- coptictan_sahid
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トーンストレス編
コプト語においてのアクセント、トーン・ストレスについてです。多分細かい意味の違いがあるとは思うのですが、浅学ゆえよくわからないのでストレスという呼称で統一することとします。
2019-06-12 17:54:25単語中の1音節はストレスを持ちます。ストレスを持つ音節にある母音はFormative Vowel(形成的母音/注:訳語が見当たらなかったのでそのまま表記しています)となります。また、コプト語においてはストレスを持つ音節は必ず一番うしろか、後から2番目の音節になります。(e.g.ϤⲤⲰⲦⲘ/fsótm/開く)
2019-06-12 17:54:25接尾辞などが単語に付くとき、ストレスはより後ろへと動きます。また、ストレスではなくなった音節の母音は短縮され、場合によっては消滅します。 例外:元が単音節ならば、ストレスは動きません。(e.g.ⲈⲒⲰⲦ/eiót/→ⲈⲒⲰⲦⲈ/eióte/父、単→複、ⲠⲈ/pé/→ⲠⲎⲨⲈ/péwe/天国、単→複)
2019-06-12 18:01:462語以上の複合語になる場合、その最後の語を除きストレスが消え、母音が変化します。 e.g.ϨⲞⲞⲨ/hoow/(日)+ⲘⲒⲤⲈ/mise/(誕生)→ϨⲞⲨ-ⲘⲒ́́ⲤⲈ/how mice/(誕生日)、 ⲤⲔⲞⲢⲔⲢ/skorkr/(回す)+Ⲡ.ⲔⲞⲦ/pkot/(車輪)→ⲤⲔⲢⲔⲢ.Ⲡ.ⲔⲞ́́Ⲧ/skrkrkpkot/(車輪を回す)等。後者も一語です。
2019-06-15 23:01:54ストレス位置を表記し忘れました。ϨⲞⲨ-ⲘⲒⲤⲈは/how míce/、ⲤⲔⲢⲔⲢ.Ⲡ.ⲔⲞ́́Ⲧは/skrkrkpkót/になります。
2019-06-15 23:06:20トーンの移動により長母音の短縮及び消滅が起こる具体例です。 ⲀϤ/áf/(肉)→ⲀϤ.ⲢⲒⲢ/afrír/(豚肉)(アーフ→アフリールぐらい) ⲢⲰⲘⲈ/róme/(男)→ⲢⲘ.ⲢⲀⲔⲞⲦⲈ/rmrakoté/(アレキサンドリア人) 後者は母音が消滅しています。
2019-06-15 23:16:21質問に全く答えられず不甲斐ないコプト語たん
@coptictan_sahid これ、文法的に正しいですかね... twitter.com/Kubaani/status…
2019-07-01 23:16:24「バーチャル美少女受肉」はⲟⲩⲱⲧⲃ ⲥⲉⲛⲉⲱⲁⲕⲁⲓⲓⲛⲱⲡⲟⲛⲟⲩ(ouwtb sene-wakaiin-wponou: be changed beautiful virtual girl)と訳すことにしました
2019-07-01 23:05:40@ONCubane 申し訳無いです、ぜんっぜんわかりません。もしかしたらそちらの方が詳しいかもしれません。ただ、私が持ってる知識だと2語目の方に複合語になったときにあるはずの母音脱落が見られないのでそこがちょっと問題あるかもしれません(もちろんこの意見が不適当な当てはめである可能性もあります)
2019-07-02 05:55:46これ(RT)、pdfを読んだ感じだと複合語の最後の1語を除いて全部母音落とすみたいな勢いなんですよね(例にⲚⲦⲚⲦⲘⲚⲦⲈⲚⲞⲦなんてものが挙げられています)
2019-07-02 06:01:27
コプト語で複数の名詞が接続する場合、ドイツ語のように特にスペースを開けずに接続する上、母音脱落が起こるためどのような接続が起こっているのか判別が困難極まるものになります。 前にも例に挙げましたが、ⲚⲦⲚⲦⲘⲚⲦⲈⲚⲞⲦという複合語の中で、母音脱落がどこで起きたかの判別は無理だと→
2019-07-15 22:38:21→思います。少なくとも私は無理です。半子音が子音に分割されたところもどこでしょうか。幸いにも、ある程度の判別法はある、とされています。 トーンストレスを、Ⲃ, Ⲗ, Ⲙ, Ⲛ, Ⲡに置くことで、1音節に一つしかトーンストレスが無いことを利用して音節を区切ることができます。→
2019-07-15 22:38:21→あまり多くは現れないそうですが、Ⲕ, Ⲥ, Ϣ, Ϥ, Ϩに置かれることもあるそうです。ここでは無いので省略します。 さて、先程の例を再び見てみますと、ⲚⲦⲚⲦⲘⲚⲦⲈⲚⲞⲦにトーンストレスを付けることができそうですね。 つけてみますと、Ⲛ́'ⲦⲚ'ⲦⲘⲚ'ⲦⲈⲒⲞⲦとできます。→
2019-07-15 22:38:21注・ここで後の部分がⲈⲚⲞⲦからⲈⲒⲞⲦに突然変わっていますが、おそらく手書きを画像処理してPDF化するときなどに生じた誤りの類だと思われます。どちらでも話の趣旨には影響が出ないので、以後はpdfに表記のある通りにそのまま(ⲈⲒⲞⲦ)に表記します。
2019-07-15 22:38:22→即ち、Ⲛ.ⲦⲚ.Ⲧ.ⲘⲚⲦ.ⲈⲒⲞⲦ、とできるそうです。やや釈然としませんが後で書いてあるだろうと信じて一旦読み進めましょう。 ここで注意したいのが、トーンストレスがあるからと言ってそれが必ずしも母音が直後に出てくるというサインになるというわけではないということです。→
2019-07-15 22:38:22→現代英語を使って例示することができます。例えばTunnelを、発音そのままに表記すると/tun-l/となります。後半には母音がありません。 同様に、Patternを/pa-tn/、地名のTottenhamを/tot-nm/とすることができ、これをコプト文字訳してみればそれぞれⲠⲀⲦⲚ̄、ⲦⲞⲦⲚ̄Ⲙ̄とできます。→
2019-07-15 22:38:22→現代英語において、発音しないeのようなものがあることを考えればトーンストレスと母音の存在の関連が無いことがわかります。
2019-07-15 22:38:22
Ⲉで終わり、直後に別の語を伴う複合語となる名詞は、複合語化するとこのⲈを失います。 例:ⲢⲰⲘⲈ(/rome/、人)+Ⲛ̄.ⲔⲎⲘⲈ(/nkeme/、黒い)→ⲢⲘ.Ⲛ̄.ⲔⲎⲘⲈ(/rmnkeme/、黒人/エジプト人)
2019-07-17 00:00:56例2:ϢⲎⲢⲈ(/shere/、息子)+Ⲛ̄.ⲞⲨⲰⲦ(/nwot/、ただ一人の)→ϢⲢ.Ⲛ̄.ⲞⲨⲰⲦ(/shrnwot/、ただ一人の息子)
2019-07-17 00:00:56