2021年3月23日

杉江松恋氏の新人賞下読みツイートまとめ

個人的に面白かった内容を抜粋
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杉江松恋そ01a秋季例大祭 @from41tohomania

以前、新人賞応募作に出てくるヤクザの組の名前は、なんで「黒龍会」が多いんだろうって思ったことがあるのだが、相変わらず「龍」がついているものはたくさんある。「龍が如く」か何かに影響されているの? ヤクザ関係のノンフィクションを一、二冊読んでみればもっとリアルに命名できるのに。

2012-02-14 16:06:52
杉江松恋そ01a秋季例大祭 @from41tohomania

下読みをしているといつも思うのは、「作家になる方法」のガイドブックではなくて「作家になってほしいとみんなに思われる人になる方法」のガイドブック(例:中条省平『小説の解剖学』)を読んだ人に応募してきてもらいたい、ということなのであった。なかなか巡り会えないけど。

2012-06-12 18:52:31
杉江松恋そ01a秋季例大祭 @from41tohomania

下読み中。犯罪小説の応募作を読んでいると思うのだが、アクションを連続させればいいとしか思っていない書き手には実にうんざりさせられる。裏切りや失敗といった、プロットを動的なものにしてくれる要素を欠いて活劇を書いても、よほどの巧手ではない限りおもしろくはならないというのに。

2013-06-05 11:08:06
杉江松恋そ01a秋季例大祭 @from41tohomania

書評は、褒める書評よりも貶す書評のほうが10倍難しく、面倒です。人が汗水垂らして書いた作品を否定するからには、それに見合う理由が求められます。下読みも同じことで、応募者の思いが詰まった原稿をぞんざいに扱っていいはずがない。落とすのにも理由がいるのです。

2014-01-30 10:48:46
杉江松恋そ01a秋季例大祭 @from41tohomania

だから下読み担当は、きちんと理由を探しながら読む。それは決して「三点リーダーが変」というような些細なものではありません。その作品がいかにつまらなく、書き手に見込みがないかということを編集者に納得させられるものでなければいけない。当然のことです。

2014-01-30 10:50:16
杉江松恋そ01a秋季例大祭 @from41tohomania

一次で落とした作品のどこがどうダメだったかという仔細を説明するように求められることは実際にはほとんどありません。しかし、そういう場面になればきちんと対応する義務があり、普段から準備をしながら読む。それゆえ「三点リーダー」などという些細な要素に下読み担当が拘泥するはずがないのです。

2014-01-30 10:51:55
杉江松恋そ01a秋季例大祭 @from41tohomania

したがって応募者は、そういう枝葉末節に戦々恐々としなくてもいい。その暇があったら文章そのものの推敲に力を入れてほしいものです。ただし、一つだけお願いがあり、ぜひ版面は下読み担当の目に優しく、疲れないように気をつけてもらいたい。これは「規則」ではなく人の情に頼った「お願い」です。

2014-01-30 10:54:08
杉江松恋そ01a秋季例大祭 @from41tohomania

下読みの場合、一次と二次でやり方が異なる。一次の場合は、その内の数パーセントしか通せないわけなので(もっと高い比率の場合もあるが)、とにかく加点主義で上位に来る作品をまず選んでしまう。減点主義にしたらこの段階で残せるものがなくなってしまうから。

2014-06-24 16:27:18
杉江松恋そ01a秋季例大祭 @from41tohomania

@kusattemoevill 現状では、新人賞受賞者に求められているのは「感想や反響がないという孤独」の中でも黙々と自作を書き続けられることだと思うのです。サークル的に相互評価を行って切磋琢磨する.. togetter.com/li/717863#c160…

2014-09-11 23:08:17
杉江松恋そ01a秋季例大祭 @from41tohomania

(2)2作以上を応募してくる人というのは必ずいる。パターンは2つあって、1つは単発作品を2つ、という人。もう1つはシリーズ作品を複数応募してくる人だ。そのいずれも選考において有利に働いたのを見たためしがない。はっきり言うと、デメリットのほうが大きいと思う。

