

この頃、もうリシャールは父を舐めていた。リシャールは当時27歳。反乱鎮圧、盗賊団の壊滅、諸侯たちとの戦争、ほぼ戦争に近似した馬上槍試合でも連戦連勝で勇名高い騎士であり、佩剣に『エクスカリバー』と名づけ、自分をアーサー王と同一視するなど、自意識を肥大化させまくっていた。

2021-02-06 17:26:11
エリザ @elizabeth_munh

親子間の仲はただでさえ悪いのが急速に悪化。 頑として分割相続を譲らない父にリシャールは『もしや、お気に入りのジャンに全てを継がせる気か』と疑念を募らせる。 ここで満を侍してフランス王フィリップが介入開始。かつて持参金として渡した領地を返せ。

2021-02-06 17:28:38
エリザ @elizabeth_munh

イライラしてたところにかつて施した恩を仇で返されたヘンリーは憤激。フランス王家と再再度戦争開始。 ところがもうヘンリーにかつての武神ぶりはない。元々能力の衰えを感じて息子たちに代を譲ろうとしていた。若い頃のように戦えない。

2021-02-06 17:30:42
エリザ @elizabeth_munh

病弱で青二歳のフィリップといい勝負になってしまった事からヘンリーの家臣達に動揺が生まれる。 そこで間髪入れずフィリップはリシャールに接近。フランス王として『家臣』ヘンリーの王位、諸侯位を廃し、リシャールを後継者に指名。リシャールはフランス王への臣従を誓い、これを受け入れる。

2021-02-06 17:33:15
エリザ @elizabeth_munh

どんなに領土があろうと、戰に強かろうと、ヘンリーの立場はフランス王の封臣。大義名分を失い、また、戦場でもかつてほどの絶対的な強さが示せないなら、ヘンリーの封臣たちが彼を支持するはずもなく、一斉に掌が返された。

2021-02-06 17:35:18
エリザ @elizabeth_munh

ついには彼が最も愛したはずの末子ジャンまでフランス王に懐柔され、領地を餌に父に剣を向ける。 嫁、息子、家臣、王、全てに裏切られたヘンリーは激怒と悲しみのあまりに憤死。 代わって、その息子リシャールがイングランド王位につくけど、彼は戦争と騎士道の栄光以外頭にない人間だった……

2021-02-06 17:39:47
エリザ @elizabeth_munh

次回予告 骨肉の闘争の末、父王より王位をもぎ取ったリシャール改めリチャード一世。しかし内政に関心なく、トーナメント試合と戦争と冒険に明け暮れた彼にヨーロッパはあまりに詰まらなかった。 次回、英国英雄伝説。 『第三次十字軍』 英国の歴史がまた一ページ。

2021-02-06 17:45:51