繁殖期のヒトメスが「やんちゃなオス」に惹かれる進化心理学メカニズム

エボサイ（EvoPsy） @selfcomestomine

女性はなぜヤンチャな男に惹かれるのか？チンパンジーのボスは「オレは他者の気持ちなど気にせず、思い通りにふるまえる意地の悪いクソッタレだ」ということをあえてライバルに知らせることで権力を誇示する。クソッタレな行動ができるのは自然界では支配的地位の高い個体だけに与えられた特権なのだ。 pic.twitter.com/OJKqn83IFR

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思春期の男女が詰め込まれた学校という生息環境において、教師にも警官にもルールにも従属を示すことなく夜の校舎の窓ガラスを壊してまわる、何者にもパワーの行使を制限されないように見えるヤンキーは、主に10代の若い女性からはドミナンス=ステイタスの高いオス個体と認識されている。 pic.twitter.com/epeLJHFaTB

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ドミナンス・ステイタスの高いオスにおもわず惹かれ、交尾したくなるというメスの心理や行動は、適応度（＝次世代以降に渡る自らの遺伝子生存可能性）を高めることができるために、自然界において広く自然選択されてきた形質の一つだ。

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ドミナンス・ステイタスの高いオスは、暴力や脅しや、恐怖と権力で従わせた従属個体からの支持によって、潤沢な食糧資源や安全ななわばりを得ていることが多い。安全な子育て環境は捕食圧を避けるのにいい。潤沢な食糧は強い息子や肥沃な娘を育て上げるのに不可欠だ。

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とはいえ、現代サピエンス社会の環境では「食わせすぎ」はむしろ子どもの適応度を低下させる結果にもつながるだろう。高タンパクな食事はたしかに高価だが、低価格で太りやすい炭水化物は大量に手に入るのだ。先進国では、肥満は貧困の証ともされている。

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そしてそもそも、暴力行使で他者から資源を強奪することは自然界ではごく当たり前の行為だが、現代サピエンス社会では重罪とされている。10代の少女からは「地元のヤンキー」は欲しいものをなんでも手に入れているように見えるかもしれないが、実際のところ彼らは経済的に裕福な立場にはなれないのだ。 pic.twitter.com/dvBv30o3vg

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だが、若い女性がヤンキーという、ドミナンス・ステイタスが高いようにみえる男性に惹かれる理由をRHP（=潜在的な資源獲得ポテンシャル）だけにもとめる必要はない。交尾とは、異性から配偶子を獲得するための行為だ。ホ乳類の歴史では長らく性淘汰のフィルターが強力に働いてきた。 twitter.com/selfcomestomin…

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“自身のライヴァルを効果的に打ち負かし、争いのなかで生殖のパートナーを見つけるためには、個体はあらゆる分野で優秀でなくてはなりません。このため、性淘汰は種の遺伝的優位性を維持・改善する、重要で効果的なフィルターとなります。” オスの存在理由、実験で証明されるwired.jp/2015/06/15/sex…

2019-11-28 10:37:59

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ライオンのメスが強いオスと交尾したがるのは、資源を期待してではなく、自分の息子を強く「改良」できること、優秀な遺伝形質を欲するがゆえだ。ライオンのハーレムの主は毎日食糧獲得のための仕事──狩り──に出かけることはない。それはメスの仕事であり、オスはヒモなのだ。

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それは歌舞伎町のホストが女性を働かせることで稼ぎを得ている構造にも似ている。彼らは女性に対して資源を提供することではなくむしろ資源を提供させる（貢がせる）ことで支配的な上下関係を確立し「モテ」ている。

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腕っぷしの強いヤンキー系の男性だろうが、歌舞いて女性を誘惑するホスト系の男性だろうが、彼らが女性からの奉仕の「対価」に設定しているのは、遺伝子生存競争の勝者になれる可能性だ。女性の脳に "強くて魅力的な子どもを産むことができるかもしれない" という無意識の期待を抱かせているのだ。