なぜ日本では米食が中心となったか,なぜ欧州では肉食文化が発展したかという興味深い考察

これは興味深いです。麦と米の収穫量の違いから食文化や農業のあり方,そして信仰にもつながる話。
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剣kenn @hskenncutter

無肥料連作を続けた場合、麦類は水稲の半分ほどの収量比しか確保できない。水稲栽培には20℃以上の気温や降水量が必要で、ヨーロッパはほとんど条件を満たさない。近代以前のヨーロッパの穀物生産力は著しく低い。

2021-03-14 09:31:59
剣kenn @hskenncutter

13〜14世紀にはヨーロッパの生産力の実態をつかめるようになるが、収穫量平均は播種量の3〜4倍程度に過ぎない。19世紀初めでも5〜6倍のまま。対して江戸時代の日本の水田は、平均的な中田の収穫量が播種量の30〜40倍に達する。水田の異常な生産力の高さが分かる。

2021-03-14 09:37:15
剣kenn @hskenncutter

確かに種を播いても3〜4倍にしかならない麦畑と、30〜40倍になって帰ってくる水田では全く勝負にならんなあ。ここまで水田の生産力が高いと、気候の合わない東北でも米を作りたくなるのはよく分かる。

2021-03-14 09:42:51
剣kenn @hskenncutter

年貢が五公五民でひどい収奪だったとか言われるが、生産力の低いところで収穫量の半分を取り上げられる権力者がいたわけもなく、日本の農民は水田の生産力があまりに高いために、かえっていじめられるという変なジレンマに陥っていたんだと。

2021-03-14 09:47:16
剣kenn @hskenncutter

ヨーロッパの穀物生産力が19世紀はじめまで異常に低かったということは、実はパンがぜいたく品だったことを意味しており、逆にヨーロッパの肉食率が高いのは、ヨーロッパの風土が穀物で満腹することを許さなかったからだと。穀物だろうが畜産物だろうが、お構いなしに食うしかなかったのだと。

2021-03-14 09:54:50
剣kenn @hskenncutter

水田の生産力が高すぎるせいで、日本の農民は厳しい収奪に苦しんだが、労働力をかければ増産を期待できたのに対して、ヨーロッパでは労働力をかけても穀物の増産は全く期待できなかったため、ヨーロッパの農民はしばしば忍従より反抗の道を選んだ、と。

2021-03-14 10:00:06
剣kenn @hskenncutter

縄文時代からどんぐりパン作って食べていたし、弥生時代に米だけじゃなく小麦も入ってきてたのに、なんで日本にはパン食が根づかなかったのか?という素朴な疑問からいろいろ調べてみたら、思いもよらない結論に達してしまった。勉強してみるもんだなあ。

2021-03-14 12:29:48
剣kenn @hskenncutter

ヨーロッパは土地生産性が低いものの、1人当たり耕地面積は日本よりはるかに広く、この広大な面積を人力のみで耕すことは不可能だった。家畜飼育から切り離された麦作は実在しておらず、日本の稲作に当たるヨーロッパの「農業」とは、麦作と牧畜の両者を包括する概念である。

2021-03-14 16:27:03
剣kenn @hskenncutter

要は、牧畜せんことには麦作もできんかったのがヨーロッパじゃった、ということかね。

2021-03-14 16:28:32
剣kenn @hskenncutter

ヨーロッパにおける「農業」は、牧畜(≒肉食)と麦作(≒パン食)が一体となった概念であり、日本列島の風土はそのような「農業」を成立させる要件を完全に欠いていた。故に日本社会には牧畜もパン食も根づかなかった。

2021-03-14 16:51:51
剣kenn @hskenncutter

日本にパン食が根づかなかったことは、牧畜が根づかなかったことと同じ理由によるわけなんだな。同じことの別の現れでしかなかったわけだ。

2021-03-14 16:56:21
剣kenn @hskenncutter

しかし、こうして見ると、日本人はパンも食わなきゃ羊も飼わないわけで、宣教師が「このパンはイエスの肉だ」とか「迷える子羊よ」とか言っても、全く理解できないのは当然だよな。日本の風土は本当にキリスト教と相性が悪いww

2021-03-14 16:57:58
剣kenn @hskenncutter

しかし、こうして見ると、日本人はパンも食わなきゃ羊も飼わないわけで、宣教師が「このパンはイエスの肉だ」とか「迷える子羊よ」とか言っても、全く理解できないのは当然だよな。日本の風土は本当にキリスト教と相性が悪いww

2021-03-14 16:57:58