ファウスト編集長、太田克史氏による現代アート考

ファウスト編集長、太田克史氏が 現代アートで「今起こっていること」 に関連してつぶやいていたのでまとめました。
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太田克史 @FAUST_editor_J

現代アートとは、たった今はアートとは見なされていない何物かをアートとして世界に認知させていくムーブメントそのものであると定義できる。

2011-07-28 06:12:50
太田克史 @FAUST_editor_J

たった今はアートとは見なされていない何物かをアートとして世界に認知させていくためには、新しい表現それ自体の圧倒的な強度とともに、新しい表現に対する新しい理論武装が必要とされる。

2011-07-28 06:17:15
太田克史 @FAUST_editor_J

新しい表現は、ほとんどの場合、理論武装に先行して生まれてくる。新しい表現は、新しいが故に、世界にとっては異物そのものの劇薬であるから、これもほとんどの場合、出現時には必ず叩かれるようになっている。世界からの反発のない表現は、それだけで新しくないといえる。

2011-07-28 06:20:57
太田克史 @FAUST_editor_J

たとえば、今はアートたりえている「写真」も、その出現時にはそれをアートとして認めることに対しては壮絶な拒否反応があったことが記録されている。

2011-07-28 06:23:28
太田克史 @FAUST_editor_J

たった今、アプリオリにアートとして存在を認められている絵画だって、彫刻だって、書だって、建築だって、それらがアートとして成立する黎明期には必ず強烈な反発があったはずなのだ。

2011-07-28 06:24:21
太田克史 @FAUST_editor_J

たった今はアートとは見なされていない何物かをアートとして世界に認知させていくとき、理想を言えば、新しい表現を行うクリエイター自身に新しい理論武装が備わっているべきだと僕は思うけれど、往々にして、創造性と批評性は一人の人間の内部に高いレベルで同居しない場合も数多い。

2011-07-28 06:27:26
太田克史 @FAUST_editor_J

その場合は、クリエイターの外部に批評性が必要とされるわけだけれど、その外部の理論武装のレベルが(あえて乱暴で、端的な言葉を用いますが)低かった場合、結果的に、クリエイターにとっても、世界にとっても、不幸な結末を招くことは自明のシナリオだと感じる。

2011-07-28 06:30:47
太田克史 @FAUST_editor_J

僕には、今起こっていることが、そのように思える。

2011-07-28 06:36:35
太田克史 @FAUST_editor_J

ゼロ年代に起こった、そしてたった今も進行中の、ライトノベル的な出自や想像力によって描かれた小説が「文学」たり得るのか、という挑戦は、本当に綱渡り的な勝利であり奇跡であったのだと、当事者の一人として改めて実感してしまった。

2011-07-28 06:41:20
太田克史 @FAUST_editor_J

またしても火中の栗を拾える範囲で拾いに走ってしまった。そして最後に「俺様Sugeee!」で締めくくるところが実に太田克史らしくて、いい。よね?

2011-07-28 06:52:13