2021年4月1日

掌小説語り~自作つぃのべる集~61

自作ついのべるのまとめです。 2018年5月分
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リュカ @ryuka511

許されない恋だった。来世で必ず結ばれようと誓い離れた。間違いなく転生できるよう、今すぐ命を絶ちたい衝動を必死に抑える。今生の記憶が無くとも必ず君にまた恋をする、どんな姿とて君を愛す、そう誓い生を終えた。だが、今生で許されない恋は来世でも許されないのか。君が実の妹だなんて #twnovel

2018-05-01 00:12:59
リュカ @ryuka511

辛い事があった時は、魔法で部屋に植物を生み出す。緑に包まれていると落ち着いた。魔法で生まれた植物は枯れないし、水やりもいらないから、疲れた心と身体にはちょうどいいのだ。日に日に増えていく植物。足りない、もっと私を慰め癒してくれ。 #twnovel 緑に埋もれた魔法使いの死に顔は安らかだった

2018-05-02 01:15:08
リュカ @ryuka511

目覚めた僕の横で、あなたはほっとしたように微笑んだ。ここは温かいし幸せだねとあなたは泣く。そうだねと頷いて、泣いているあなたの背を撫でた。ぼんやりとしていた頭が次第にはっきりしてくる。そうだ、僕はあなたといく事を選んで、あなたは受け入れてくれた #twnovel 黄泉の国の方が僕らに優しい

2018-05-03 00:37:51
リュカ @ryuka511

7月にしては肌寒い日だった。小雨が降る中、荒れ野に佇む。静かで誰もいない荒れ野は心地良かった。耳が痛くなるほどの静寂、肌を刺すような冷たい雨。どうしてここにたどり着いたのか悟った。僕にとって他人との正確な距離感とは、見渡す限り誰もいないくらいがちょうどいいのだろう。 #twnovel

2018-05-04 01:04:51
リュカ @ryuka511

混ざり合うふたつの遺伝子が新たな生命を生み出す。それは奇跡だ。だが、それを行おうとすると背徳感がつきまとう。何をためらう必要がある。それは私に課せられた使命だ。私の本能に従え。 #twnovel これは遺伝子組み換えで生み出された奇跡の花だ。新種だと言ってもいいだろう?

2018-05-04 23:41:53
リュカ @ryuka511

天翔る四肢を得たならば、君の下へ飛んで行こう。私達が離れ離れになるなど、あってはならない事なのだから。どんなに遠くても必ず君を見つけてみせる。宙を蹴り、君を目指して飛ぶ。 #twnovel 私を見て君は悲鳴を上げた。私は低く唸り、牙をむき吠えたてる。無造作に私を捨てた君に復讐を。

2018-05-06 00:06:52
リュカ @ryuka511

刀を構え夜更けの庭に立つ。敵を、人を切る事には慣れたはず。乱世に武士と生まれた宿命である。迷う筋などない。雲間から射す月光に刀を翳す。「武士道と云ふは死ぬ事と見つけたり、か」正しい決断をせよ。自己や情はそれを阻むもの。正しさとは何か。刀に答えを求め、いつまでも立ち尽くす #twnovel

2018-05-07 00:19:35
リュカ @ryuka511

彼の主が亡くなった。淡々と進む葬儀の中、一番主に忠実だったにもかかわらず、ロボットである彼に居場所は用意されていない。葬儀場の片隅に彼は静かに佇む。私が泣きもせず淡々としているからいけないのだろう。自分の目から落ちていく雫が涙だと知らず、彼はただ進んでいく葬儀を見つめる #twnovel

2018-05-07 23:56:54
リュカ @ryuka511

君の手は僕だけを取って、耳は僕の声だけを拾って、目は僕だけを映して。そうでなくては僕は不安で苦しくて仕方がない。君の自由を奪って僕だけのものにしようかとも考えた。だけど強制したそれは真実ではないとも解っている。 #twnovel どうか、僕が「それでも構わない」などと考える前に、僕だけをー

2018-05-09 00:03:21
リュカ @ryuka511

君はいつも「寒い」「淋しい」と繰り返す。僕の隣にいても寒いままなのかい?君なら、他に温もりをくれる人を見つけるのは造作ないだろうに。僕の隣という立ち位置を確保したまま、僕を見ず温もりを求め続ける君。そんな君を突き放せない僕は、君を愛しているのかなんて解らなくなってしまった #twnovel

2018-05-10 00:35:37
リュカ @ryuka511

魔王に奪われた太陽が勇者の手で取り戻された。世界から闇が祓われ、望んでいたはずの朝が来る。だが、光は拷問のように人々を痛めつける。闇に慣れた人々に、光は苦痛となっていた。そして人々は、太陽を奪った魔王ではなく、取り戻した勇者を責めた #twnovel 光に満ちた世界で、勇者は一人静かに笑う

2018-05-11 01:07:33
リュカ @ryuka511

あの日食べたケーキは目眩がする程甘く、甘く、食べきるのに苦心したのをよく覚えている。君の手作りだった。「甘過ぎだよ」「これ位が丁度いいのよ」文句を言う僕に君は「解ってないなぁ」と笑う。 #twnovel 君の手料理はあれが最後になった。あれ以来、何を食べても甘く感じて、その度に空を見上げる

