2021年4月1日

掌小説語り~自作つぃのべる集~66

自作つぃのべるのまとめです。 2018年10月分。
0
リュカ @ryuka511

「依頼の薬出来てるよ。高い?この薬草採るの大変なんだよ?その蜜柑くれるの?じゃあその金額で。毎度あり!」蜜柑と薬代を受け取り、また赤字だと苦笑い。まぁいっか。月明かりの河原に寝そべって蜜柑を頬張る。都合良く使われてるって解ってる。でもそれで誰かが救われるなら、いいんじゃない? #twnovel

2018-10-02 00:37:42
リュカ @ryuka511

彼を見つけたその日から、私の人生は彼の為にあった。我が王が探し求める救世の勇者。過酷な運命を背負いながらまだそれを知らぬ子供。それとなく近づき信頼を得て、運命の日を待つ。#twnovel 「君1人が犠牲になる必要は無い!」魔王様、勇者は旅立ちをやめました。我らの悲願を邪魔する者はおりません

2018-10-03 00:48:34
リュカ @ryuka511

記憶を無くし、気がつけばここにいた。ここは私の故郷らしい。写真、日記、手紙。全て忘れてしまった空の頭に過去をインプットしても、元には戻らない。景色も人々も馴染みはなく、そんな私に人々も遠ざかっていった。記憶を無くしても戻ってきた故郷なのに。私はどこへ行けばいいのだろう #twnovel

2018-10-04 01:10:28
リュカ @ryuka511

君の口調や表情から、君の嘘が解ってしまった。不思議とショックはなかった。君の吐いた嘘に気づかないふりをすること、僕にできる唯一の抵抗だ。主導権が自分にあると思ってる君の、得意げな顔が滑稽でたまらない。いつ、僕の手の内を明かそうか。君の話に相槌を打ちながら、復讐計画を練る #twnovel

2018-10-05 00:59:35
リュカ @ryuka511

辛い現実から逃げて、非合法な薬が見せる幻覚に溺れた。荒んだ心と薬が見せる幻覚は優しさを孕んでいない。すがる必要の無い幻覚は目覚めに怯えなくていい。薬が切れた所で、現実だか幻覚だか分かりゃしないのだ。優しい夢の見方なんて忘れた。どうせ優しくないのなら、幻に溺れ続けていたい #twnovel

2018-10-06 00:45:27
リュカ @ryuka511

それは自分を守る嘘だった。貴方に優しくされる喜びを愛だと勘違いした。貴方が好きじゃなくて欲しいだけ、献身的な愛が欲しかっただけ。貴方の愛をただ享受し何も返さない。そんな傲慢さに気付き傷つく卑しさは、貴方を不幸にする。それでも尚、この温もりは失えないから、嘘を貫き通すのだ #twnovel

2018-10-06 23:37:27
リュカ @ryuka511

貴方の手はどうしてこんなに冷たいのと、君は楽しげに問う。私が人ではないと気付いたのだろう。自白を促すような言葉に戸惑う。私の正体が、私達の未来に何の因果があるのか。だがある日気付く。君は私の弱味を握り優位に立ったつもりなのだと。失望した。君の本質を見抜けなかった私自身に #twnovel

2018-10-08 00:29:39
リュカ @ryuka511

君が、僕の傍からいなくなろうとしている。それは君の本意ではないのだろう。だが、それはどうしようもない運命で、現実なのだ。ならば、失うくらいならいっそこの手で壊そう。君の温もりが僕の手の中にある内に。僕の手で、終わりにしよう #twnovel 延命措置を止めた。君も僕も、もう苦しまなくていい

2018-10-09 00:27:23
リュカ @ryuka511

まるで呪われたかのように、この街は瞬く間に滅びた。だが私はここであいつを待っている。人も他の生き物もいない、深い霧に包まれゴーストタウンと化した街だが、ここはあいつの故郷だ。きっと帰って来る。それまで私がここを守らなくては。元の活気溢れる街に戻すのだ。私の魔力が尽きても #twnovel

2018-10-10 00:26:46
リュカ @ryuka511

「そのナイフで王子を殺せば、貴女は海に戻って来られるわ」姉から渡されたナイフを、人魚は震えながら海へ捨てた。あんな恐ろしい事を、優しい姉が言うはずはない。王子と結ばれなければ海の泡と消える。それでいいと思った #twnovel 海底の悪魔は捨てられたナイフを手に、理解に苦しむと首を振った。

2018-10-11 00:16:41
リュカ @ryuka511

真夜中。雨音がしている。街灯が濡れたアスファルトを照らしていた。やがて街灯がチカチカと瞬き、消えた。暗闇。雨音もしなくなった。雨が止んだのではない。世界の営みが終わったのだ。 まもなく全てが終わる。 #滅亡24h

2018-10-11 00:36:37
リュカ @ryuka511

夜。太陽が顔を出さないままの1日だった。世界最期の日に相応しい。それでも子供達は外に出て遊んでいたが、さすがにこの時間にはその声も聞こえなくなった。世界が終わる事を、子供達は知っているのだろうか。終わりを招いた大人達を、恨むのだろうか。 #滅亡24h

2018-10-11 20:19:46
リュカ @ryuka511

深夜。世界最期の夜。「明けない夜は無い」なんて言葉はもう通用しない。 とはいえ、もう誰かを励ましたり慰めたりする事もなくなるのだから、構やしない。むしろ辛い事悲しい事も無くなる世界の終わりは、喜ばしいではないか。明けない夜を眠りの中で迎えるか、最期を見届けるのもいいだろう #滅亡24h

