読書記録

大村祐里子 @Holy_Garden

河合隼雄『コンプレックス』読了。自分の作るものは自身の強烈なコンプレックスに左右されている気がしたので、正確な定義や解釈を知るために読んでみた。面白かった！自己分析をしながら読める超良書。自分にも他人にも寛容さを持つことが出来るようになった気がする。

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ナツメ社『宇宙の事典』読了。宇宙の仕組みや、星の仕組が分かりやすく説明してある。一家に一冊あって良い本。オールカラーな上、写真やイラストが豊富で大変わかりやすい。中二病的なカッコイイ単語満載で、見ているだけで楽しい。ただ2004年の本なので、冥王星が「太陽系第9惑星」になってる。

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スティーヴン・ホーキング『ホーキング、宇宙のすべてを語る』読了。宇宙の本というより物理学の入門書のよう。宇宙のスケールの大きさよりも、人間の知力の可能性を感じる一冊。とりあえずニュートンの万有引力の法則とアインシュタインの一般相対性理論がどれだけ人類にとって有益かがわかった。

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伊坂幸太郎『フィッシュストーリー』読了。4つの短編が収録されている。個人的に、表題作はちょっとやりすぎな気がした。最後の『ポテチ』が伊坂氏らしい優しさに満ちていて好きだった。しかし伊坂氏の仙台愛は凄い（笑）

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吉田篤弘『つむじ風食堂の夜』読了。月舟町を舞台に、食堂の顔見知りたちが織り成す物語。ひらがなが多くて、絵本みたい。リア充のためのオシャレ小説だと思ってしまった私は心が荒んでいるのだろうか…。吉田さんの本は『それからはスープのことばかり考えて暮らした』の方が断然好きだな。

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伊坂幸太郎『SOSの猿』読了。テーマが非常に道徳的。読む人を選ぶ本。全く無関係なものを綺麗に繋げて行く伊坂氏のストーリーテラーっぷりには感心するが、初期作品のようなハラハラ感は無い。心理学と西遊記の知識があれば楽しく読めたかもと思い、読了後とりあえずユングの本を何冊か買った。

大村祐里子 @Holy_Garden

高野和明『ジェノサイド』読了。虐殺器官とパラサイトイヴとゴールデンスランバーを足して出来たような小説だと思った。極上のエンタメ映画を観ているかの様な気分になり、最後まで全く飽きなかった。レビューにある作者の反日思想はそこまで気にならず。久しぶりに出会った読み応えのある本。

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ジョナサン・サフラン・フォア『ものすごくうるさくて、ありえないほど近い』読了。9.11で父親を失った少年オスカーと、母、祖父母の話。視覚的な手法を多用していたのは斬新で面白いと感じたが、登場人物の行動が何もかも突拍子が無さ過ぎて全く感情移入できず。筋を追うだけで精一杯。なんぞ？

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中上健次『軽蔑』読了。読みづらい＆相変わらず、重たい。金にも女にもルーズで口ばっかりで結局どうにもならない男を、クソ野郎とわかっていても愛してしまうダメんずな女性達にお勧めしたい本。個人的に最強面白かった。でもこんなことは小説の中だけで十分だ、とも思った。

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舞城王太郎『暗闇の中で子供』読了。『煙か土か食い物』に登場した奈津川家の三男「三郎」が主人公。 物語の破綻度・残酷さが前作よりも遥かにパワーアップ！最終章に至っては意味不明！でもなぜか強烈に「面白い！」と思って最後まで一気に読んじゃったよ！もうすっかり舞城ワールドの虜ですイエー。

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伊坂幸太郎『あるキング』読了。王に求められる野球少年、王求の伝記。いままでとはまるで違う伊坂ワールド。確かに誰も読んだことのないような伝記に仕上がっており、新しさを貪欲に求める伊坂氏の姿勢は感じられたが、面白いかと言われるとビミョー。淡々としすぎている。乃木君が唯一の救い。

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綾辻行人『十角館の殺人』読了。孤島に建つ「十角館」で起こる連続殺人…。巻末の解説に「正確で適格で、推理小説の文章のサンプルといってもよい」と書かれるくらい読みやすい。内容もTHE・推理小説といった感じ。ミステリ初心者が最初に読むにはもってこいの本。秀作。

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桜庭一樹『青年のための読書クラブ』読了。聖マリアナ女学園の読書クラブメンバーが起こす５つのエピソードが古典小説になぞらえて語られる。伝奇小説なのでスタイルとしては『赤朽葉家の伝説』に近い。女子高特有の「宝塚っぽさ」をうまく描いている。エログロ一切無し、読後感爽やか。良作。

