「翻訳された女」は、なぜ、「~だわ、~のよ」語尾で喋っているのか。

この話、自分的には何度目だ、って感じではあるのですが、反響大きかったのでまとめておきます。 ページ末尾の「おすすめ商品」のところに、以前教えていただいた本など入れておきますので、日本語の中の「女言葉」をめぐるアカデミック寄りの議論や研究に興味のある方はチェックしてみてください。
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nofrills/文法を大切にして翻訳した共訳書『アメリカ侵略全史』作品社など @nofrills

"なでしこ報道で露呈した“ニッポン”の未熟な女性観 " …こんな記事でまで、翻訳された「女性」は無条件に「だから、私は言ったわ」文体とか、もうね…。 http://is.gd/Lh1zZd 日本のGKが「だわ・のよ」語尾でしゃべるのでUSのGKも、というわけではあるまい。

2011-07-28 12:49:39
Kaoru @blossom_kaoru

良記事なのに残念 RT @nofrills: "なでしこ報道で露呈した“ニッポン”の未熟な女性観 " …こんな記事でまで、翻訳された「女性」は無条件に「だから、私は言ったわ」文体とか、もうね…。 http://is.gd/Lh1zZd 日本のGKが「だわ・のよ」語尾でしゃべる(略

2011-07-28 16:19:54
nofrills/文法を大切にして翻訳した共訳書『アメリカ侵略全史』作品社など @nofrills

記事自体はすばらしいし、他の箇所ではこういう、"まるでオネェ言葉"(デフォルメされた「女性」性)のような「だわ・のよ」調は見られないのに。 http://is.gd/Lh1zZd 何だかなあ…

2011-07-28 12:55:12

なでしこ報道で露呈した“ニッポン”の未熟な女性観
河合 薫
2011年7月28日(木)
http://business.nikkeibp.co.jp/article/manage/20110726/221679/

この記事は、下記のような論点を非常に明確に示したすぐれた文章である。この記事を書き、発表してくださったことに私は最大の敬意を表する。

" もちろんサッカー選手だからといって、サッカーのことばかり聞くよりかは、雑談を交えて、人間的な部分が垣間見えた方が視聴者との距離も縮まることもあるだろう。

 だが、明らかに雑談のレベルを超えていた。出演時間のほとんどが、「結婚」「彼氏」「女性だけの……」といった、質問に費やされたのだ。

 そんな低レベルの質問が繰り返される背景には、「サッカーは男性のスポーツ」、「女性のゴールは結婚」、「女性ばかりは大変」といった価値観が見え隠れする。だが、質問を容赦なく浴びせる人たちは、そのことに微塵も気がついていない。

 社会に長年存在した価値観や、外部から刷り込まれた価値観は、時に自覚なきものとなる。何気ない一言や、何気ない行動には、自分が自覚していない価値観が反映される。そして、その自覚なき価値観が、時に、“刃”となって、他人を傷つける。"

しかし、この記事においてさえ、「翻訳された女」は「だわ・のよ」で喋っている。

" 「試合後、彼女はすぐに私のところにやって来てくれて、互いに労をねぎらったの。でも、彼女は喜びをあらわにしていなかった。なぜなら、彼女は私たちが負けてどれほど傷ついたか分かっていたから。だから、私は言ったわ。『もっと喜んで! あなたたちは素晴らしかったのよ!』ってね」 "

これは、テレビ番組での米国代表のホープ・ソロ(ゴールキーパー)の発言を翻訳した部分で、4ページにわたる河合さんの記事の中のごくごく一部、1段落でしかない。

この箇所は新規の翻訳ではなく既存の訳文の流用かもしれない。誰が翻訳したのであれ、翻訳した人がホープ・ソロの言葉をきいて、そのように解釈したのかもしれない。

しかし、同じ立場の日本語話者(テレビ番組のスタジオに招かれたゲストが、大物司会者のインタビューに応じている)なら、「です・ます」で語っているだろう。「女らしい」人であろうと、そうでなかろうと――いや、性別関係なく。

nofrills/文法を大切にして翻訳した共訳書『アメリカ侵略全史』作品社など @nofrills

「試合後、…互いに労をねぎらったの」って、不恰好な日本語だなあ。「互いに」とか「労をねぎらう」という表現の「背広にネクタイ」感と、「~したの」の(想像上の)女性語尾とのバランスの悪さ。浴衣に革靴、的なバランス。

2011-07-28 12:51:40
猫大好き(野球実況もーど) @nekomo_arukeba

@nofrills スーツに下駄っていう永井荷風レベルまで記者・記事が上がれば(下がれば?)いいんですけどねぇ

2011-07-28 13:01:07
nofrills/文法を大切にして翻訳した共訳書『アメリカ侵略全史』作品社など @nofrills

確かに、そこまでいくとひとつのスタイルですね。RT @hagemeganethibi: @nofrills スーツに下駄っていう永井荷風レベルまで記者・記事が上がれば(下がれば?)いいんですけどねぇ

2011-07-28 13:03:44
nofrills/文法を大切にして翻訳した共訳書『アメリカ侵略全史』作品社など @nofrills

http://youtu.be/sM0SCbo960I ホープ・ソロとアビー・ウォンバックのインタビュー(レターマン)。他の映像でも、ホープ・ソロは本人の服装など、普通に街を歩いている女性と同じくらいに「女らしい」。

2011-07-28 13:20:58
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nofrills/文法を大切にして翻訳した共訳書『アメリカ侵略全史』作品社など @nofrills

日本で「女らしい」女性アスリートがテレビのトークショーなどに出たときに「だわ・のよ」で喋っているのか。男性が「そうっすね」のときに女性が「そうですね」というのはあるが、「そうね」はない。