2015-08-08 16:47:24
杉江松恋そ01a秋季例大祭 @from41tohomania

(4)解決策としては、その時点での出来のいい作品をとりあえず応募し、もう1作を〆切の近い別の賞に応募するのがいいのではないか(どちらかが過去の作品の焼き直し、というケースは論外)。複数作応募で確率を上げたいなら、そちらのほうが低リスクである。

2015-08-08 16:51:40
杉江松恋そ01a秋季例大祭 @from41tohomania

(5)今回某賞の下読みを手がけて、複数作応募によってリスクが増大するケースを思いついた。たとえば応募作Aにある欠陥があるとする。1作だけなら偶然のミスと受け止められるかもしれないが、応募作Bにも同じ欠陥があったらどうだろうか。それは書き手の無視できない欠点として認識されるはずだ。

2015-08-08 16:54:19
杉江松恋そ01a秋季例大祭 @from41tohomania

(6)下読み作品の振り分け方は賞によって違い、複数作応募の場合は1人の読み手に集中しないように渡されることの方が多い。しかし分配はランダムなので、1人が2作を読むこともある。そうした場合、(5)のようなマイナス評価は避けられないはずだ。このリスクだけでも複数作応募は不利である。

2015-08-08 16:56:42
杉江松恋そ01a秋季例大祭 @from41tohomania

(7)最近増えたのが、複数作応募をしてくる際に筆名を変えて投稿してくるケースだ。これは前記のようなリスク回避のためにやられているのだと思うが、無駄である。個人情報は下読みには晒されなくても、編集部には知られてしまう。応募作AとBは同一人物であるということは知られるものと思うこと。

2015-08-08 16:58:41
杉江松恋そ01a秋季例大祭 @from41tohomania

(8)シリーズ作品を複数作応募してくるケースだが、さらに不利だと私は考える。よほどそのシリーズキャラクター(まれに設定)に愛着があるのかもしれないが、読む側からするとそこまで秀でたキャラクターには見えない。言葉は悪いが登場人物の使い回しにしか見えないのである。応募するなら1作で。

2015-08-08 17:01:16
杉江松恋そ01a秋季例大祭 @from41tohomania

(9)これまで見てきた限りでは、新人作家が生み出したキャラクターが連投を許されるケースは、作家本人よりも編集部の意向が働いている場合のほうが圧倒的に多い。連投を許される商品であるか否かは編集部が決めるのである。応募前からそれを目論んでも徒労に終わるので、およしになるが吉だ。

2015-08-08 17:03:25
杉江松恋そ01a秋季例大祭 @from41tohomania

(10)まったく同じ理由で、前回予選を通らなかったキャラクター(設定)の作品を同じ賞に再度投稿するのも徒労に終わる可能性が高い。未練は残るかもしれないが、別のキャラクター、別の設定で挑戦したほうがいいと思う。もしくは別の賞へ。しかしそこにも同じ下読みがいるかもしれない。どうする?

2015-08-08 17:05:25
杉江松恋そ01a秋季例大祭 @from41tohomania

新人賞に応募してくるデスゲーム小説(登場人物たちが殺し合う)がつまらない理由はだいたいそれで、極限状態に置かれたときの反応がだいたい一緒になってしまうのである。いや、生き残りたいのは当然なのだが、それなら条件設定を変えて違う反応ができるような状況にしたほうが絶対おもしろいのに。

2015-08-11 13:15:47
杉江松恋そ01a秋季例大祭 @from41tohomania

下読み中。応募規定の上限と下限ぎりぎりの作品に良作なし、の法則がまたも的中した。書きすぎたのを削ってようやく枚数内に収めたもの、内容がないのに無理をして書き伸ばしたもの、いずれも分量とお話がつりあっていないと感じる。まあ、その長さを書けただけでも立派だ。次がんばってください。

2015-09-09 11:12:40
杉江松恋そ01a秋季例大祭 @from41tohomania

下読みがっかり原稿その1。「○○は××なんですよ」「そうですか」「××が怪しいと思うんですか」「はい」みたいな無駄な受け答えが必ず会話に挟まる原稿にがっかり。貴重な一行を鸚鵡返しで使っちゃってることをもったいないと思わないのかなあ。会話のやりとりをまとめるセンスはとても大事。