2018-10-12 00:00:08
リュカ @ryuka511

最期まであの人を想いながら、君は僕の手にかかった。僕を愛さないまま、僕の屋敷で死を迎えた君。一族が眠る墓に埋葬する。墓標に君の名を刻む。これでようやく僕のものにできた。もうどこにも行けない君の魂に、レクイエムを。夜な夜な僕の枕元で泣く君に、愛を囁く。 #twnovel

2018-10-13 00:21:46
リュカ @ryuka511

「その生意気な口は木工ボンドで塞ぎましょうか」そう言うと、旧型ロボットは慌てた仕草で口を押さえた。誰がこんな生意気なロボットを作ったのだろう #twnovel 主が昔のように軽口を叩く、主は元気になったと、旧型を装うロボットは安堵する。主の記憶を消したのは正解だった。たとえ私の事を忘れても

2018-10-14 00:05:50
リュカ @ryuka511

短距離は嫌いだが長距離は嫌いじゃなかった。短距離は「あいつ遅ぇ」と笑われて終わりだが、長距離なら応援してもらえる、ゴールできれば褒めてもらえる。記録は良くなくても、苦しい顔をさらしても、投げ出さなければ何かは残るだろう。遥か先を行くあなたにも、いつか追いつけると信じて。 #twnovel

2018-10-15 00:34:56
リュカ @ryuka511

戦から帰って来た君は何故だか随分変わっていました。英雄と持て囃され、王国での権力を強める君。君が戦うのは何の為ですか?守りたいものの為と言うのは嘘ですか?異を唱える者を私の許可無く追放した時、私の心は決まりました。君は戦で死んだ。民を守る為、王国転覆を企む不届き者を、討つ #twnovel

2018-10-16 01:34:38
リュカ @ryuka511

かつて我が身に穿たれし傷は、完全に塞がった今も私を苛む。討たれて散るつもりだった。だが君は気づいてしまった。君の中に流れる私の血に。親の仇が本当は誰だったのかを、君は知ってしまった。何も知らずにいた自分が許せなかったのだろう。止める間も無かった。生きるべきは君だったのに #twnovel

2018-10-16 23:58:01
リュカ @ryuka511

我に返ると、血に塗れた白刃を手に1人立っていた。何が起きたのか、血の臭いに顔をしかめながら見回す。夥しい数の死体の向こうに、君がいた。恐怖の表情で立ち尽くしている。そうだ、君を助ける為にここへ来た。立ち塞がる敵に刀を抜いた。君へ手を伸ばす。ゆらりと倒れる君。僕は、一体何を #twnovel

2018-10-17 23:58:33
リュカ @ryuka511

夢を追い家を出て行った娘は、今や多くの人から愛される存在だ。娘の夢を下らないと決めつけ、何一つ支えてやれなかった。きっと俺を恨んでいるだろう。たまには帰っておいでと言えずに一人、TVの前で酒を飲む。自慢の娘と言う資格は無い。だが、お前は立派だと伝える事は許されるだろうか #twnovel

2018-10-19 00:17:21
リュカ @ryuka511

真っ青な唇で震える君の身体を引き寄せる。こうなる事は分かっていたのに、それでも君を連れて来てしまった。許してくれと、気丈に振る舞う君に詫びる。どうしても、2人でこの景色を見たかった。雪深い地、私の故郷。君とここで生きる事を夢見た。叶わぬ夢を抱き、君の腕の中、吹雪と共に散る #twnovel

2018-10-20 00:04:10
リュカ @ryuka511

街を訪れた勇者とは故郷の幼馴染だった。魔王討伐の旅の途中らしい。この街に来てからも忘れた事はなかった。勇者は私を覚えていたようだ。笑顔になる勇者を見て姉が私を突く。「ほら、早く言わなくていいの?」そうだ、あの日言えなかった事を。「君を守るって約束しただろ。一緒に行こう!」 #twnovel

2018-10-21 00:24:03
リュカ @ryuka511

旅の空の下、月を見上げる。私の無事を祈ってくれるあの人も、今頃同じ月を見ているのだろう。魔王討伐という過酷な使命を果たした時、私の生命も果てるのだと思っていた。だが、あの人の祈りを無駄にする訳にはいかない。生きて帰ろう。あの人の隣で、月を見る為に。 #tw月の友13 #twnovel

2018-10-21 23:37:31
リュカ @ryuka511

君が、いなくなってしまった。あまりに突然で、現実感がまるで無い。でも確かに君はもういなくて、冷たい石に刻まれた名だけが君の存在証明。この冷たい石はなんなのだ。どうしてここに君の名が。君はまだ、ここにいるべきじゃない。早く、もどっておいでよ。それとも、私がそっちへいこうか #twnovel

2018-10-23 00:10:21
リュカ @ryuka511

明るく美しい姉様は私の誇りであると同時に嫉妬の対象でもあった。陰気で醜い私にも姉様は優しい。姉様が着られなくなった服を譲ってくれた。フリフリの可愛い服。私には無理だ。姉様に促されて着てみる。ほら、似合わない。「ほら、笑って?よく似合うわ」姉様の言葉は嬉しいのに私を傷つける #twnovel

2018-10-24 00:18:46
残りを読む(7)

コメント

コメントがまだありません。感想を最初に伝えてみませんか?