2021年4月1日

掌小説語り~自作つぃのべる集~63

自作つぃのべるのまとめです。 2018年7月分
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リュカ @ryuka511

剣戟と炎の中を、幼い王子を抱き走る。王が敵将に囚われた今、王子は我が国の希望。あの川を越えれば同盟国だ。「逃すな!」敵兵が迫る。渡し船で待つ船頭と兵士に王子を託し、数人の敵兵に対峙する。王子、どうぞご無事で。最後の敵を斬り伏せた。「……悪くない」川底から見た空は、青かった #twnovel

2018-07-02 01:09:31
リュカ @ryuka511

国を1つ滅ぼす度に地図を赤く塗り潰す。血と炎に色づいた地図は、世界を憎む君の心象風景そのものだ。 最前線で剣を取り魔王と呼ばれ、世界中から恐怖と憎悪を向けられても、君が救われるなら私は喜んで魔王となる。これも全て君のため #twnovel 最後に我が国を滅ぼし私も消える。君がため、滅せよ世界

2018-07-03 01:02:55
リュカ @ryuka511

教室の隅で悲しげに佇む半透明な少女は、自分は殺されたのだという。彼女が死んだのは卒業目前。卒業したら恋人と結婚するはずだったのだと。恋人とは教師だろうか。彼女の担任は今の私の担任だった。私の秘密の恋人。まさか、貴方を殺したのは #twnovel 彼を信じてはいけないと、警告したかったのに。

2018-07-04 01:06:16
リュカ @ryuka511

奴は俺の婚約者をさらって逃げた。彼女も逆らう事なく奴に同行したそうだ。部下に捜索させたところ、2人手に手をとって河に飛び込んだという。流れの激しい河だ、助かる見込みはないだろう。いい度胸だ。繋いだ手ごと切り落としてしまおうか。揃って死んだところでお前達は結ばれやしないのだ #twnovel

2018-07-04 23:42:28
リュカ @ryuka511

「誰も俺なんか本気で相手しないって」浮気を問い詰めるといつもこれだ。そんな目でそれはずるい。決して癒えない傷を隠して無理に笑うから、嘘っぽく見られるんだ。泣いていいのに、愛してって言っていいのに。何だってしてやるから。「結婚しよう」なんて幼い口約束だって、叶えてやるのに #twnovel

2018-07-06 01:01:16
リュカ @ryuka511

死にたくて飛び降りて、気がついたら異世界にいた。文明も常識も違う世界で苦労もしたけど、笑って話せる友人もできて、今とても充実している。元の世界になんてもう帰れなくていいのに、私を呼び戻そうとする意思を感じる。何を今更。 #twnovel ここは死後の世界?だから何だというの?私は帰らない。

2018-07-07 01:09:34
リュカ @ryuka511

伝説によれば、かつて太陽と呼ばれる燃え盛る星が世界中を明るく照らし、空は青く澄んでいたらしい。そんなものはただの伝説だと多くの人は言う。空は見渡す限り暗い灰色、松明の炎が無ければ一歩先も見えやしない。だけど僕は信じたい。明るく澄んだ美しい世界を、僕らの力で取り戻せると。 #twnovel

2018-07-07 23:51:20
リュカ @ryuka511

王よ、貴方が大切にしていたものは私が守ります。報われぬ想いを抱えたまま魔女は墓守を志願する。侵入者を皆殺しにするその姿は魔物と恐れられた。やがて王国が衰退し王家の墓の存在が忘れられても、魔女はいるはずのない敵と戦い続ける。力尽き倒れても、その手は魔法の杖を握りしめていた #twnovel

2018-07-09 00:21:28
リュカ @ryuka511

ー力が欲しいのだろう?ー耳障りな声が響く。うるさい、失せろ。ー彼女を守りたいのだろう?お前より彼女の方がよほど強いではないかーうるさいっつってんだよ。「ボサっとしてないで戦いなさいよ!」彼女が投げつけた薬草の袋が額に当たった。耳障りな笑い声が響く。ー素直に頷いたらどうだ?ー #twnovel

2018-07-10 00:34:09
リュカ @ryuka511

「人間って単純」「素直でいいじゃない」地上を眺めて天使は嗤う、悪魔は微笑む。力を貸してあげる、その言葉にすがりついた人間達の悲喜こもごもとその末路に、天使も悪魔も満足げだった。「私が力を貸すって言うとみんな救いだと思い込むから面白いよ」「思い込みは危険だね」 #twnovel

2018-07-11 01:35:38
リュカ @ryuka511

私を愛してくれた君は、だが私と同族になろうとはしなかった。出逢った時のままで愛し抜きたいのだと。死が我々を分かつ日を恐れたが、君の深い想いを前に無理強いはできなかった。君は最期に、先に逝く事を許してほしいと言った。無論、君は生涯人間であり続けたことを後悔しなくていい #twnovel

2018-07-12 00:24:11
リュカ @ryuka511

双子で生まれた君と僕。その意味が解る日が来た。2人で遊んだ、幼くただ楽しかっただけの頃にはもう戻れない。神託が救世の英雄になると告げたのは、君。密かに旅立つ君を守る為、僕は囮として魔王軍に立ち向かう。君のこれからを思えば、怖くない。君が背負う重圧を、少しでも軽くするのだ #twnovel

2018-07-13 00:35:41
リュカ @ryuka511

君は世界を統べる王になる為に生まれたらしい。特定の誰かを想ってはならない、世界の為にしか存在を許さないのだと。突然現れた大人達が君を連れ去ろうとする。この手を離したら二度と会えないのを知っていた。決して離してはならない。君を連れ逃げる。ついてきてくれた君の想いを信じて #twnovel