2017-04-13 15:55:27
杉江松恋そ01a秋季例大祭 @from41tohomania

下読みがっかり原稿その2。主人公がかっこいいと思わせたいのか、それとも主人公に書き手が感情移入しすぎたのか、話の中途で入る意味のない濡れ場にがっかり。もしかすると読者サービスのつもりなのかもしれないけど、話の流れに関係なさすぎて「とっととパンツ穿いて捜査に行け」と言いたくなるの。

2017-04-13 15:57:27
杉江松恋そ01a秋季例大祭 @from41tohomania

下読みがっかりその3。ファンタジーは別にいいけど梗概がほとんど世界観の説明で収支しているのはちょっとがっかり。そこはそういうこと書く場所じゃない。世界観をあらかじめ説明しないと読めないんじゃなくて、話を読んでいるうちに徐々に理解していけるような書き方をしてほしいなあ、お父さんは。

2017-04-13 16:11:08
杉江松恋そ01a秋季例大祭 @from41tohomania

下読みがっかり原稿その4。メタ構造はいいけど、小説として文体への配慮がないのにはがっかり。それまでの部分が小説内小説(手記)であったことが中途で判明したら、それ以降の小説内現実と以前の小説内小説では文体に差異が出てこないとおかしい。構造を作ることだけで満足しちゃったのかなあ。

2017-04-13 17:01:55
杉江松恋そ01a秋季例大祭 @from41tohomania

下読みがっかり原稿その5。三人称多視点が採用された作品で視点人物が変わっても景色の見え方が同じなのはがっかりだ。見る人の角度が変われば視野も変化し、主観の違いから空気感も同じにはならないはずなのにな。そのほうが作者は都合がいいのかもしれないけど、読者のことを考えてもらいたいな。

2017-04-13 18:21:51
杉江松恋そ01a秋季例大祭 @from41tohomania

統計的な裏付けがあるわけではないので個人的な印象として聞いていただきたいのだが、新人賞応募作品で本筋とはあまり関係ない濡れ場があるものは軒並み駄作だという気がする。創作物のどんなパーツにも意味があるはずなのだが、特に必然性がないのにそれを書いてしまっているのが敗因だと思う。

2017-07-04 04:01:56
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コメント

谷部覧博 @Yabe_MiHiRo 2021年3月23日
複数作応募は、よっぽどクォリティが低くない限り、それだけ短い日数で書けるのと、バリエーション(書けるジャンルが1つではない。あるいは共通する設定やキャラを使ったシリーズを続けられる)のアピールになるかと思ってたらそんなことないなんて意外(別にアピールを狙って複数応募したことがあるわけじゃないですけど)。
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denev @_denev_ 2021年3月23日
私がなろう小説を読んでイラッとする(そして即座に読むのをやめる)要因がいくつも指摘されてて、何度も膝を打ちながら読んだ。一方で、こうした欠点を山程抱えたクソ小説(としか私には思えないゴミ)が、多くの読者の支持を得て書籍化してたりもするのだ。
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nekosencho @Neko_Sencho 2021年3月23日
Yabe_MiHiRo 通るレベルのなら一作で通るだろうし、落ちるレベルのだとすればたくさん来ても意味がないってことじゃないですかね。 「落ちるようなの複数送り付けられても迷惑だ、数で勝負じゃなくて作品の質を上げろ」ってことだと思いますよ。
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谷部覧博 @Yabe_MiHiRo 2021年3月23日
Neko_Sencho 理由がなくて「どうしてかな?」というわけじゃなくて、同様なことは私も以前に考えましたし。まとめの方で「たとえば応募作Aにある欠陥があるとする。1作だけなら偶然のミスと受け止められるかもしれないが、応募作Bにも同じ欠陥があったらどうだろうか。それは書き手の無視できない欠点として認識されるはずだ」というのもありましたし。ただ、落ちるレベルだったら「下手な鉄砲の数撃ちゃ」で何作も送った方が佳作に入る確率は高まるし、通るレベルで複数作入選すれば賞金が…とか(w
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