『マイクロスコープ』は歴史を紡ぐTRPGです。 ルールの指示に従って、メモ用紙に情報を書き、それをテーブルの上に並べ、時にトークとロールプレイングをすることにより歴史の疑問点を明らかにしていくゲームです。 pic.twitter.com/rs9TF5YUE3
2021-03-28 01:12:26いくつかの質問に答えていくと設定ができていくルールが素晴らしいです。 移民宇宙船が、緑あふれる惑星グリーンに不時着する所から語るべき歴史は始まります。不時着? そう、ここは目的地ではなかったのです。 人々は、母性への送信手段を絶たれた中、苦労しながらここで生きていくことになります
2021-03-20 23:15:19次にパレットで入れてほしい要素と、入れてほしくない要素を決めます。 私が決めた入れてほしい要素は「男性の妊娠」です。ディブトリージュニアやル・グィンが書くような性的な要素が入ったSFが遊びたかったからです。
2021-03-20 23:17:22入れてほしくない要素の話題で「知性化」の話が出ます。アップリフトです。 私は質問します。 「それは概念そのものが出てほしくないのですか?」 その結果「知性化生物の出現」になりました。 これで「知性化禁止会議」の話はできます。大事なところです。
2021-03-20 23:21:08そうやって設定を決めて、それからカードを置いて、時代や、事件や、謎を解くためのイベントシーンを作っていきます。 カードが置かれて、この惑星には「グリーンウマ」という動物がおり、不時着した人類はグリーンウマに頼って生活していることが明らかになっていきます。
2021-03-20 23:23:19しかし、惑星グリーン土着の四足歩行動物グリーンウマは、繁殖力の弱い生き物でした。 人類は、遺伝子改造手術を行い、人類男性がグリーンウマの卵子を排出するように変化させることに成功します。人類男性によるグリーンウマ胎児を妊娠可能になるという技術により、繁殖力不足問題は解消されます。
2021-03-20 23:26:48不時着したため資源に乏しく、機械文明を発展させることができなかった人類にとって、グリーンウマの労働力は魅力的でした。 女性は人間の子を妊娠、男性はグリーンウマの仔を妊娠するという分担により、なんとか未知の惑星で人類は生き延びる道を見出します。
2021-03-20 23:29:51この計画を選んだ理由の一つは、倫理的理由から惑星グリーンの土着生物の知性化を人類自らが禁じたからでした。 もう一つ、実は隠された理由がありました。グリーンウマは知的ではないですが、対象に気に入られるように相手を洗脳するテレパスのような能力を持っていたからです。
2021-03-20 23:33:48人類男性グリーンウマ妊娠プロジェクトは、被験者の熱意や、プロジェクトの達成に多大なお金が動いたことが成功の理由でした。 考えてみれば、これらもまた洗脳能力の影響と考えることができるでしょう。
2021-03-20 23:36:01いきすぎた洗脳は不幸をももたらすことになります。グリーンウマを働かせることを嫌った一部の人たちは、グリーンウマ解放戦線を設立。牧場を攻撃し、グリーンウマたちを自由にする活動を始めました。
2021-03-20 23:37:55しかし、この時、恐怖の疫病、ウマ死病の魔手が惑星グリーンの社会に近づきつつありました。 ウマ死病は、グリーンウマを殺す病であり、かつ感染した人類も殺す人土着生物感染症・ゼノノーシスを引き起こすのでした。
2021-03-20 23:41:03ウマ死病発生の時、即座にグリーンウマをすべて隔離し、感染したと思われる個体をすべて殺せば、疫病の蔓延は防げかもしれません。 しかし、解放戦線のリーダーはグリーンウマが隔離されて殺される状況を容認できず、ウィルス研究所内でサンプルをばらまきます。
2021-03-20 23:44:13この情報が漏れ、人々がパニックになることを憂慮した研究所所長は情報を隠ぺいすることにしました。 それにより疫病を食い止めるための初期の動きはうまくいかなくなり、病は蔓延。 グリーンウマと人が一緒に暮らせなくなる時代が来てしまうのです。洗脳による近視眼的な愛がもたらした悲劇でした。
2021-03-20 23:47:13そんな状況の中、グリーンウマのトリルデを愛している若者イゾスタンは1人と1匹で一緒にいることを選択。逃げ出して、はじめて出あった牧場で最後の日々を過ごすことを選択します。 この愛の物語はのちに戯曲化され、惑星グリーンから生まれた最初期の物語として愛されることになるのでした。
2021-03-20 23:50:37その後、不時着後の大開拓時代から隔離時代までを振り返るドキュメンタリー番組が作られ、惑星グリーンにおける人とグリーンウマの関係と、ウマ死病が流行った理由を見直す契機となるのでした。 おわり。
2021-03-20 23:53:11こんな感じ物語でできて、大変面白かったです。 本来のゲーム内で起きた事件はもっとたくさんあり、また錯綜しています(一つの視点でまとめきれないのが歴史だし)。 このレポートは、いろいろそぎ落としたり、はしょったりながら、一つの視点で語ってみたものです。
2021-03-20 23:56:39私、SFが好きなので大変満足できました。 SFのTRPGって、設定たくさん覚えたり、名前たくさん覚えたりするのが大変で、なかなかプレイまでたどり着くの難しいんですよね。細かい事に終始すると、自由な空気が減って、センスオブワンダ―って雰囲気じゃなくなるし。
2021-03-21 00:00:57『マイクロスコープ』、SF的ストーリーを作成して楽しめるシステムになっていて、とても良かったです。 自分個人だけではとても作り出せないストーリーが、ゲームを通じて紡がれていく様子が素晴らしいですね。
2021-03-21 00:03:30