2018-05-12 00:55:20
リュカ @ryuka511

世界は愛を知らないカミサマが創ったのだという。なので人々も他人に無関心で、親愛も執着も憎悪も持たず、自己にさえも無関心だった。笑いも慟哭も憤りも起きないこの世界は、諍いも犯罪も戦争も起きず、至って静かで平和だったという。世界が滅ぶ時でさえ、嘆き一つ上がらなかったという #twnovel

2018-05-13 00:36:38
リュカ @ryuka511

「明日、引越すの」団地の谷間の小さな公園で、ブランコをこぎながら君は言う。「そうなんだ」動揺してそれしか言えなかった。何か言いたげな君の顔。僕も同じような顔をしてた気がする。「じゃあね」勢いよくブランコを下りて君は走り去った。立ち尽くす僕の後ろでブランコはまだ揺れていた #twnovel

2018-05-14 00:33:34
リュカ @ryuka511

一人暮らしの女性の他殺体が発見されたらしい。電話のコードで首を絞められていたそうだ。そういえば、1度だけ彼女が自宅の電話からかけてきた事があった。忙しくて出られず折り返しも出来なかった。「ねぇ」彼女が電話のコードを手に立っている。「どうしてこの時出てくれなかったの?」 #怪談大喜利 pic.twitter.com/JZ2xqvsLKs

2018-05-14 22:38:17
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リュカ @ryuka511

神話の時代から伝わる聖剣は聖堂の奥に隠されている。百年に一度、太陽に晒し聖なる力を維持するのだ。今年はその百年目。魔族の襲撃に警戒しつつ扉が開かれる。そこには古びた剣。「聖剣が無い!」 #twnovel 騒ぎに乗じ聖剣を奪い魔族は笑う。「そんな昔からある剣が金ピカなわけないだろう、バカめ」

2018-05-14 23:33:15
リュカ @ryuka511

あの世とこの世を別つものは一体何だろうか。三途の河か、光輝く扉か。人ではないものによって作られた境界線で人が別たれてしまうなんて、なんと理不尽なのだろう。君にはもう会えない。 #twnovel 気付いた時には境界線を越えていた。君に会いたいと願ってはいけない。それは君の死を願う事だから。

2018-05-16 01:12:49
リュカ @ryuka511

一世紀以上の間、「無題の楽譜」は数多の楽団に演奏されてきた。題名も、作曲者の名さえ残されていない。高名な音楽家の隠れた名作か、あるいは時代に埋もれた無名の音楽家によるものか。いずれにせよ、その曲は多くの奏者と聴衆の心を打った。ある奏者は言う。この曲は無題こそが相応しいと #twnovel

2018-05-17 01:29:26
リュカ @ryuka511

少女はたくさんのぬいぐるみを作っている。丁寧に縫い合わせ綿を詰めていく。どれも笑顔だ。縫いつけた口から溢れ出る愛の言葉に、少女は微笑みぬいぐるみを抱きしめた。それは古いラジオから集め吹き込んだ愛の言葉の羅列。この子達の口から聞こえるから、それは自分への言葉だと信じられる #twnovel

2018-05-18 00:36:39
リュカ @ryuka511

旅は突然終わるものと決まっていると僕らは忘れていた。ごめんなさいと書き置きを残し、君は夜明け前に宿を出てしまったらしい。どうしていなくなってしまったのか、どこへ行ったのか、長く共に旅したくせに、僕らには何も解らなかった。君がいなくては魔王討伐は不可能。僕らの旅は終わった #twnovel

2018-05-19 01:48:56
リュカ @ryuka511

ある日、心が読める力をもらった。「あなたの為」を連呼する母親。親友のあいつ。どいつもこいつも俺を蔑んでただけだった。信用できるのは誰だ。片っ端から力を使って、信じられるのは自分だけだと解った。何故こんな力を与えられたのか #twnovel 君に力は使わなかった。使わなくても、解ったから。

2018-05-20 00:36:14
リュカ @ryuka511

耳に遺る君の声が消えないように、耳を塞いでしまう事にした。最期に僕の名を呼んだ君の声を、他の音で穢したくなかった。もう二度と君の声は聞けないから、雑音が耳に入ってこないように。僕は大丈夫、後追いなんてしないから心配しないで。僕の中に封じ込めた君の声と共に、生きるから。 #twnovel

2018-05-21 01:26:18
リュカ @ryuka511

恐れられる事にもう慣れた、なんて言わないで。そう言いたかったのに、あの人の諦観に満ちた笑みに何も言えなかった。私もまたあの人を恐れているのだと気付かされる。たった1人で魔王軍を壊滅させたあの人は英雄であるはずなのに、その功績は脅威となる #twnovel 魔王がいなくならない理由がここにー

2018-05-22 00:34:48
リュカ @ryuka511

容姿も年齢も関係なく、女性とみれば甘い囁きで口説く彼が、ただ1人口説いた事のない女性がいる。無論、身内ではない。彼女は特別だからこそ出来ないのだと彼は言う。口説いた相手にもそれぞれ本気で恋しているが、彼女にはそれ以上に本気なのだと。 #twnovel 彼女は待ってるぞなんて、教えてやらない

2018-05-23 00:14:24
リュカ @ryuka511

魔王の指輪には暗黒のかけらが使われている。地上から朝を奪い、月の光すら射さない永遠の暗黒に変えた。地上に光を取り戻すには、暗黒のかけらを全て集め封じ込めるしかない。しかしそれは闇夜で影を探すに同じ。暗闇に満ちた広大な地上を、魔族達は謳歌する。闇こそが安寧、何を怯えるのだ? #twnovel

2018-05-24 01:11:01
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