童話「理解のある彼くん」に対する進化心理学的側面からの解説

「理解のある彼君嗜好党」「イクメンパパ嗜好党」「イケメン嗜好党」「金持ち嗜好党」が同時並行で動いていると
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エボサイ(EvoPsy) @selfcomestomine

理解のある彼くんにはモテも金もないかもしれない。でも彼はグッドパートナー資質に優れている。長く続く男女の絆は子供を通して両者の遺伝的利益を高める。だから皆趣味が合う人が良い、好きなミーム(音楽、映画etc)を共有した人が欲しいと言う。そういう人と結ばれたら、恋の寿命が長くなるからだ。 pic.twitter.com/XzVfcgTncn

2021-02-22 17:46:26
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エボサイ(EvoPsy) @selfcomestomine

よく言われる「グッドジーン」指標や「グッドインベストメント」指標だけではない。サピエンスのメスは4つの資質からオスを性的に評価するよう進化している。そして生物には個体差がある。遺伝的にグッドパートナー指標を強く評価する女性がいる。また経験、後天的な神経発達でそうなった女性もいる。 twitter.com/sapiensism/sta…

2021-02-22 17:53:05
🐒 @Sapiensism

Bussによれば、ヒトの女性は男性を4つの指標で評価するよう進化した。 ❶グッドジーン指標…いい遺伝子を持っていそう? ❷グッドインベストメント指標…稼ぎのポテンシャルはどれくらい? ❸グッドダッド指標…家庭的な父親になりそう? ❹グッドパートナー指標…絆を重視してる?関係継続できそう? pic.twitter.com/NwLS4xSMix

2021-01-09 15:25:34
エボサイ(EvoPsy) @selfcomestomine

この「生きるのしんどい系女子」はグッドパートナー資質の高さにキュンと反応する心のモジュールが、LTメイト選びの文脈において脳内で支配的になる個体だ。でもドキドキ感を評価するのはまた別の心のモジュールの担当で、そのモジュールが脳内で支配的な立場を取るようになると捨てられることもある。 pic.twitter.com/V6iZCDzrek

2021-02-22 18:28:26
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エボサイ(EvoPsy) @selfcomestomine

進化心理学の重要な基礎である心のモジュール理論は、生物個体の脳には互いに矛盾する複数のモジュール(=心のアプリケーションのようなもの)が競合して存在していることを示す。つまりある人間を「好き」になると同時に「嫌い」になることがあり得る。好悪を評価する脳のモジュールが別々だからだ。 twitter.com/selfcomestomin…

2021-02-22 18:37:40
エボサイ(EvoPsy) @selfcomestomine

" 高温の有機物を、好むと同時に嫌うこの模型は、これから本書で検討する類似の矛盾を予示する。… この模型は「自己矛盾」している。一つの模型に、さまざまなモジュールを加えると、それらのあいだに競合が生じる可能性は避けられない。" pic.twitter.com/JtDWoo2Eob

2020-03-02 16:11:09
エボサイ(EvoPsy) @selfcomestomine

では意見が矛盾するモジュールを複数抱えている脳は一体どのように「この男に抱かれるべきか」「この男と付き合うべきか」など一つの意思決定を導き出すのか。脳は政党式なのだ。「グッドパートナー指標の高い男」を好きな政党が脳内で勝利を収めている女性は、理解のある彼くんと付き合う決定をする。

2021-02-22 18:43:52
エボサイ(EvoPsy) @selfcomestomine

とはいえ、こうしたバランスは崩れることがある。時間や状況の変化、配偶価値の高まり(以前より私はモテるようになったと感じる)や新たな魅力的異性の出現など、刻一刻と生物個体を取り巻く生態学的・社会的状況は変わる。すると以前とは別の政党が脳内で勝利をおさめはじめる。

2021-02-22 18:50:29
エボサイ(EvoPsy) @selfcomestomine

しかし現在のパートナーよりもいい男が現れたら、つぎつぎにパートナー乗り換えるというのは、育児に必要な持続性に欠け、適応的なものではない。通常は、コミットメント感情のはたらきがこのような気の移ろいを防止している。 twitter.com/selfcomestomin…

2021-02-22 18:56:31
エボサイ(EvoPsy) @selfcomestomine

これは、ロバートフランクによる夫婦間の愛情の進化についての説明とも関連する。フランクによれば、排他的な男女の愛情は、いわゆる「コミットメント問題」に対処するために進化した(R.Frank 1988)。 pic.twitter.com/SRbe1oFBAH

2019-10-16 06:48:19
エボサイ(EvoPsy) @selfcomestomine

だがそれにも限界がある。ここが恋の寿命だ。

2021-02-22 18:57:29
エボサイ(EvoPsy) @selfcomestomine

はじめは「男女の絆の継続は両者の遺伝的利益を高められる」と考えて理解のある彼くんに惹かれたくせに、最後は結局、自分の方から終わりを告げるというのはまったく矛盾しているように思われるかもしれない。しかし生物個体自身はもちろん、そんな「生物学的な目的」を意識して異性を選んでいない。

2021-02-22 19:00:48
エボサイ(EvoPsy) @selfcomestomine

理解のある彼くんに惹かれたモジュールが、彼女の脳のなかで勢いを失ってしまった。他のモジュールに負けてしまった。ただそれだけだ。

2021-02-22 19:02:50
エボサイ(EvoPsy) @selfcomestomine

恋の終わりはいつもあっけない。気の移ろいを防ぐには──男性にとってはきわめて厳しい要求だが───グッドジーン指標グッドインベストメント指標グッドダッド指標グッドパートナー指標のすべてにおいて優れた男になり、彼女の脳内でどの政党が勝利しても大丈夫なように備えておくことだろう。

2021-02-22 19:07:57
エボサイ(EvoPsy) @selfcomestomine

それは「ギャップ」という言葉でよく表現されるものかもしれない。

2021-02-22 19:09:28