2011-07-28 13:28:24
Natsuki @belleza_natsuki

鋭いご指摘!私は最後のエレベーターの記述がヒットしてしまって気がつきませんでした(^^;; “@nofrills: 日本で「女らしい」女性アスリートがテレビのトークショーなどに出たときに〜男性が「そうっすね」のときに女性が「そうですね」というのはあるが、「そうね」はない。”

2011-07-28 17:24:46
小澤里奈 @aca_de_

実際の発言見ると仕方ないかなという気も。ワンバックだとNG RT @nofrills 記事自体はすばらしいし、他の箇所ではこういう、"まるでオネェ言葉"(デフォルメされた「女性」性)のような「だわ・のよ」調は見られないのに。 http://t.co/FcqlYgT 何だかなあ…

2011-07-28 13:52:06
nofrills/文法を大切にして翻訳した共訳書『アメリカ侵略全史』作品社など @nofrills

でも日本語話者の「女性らしい」スポーツ選手が日本語で「だから、私は言ったわ。…と」、「互いに労をねぎらったの」と述べるか、というと…。RT @academentian: 実際の発言見ると仕方ないかなという気も。ワンバックだとNG RT http://is.gd/Lh1zZd

2011-07-28 13:58:42
Sakino Takahashi @sakinotk

まったくもって。たださすがに、職業翻訳者はやらないよう訓練されていると思います。 RT @nofrills: 記事自体はすばらしいし、他の箇所ではこういう、"まるでオネェ言葉"(デフォルメされた「女性」性)のような「だわ・のよ」調は見られないのに。...

2011-07-28 13:08:33
KOMIYA Tomone @frroots

研究上日常会話の翻訳をする/読む機会があるのですが、女性の発言をコテコテの女性言葉で訳す人がいて困ります。 QT @sakinotk: さすがに、職業翻訳者はやらないよう訓練されていると思います。 RT @nofrills: (デフォルメされた「女性」性)のような「だわ・のよ」

2011-07-28 13:16:45
Sakino Takahashi @sakinotk

.@frroots @nofrills 私は、ずっと翻訳者のコミュニティの運営に携わってきたのですが、90年代には、すでに、やっちゃだめ!の典型として語られていました。「のよね」「わよね」みたいな言い方でいわれていましたよ。(私自身は、せりふのあるものは、ほとんど訳していません)

2011-07-28 13:33:11
nofrills/文法を大切にして翻訳した共訳書『アメリカ侵略全史』作品社など @nofrills

通訳者さんは使わないと思いますが、翻訳は一般の翻訳書でも女は「だわ・のよ」が多いです。サラ・ペイリンがスピーチで「J・アサンジはスパイよ」と述べたことになっている、など。RT @sakinotk: まったくもって。たださすがに、職業翻訳者はやらないよう訓練されていると思います。

2011-07-28 13:32:19
Sakino Takahashi @sakinotk

ありゃま。私も、ひどいのは随分見かけていますが。おそまつな現状なんですねぇ。@nofrills 通訳者さんは使わないと思いますが、翻訳は一般の翻訳書でも女は「だわ・のよ」が多いです。サラ・ペイリンがスピーチで「J・アサンジはスパイよ」と述べたことになっている、など。

2011-07-28 13:34:33
nofrills/文法を大切にして翻訳した共訳書『アメリカ侵略全史』作品社など @nofrills

@sakinotk @frroots 大きな違和感があったのは確かアルンダティ・ロイ(←うろ覚え、違うかも)の翻訳。「~が正しいことだと、彼らは考えているのであろうか?」的な修辞疑問文が、「~考えているの?」文体で訳されていて、Yes/No疑問文のようになっていたことがあります。

2011-07-28 13:38:21
Sakino Takahashi @sakinotk

仮想ジェンダー文体(用語、これでいいのか?)って、他の文体的要素ともコミで考えないとならないってことですね.@nofrills @frroots 大きな違和感があったのは…「~が正しいことだと、彼らは考えているのであろうか?」的な修辞疑問文が、「~考えているの?」文体で訳され…

2011-07-28 13:43:53
Sakino Takahashi @sakinotk

.@nofrills @frroots 私が見た一番すごいのは、コラピントの「ブレンダと呼ばれた少年」。男の子の双子ちゃんの片方を諸般の事情で女の子に育てることになったがうまくいかないという展開のなかで、「のよねわ」全開!(それだけじゃないのだけど)もうメチャクチャ。

2011-07-28 13:47:36
KOMIYA Tomone @frroots

@sakinotk 今度からは「翻訳者コミュニティでは禁止事項」と強く主張したいと思います。 @nofrills

2011-07-28 13:39:11
nofrills/文法を大切にして翻訳した共訳書『アメリカ侵略全史』作品社など @nofrills

こんな例も: http://is.gd/VCrQ4M 10代男性(日本国籍)イングランドのチームに入団。コメント「ビッグクラブの一員となれたことが凄く嬉しいね。そのためにも、プレーする準備は怠りたくないと思ってる」 @marikomariko @sakinotk @frroots

2011-07-28 13:49:51
Sakino Takahashi @sakinotk

.@nofrills @marikomariko @frroots わ、10代であこがれのチームに入団という状況で、マッチョ側文体をあてがわれちゃう……男の子もおちおちしてられませんね。

2011-07-28 13:57:03
苦い人生 @kaoruo

女性話者のインタビュー翻訳で語尾を「だわ/よ」とされ、直しを入れたこと数回あるなー。SP○などサラリーマン雑誌で。

2011-07-28 13:42:31
苦い人生 @kaoruo

サラリーマン雑誌での「仮想ジェンダー文体」だが、ほぼ8割の文末を直した記憶。途中で嫌になった。「語尾全部直し」の一文で済ませたかった。

2011-07-28 13:52:10
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