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舞城王太郎『阿修羅ガール』読了。三島由紀夫賞受賞作。要約できない自由すぎるストーリーは相変わらず。おバカな女子高生の一人称でまくしたてるように語られていく。まるで中二病患者の日記を読んでいるようである。下品でグロくて暴力的。でも、心のモヤモヤ吹っ飛び最高にスカっとする、そんな本。

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阿部和重『シンセミア』読了。神町という小さな街の中で繰り広げられる群像劇。小さな悪意の連鎖は、やがて大きなカタルシスを引き起こす…。最終章は「えええ」と言いっぱなし。読むと確実に人間不信になります。家から出るのが怖くなります。心に余裕が無いときには絶対読みたくない本。

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桜庭一樹『ばらばら死体の夜』読了。堕ちていく冴えないおっさんと謎の美女。 薄味の『私の男』といったところか。相変わらずキモい。構成に関しては、さすが桜庭一樹！と言いたくなるが、借金・整形・殺人などの「人間の不幸」を根こそぎ集めた感じのストーリーが心に刺さらず。次回作に期待。

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中上健次『枯木灘』読了。複雑すぎる人間関係を必死に追っていたら終わってしまった。読了後こんなに疲労感の残った本は初めて。近親相姦や白痴との姦通などの衝撃的な内容がサラリと書いてある印象。日本文学の最高傑作と名高い本だが、私には「？」な部分があまりに多かった。まだ早かったかな…。

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舞城王太郎『煙か土か食い物』読了。あらゆる面で型破りすぎるミステリ？小説（メフィスト賞受賞作）。句読点が全く無く、アクの強い文体に詰まりまくり読了まで実に二週間かかった…。暴力的な描写が多い。後半はとにかく人が死ぬ。しかし、それらの描写があるからこそラストの切なさは異常。うまい。

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三浦しをん『風が強く吹いている』読了。陸上経験者の大学生二人が陸上とは無縁の八人と箱根駅伝に挑む、というお話。荒唐無稽な設定だが、最後は涙で滲んで字が読めなくなるほど感動した。小説を読んでいて「終わって欲しくない、まだずっと読んでいたい」と初めて思った。文句無しに素晴らしい本。

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辻仁成『愛をください』読了。李理香と基次郎の往復書簡が織り成す物語。人間の猛烈に汚い感情が内容の進行と共に見事なまでに浄化されていく。読者はきっとこの本を読み終わった後に、純粋に、自分のこと、そして周りの人を大切にしようと思えるだろう。今後の人生を歩む上で傍に置いておきたい傑作。

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吉田篤弘『それからはスープのことばかり考えて暮らした』読了。新しい町に引越したオーリィ君と、彼に関わる人々との日々の暮らしを描く作品。何も起こらないのに、そんな中でもやはりうつろいゆくものが描かれている気がする。予想外にいい作品で驚き。おいしいサンドイッチとスープが恋しくなる！

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三浦しをん『まほろ駅前多田便利軒』読了。便利屋「多田便利軒」を経営する多田と、その同級生・行天のコンビが舞い込む依頼を解決する物語。月９のドラマを見ているような感覚で読み終えた。あまり「文字を読んだ！」という感じがせず。心にずっしりと残る作品では無かったが、後味は大変に良かった。

大村祐里子 @Holy_Garden

桜庭一樹『赤朽葉家の伝説』読了。鳥取の旧家に生きる三代の女たちの物語。時代とともに変わる女の生き方が鮮やかに描かれている。長いのに最後まで飽きずに読めた。読後、こんな時代だけど頑張って生きてみようという気になる。女性にはぜひ読んで欲しい。傑作！LOVE！でもミステリではない（笑）

大村祐里子 @Holy_Garden

小川洋子『凍りついた香り』読了。突然自殺した調香師の恋人が残した言葉から、次第に彼の隠された過去が明らかになるという話。小声で囁くような語り口でありながら、一方で恋人のにおいまで脳内で再現できてしまう生々しさがある。人間の五感に訴えかける小川ワールドが炸裂。別作品も読みたくなる。

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東川篤哉『謎解きはディナーのあとで』読了。2011年度本屋大賞作。令嬢刑事と毒舌執事が事件を解決するミステリー作品。ミステリーとしてはなんてことは無い。そしてとにかく軽い。読書嫌いの人が読む本としては良いかもしれないけど…正直「本屋さんの目は節穴でございますか」と言いたくなる。