まどさやプラネタリウム

_katzehさんといつの間にかリレー小説をしていたので、短いけれどまとめてみた。
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Katzeh @_katzeh

@husigihatten まどさやプラネタリウム…

2011-07-31 09:39:44
Katzeh @_katzeh

@husigihatten 「遠くで風の音が聞こえる。外には嵐が近づいてた。頭上には美しく輝く星々。作りものの空にはりついた偽りの光。それをわたし達は席を立つこともできず、手を繋いでいつまでも見つめ続けていた」

2011-07-31 09:50:38
鍵屋 @kagiyaplus

@_katzeh @husigihatten 「ねえ、さやかちゃん」わたしは、隣で宙(そら)を見ているさやかちゃんの手を、少しだけ、固く握った。「心配、しなくて良いよ」そう言うさやかちゃんの手は、少しだけ震えている。さやかちゃんの気持ちを知りたくて、わたしも再び上を見上げた。

2011-07-31 09:55:57
Katzeh @_katzeh

@kagiyaplus @husigihatten あの星座はなんだっけ?さっき説明してたのにな。いろいろな星座達の物語。星座は宙でよく誰かを追いかけてる。だけど相手に追いすがるほど、同じ速度で遠ざかってく。この宙を創ったのが神様だったら、なんて意地悪なんだろう。

2011-07-31 10:02:16
鍵屋 @kagiyaplus

@_katzeh @husigihatten ふと、一際青く光る星が目に付いた。さやかちゃんのソウルジェムと同じ色の星。確か、青い星ほど寿命が短いとか、そんな説明があった気がする。嫌な考えが頭をよぎって、わたしは慌てて頭を振った。「どうしたの? まどか」「ううん、なんでも無いの」

2011-07-31 10:08:56
Katzeh @_katzeh

@kagiyaplus @husigihatten 握る手につい力が籠もる。そんなわたしを感じとって、さやかちゃんはいう。「まどかはあたしが守るから」。怖い考えが消えないよ。光を生めば生んだ分だけ、星の命は短くなって。眩い星の最期には、光を呑みこむ真っ黒な穴だけが残るんだって。

2011-07-31 10:21:09
鍵屋 @kagiyaplus

@_katzeh @husigihatten 「さやかちゃん」やっと出た声は、わたしにも意外な程小さくて。「いっしょにいよう」さやかちゃんに届かないんじゃないか、不安になる。でも、さやかちゃんは力強く頷いた。「うん」違うの。これ以上、星みたいに明るくしないで。自分を大切にして。

2011-07-31 10:45:11
Katzeh @_katzeh

@kagiyaplus 寄り添って見える星座達も、ほんとうは全然別の場所に在る。地上からは見えないのだろうか。ほんとうの距離も、その隙間に広がる宙の暗さも。地上から星に声は届かないのだろうか。一筋の光が視界を流れ落ちた。つくりものの流れ星。わたしはそれに、そっと願いを掛けた。

2011-07-31 11:07:14