2018-07-14 00:40:28
リュカ @ryuka511

勇者一行の快進撃に皆が湧いている。これを利用しない手はない。勇者を名乗って宿代を踏み倒し、魔物退治に高額な報酬を要求しトンズラした。街の連中は文句一つ言わず要求を受け入れる。こんなに上手く行くとは。偽勇者はやめられない #twnvday 「お前が僕の偽物か」「げっ、本物⁉︎」「消えろ」

2018-07-14 23:52:24
リュカ @ryuka511

結局私は人でした。醜く保身的な人でした。貴方を救えないどころか、貴方を恐れ拒絶した。想いは種族を超える、美醜など関係ないなんて、綺麗事しか言えなかった。綺麗事を貫き通して真実にする事も出来ず、生半可な覚悟で貴方に接し、貴方を裏切った罪は重い。せめて、貴方の手で断罪を。 #twnovel

2018-07-16 01:15:36
リュカ @ryuka511

貴方の目には恐怖しか浮かんでいなかった。貴方が決めた結末ではないから当然ね。私を裏切り続けた貴方を見限れなかった私の、これは復讐であり愛の証。強い想いを込めて付けた傷は消えないんだって。骨になっても消えない傷を、貴方にも。より丁寧に、より残酷に。ほら、私の左腕とお揃いよ #twnovel

2018-07-17 00:39:03
リュカ @ryuka511

過去の旅に想いを馳せる。王宮の予言者に「君は救世の英雄だ」と言われ、逆らう術もなく魔王討伐の旅に出た。適当な所で行方を眩まそうと思っていた。だが魔王軍の侵攻を前に考えが変わった。諦観や絶望は人間を狂わせる。いや、本性を暴いたのだ #twnovel 人間から世界を救い、魔王の側近として生きた

2018-07-18 00:39:01
リュカ @ryuka511

娼館の一等室で、高級娼婦はたおやかな微笑みを浮かべる。今宵の相手はわたくしのお相手に相応しい紳士かしら。服を脱がされベッドに押し倒されても、彼女は優美な微笑みを崩さない。ダメね、これは。娼館の秩序を、何より娼婦達の矜持を守る為にも、下衆な輩はわたくしが殺らなくては #twnovel

2018-07-19 00:53:30
リュカ @ryuka511

力を求める僕に天使を名乗る何かが手を伸ばす。真っ黒な羽を広げたそいつの手を躊躇いなく取った。この際天使でも悪魔でも構わない。君を守る力が欲しい。代償なら何でも持ってってくれ。得た力で君を傷つける者を排除した。その度に僕は衰弱する。これも全て君のため。君が泣かずに済むなら #twnovel

2018-07-20 00:30:36
リュカ @ryuka511

彼女は私の妻、つまり王妃であり王国第二の権力者だ。私が求婚した時彼女には婚約者がいたらしい。婚約者は貴族の次男、さほど大きな力はない。彼女は愛と権力を天秤にかけ、王国第二の権力者として君臨した。こんな所まで来たくせにまだ振り返る横顔に浮かぶ過去への憂いが、私を苦しめる。 #twnovel

2018-07-21 00:47:08
リュカ @ryuka511

主の影武者として仕えて数年。領地に隣国の兵が攻め込んできた。乱世の世、覚悟は決まっている。主に変わり兵を率い戦場に立つのだ。戦支度を整え主の命令を待つ #twnovel 「行くのは私だ」主の言葉に仰天した。「私こそが影、真の主はお前だ。お前を守る為に生まれた。戦は私に任せ、民を守ってくれ」

2018-07-21 23:07:54
リュカ @ryuka511

天守閣から曇天の空を見つめる姫の背後に少年は控えていた。姫の視線の先は戦場。許嫁の若き武将が戦っている。美しい姫の横顔は憂いに満ちていた。「どうして人同士争うのでしょう」「君主として民を守る為です」この戦に敗れれば、姫の運命は。まだ戦場に立てない己の幼さを少年は口惜しむ #twnovel

2018-07-23 00:32:31
リュカ @ryuka511

そんな予感はしていたんだ。「他に好きな人ができた」だなんて、こんなありふれた恋の終わりじゃ歌にもならない。泣きながら謝る君は、悲恋物語のヒロインにでもなったつもりなんだろうか。ふられたこっちは哀しいはずなのに、何の感情も湧いてこない。一人になったら、哀しくなるんだろうか #twnovel

2018-07-24 00:11:47
リュカ @ryuka511

墓石の陰から城を守るのは、騎士の鎧を纏ったガイコツだった。闘技場で戦う奴隷から革命軍を率いて英雄となった。幾多の武勲を上げ女王直属の騎士となり、女王の盾となって戦った。叶わぬ想いを抱え戦場に散った彼を女王は手厚く弔った。過酷な運命を生きた彼は、死して尚女王を守り続ける #twnovel

2018-07-25 00:40:25
リュカ @ryuka511

「こいつを診てくれ」友人の烏天狗が抱えてきたのは人間の子だった。「人間は専門外だ」「いや、こいつは違う」子供の瞼をそっと開く。鮮烈な赤。「この子は何者だ?」「解らん。だが俺の勘が死なせるなと」彼の勘はよく当たる。とはいえ、世界の命運をかけ戦う事になるとは予想だにしなかった #twnovel

2018-07-25 23:48:17
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