2021年4月1日

掌小説語り~自作つぃのべる集~67

自作つぃのべるのまとめです。 2018年11月分。
0
リュカ @ryuka511

物置にインスタントカメラを見つけて、「陽射しは苦手」と引きこもりがちな君を散歩に誘った。夕暮れ時の海、波打ち際を歩く君の名を呼んでシャッターを切る。撮ったばかりの写真を差し出すと、君は嬉しそうに笑ってくれた。デジタルカメラには捉えられない君の存在が、フィルムになら残せる #twnovel

2018-11-01 00:28:31
リュカ @ryuka511

結ばれなくとも想いは一つ。許さない恋情にその事実だけで耐えられた。だがある日、お嬢様の婚約が決まる。それはお嬢様の本意ではなかった。愁いを秘めた瞳で私を見つめるお嬢様。私はどうすればいい。お嬢様を連れて逃げる事ができれば。お嬢様の視線から逃れるように、執事の仕事をこなす #twnovel

2018-11-02 00:31:39
リュカ @ryuka511

真に恵まれた環境で育った君は、与える事を惜しまない。僕を沢山の友人と引き合わせた。家族のパーティに招待し、家族の一員のように振る舞った。惜しみない愛情を嬉しく思う反面、僕には何も無いのだと思い知らされる。善意には善意でしか応える術はなく。僕の心に渦巻く闇を、君は知らない #twnovel

2018-11-03 01:16:46
リュカ @ryuka511

天空都市には空白の時間があると考えている。聖剣が魔族に奪われてから取り戻されるまで十数年、歴史書には何も記されていない。私は確かに聖剣が奪われたのを見た。いつの間にか取り戻された聖剣。しかし誰に聞いても聖剣が奪われた事など無いと言う。不都合な歴史を抹消しているのは、誰だ? #twnovel

2018-11-04 01:05:47
リュカ @ryuka511

君の気配を感じる、と言ったら君は笑うだろうか。生まれ変わりだとか幽霊だとか一切信じていなかったのに、君を失った途端、そういうものがあってもいいと考えてしまう。淋しさを埋めるための幻想は必要だなどと言い聞かせて、君の写真に語りかける。君の私物はとってあるから、戻ってきてよ #twnovel

2018-11-05 00:17:05
リュカ @ryuka511

「もう逃げないで、わかるでしょう?」貴方の怯えた顔を両手で包むと壮絶な悲鳴があがる。私が怖いの?どうして?こんなにも貴方を愛しているのに。裏切られて殺されても貴方を許し愛し続けているのよ?そろそろ受け入れるべきじゃないかしら?その覚悟もなく私を殺したのなら、わかるでしょうね? #twnovel

2018-11-06 01:06:13
リュカ @ryuka511

山の神の怒りを鎮める為、僕らは生贄として捧げられた。現れたのは異形の獣。これは本当に山の神なのか?怯える君を庇い襲ってきた獣と無我夢中で戦う。気づくと獣は息絶えていた。これが本当に山の神だったなら僕らは。君が僕の手を握る。もしそうだとしても、落ちる先が二人同じであればいい #twnovel

2018-11-06 23:20:54
リュカ @ryuka511

私達の恋は許されないものだという。ならばそんな環境は捨ててしまえ。逃げ出した私達を、世界はどこまでも追いかけ引き裂こうとする。世界が許す正しい恋なんて、知らない。手を取り合い共に真っ暗な冷たい海へ落ちる。それは真に正しい選択だった。唯一の間違いは私一人が生きていること。 #twnovel

2018-11-08 01:05:53
リュカ @ryuka511

我が使命は王と王妃、王子を守る事。戦乱の世においてはそれが我ら騎士の存在意義。戦場で指揮を執る王と王子を、城を預かる王妃を守る為に我々は戦うのだ。その為ならたとえ火の中水の中。剣を構え立ちはだかる。我が魂が地獄に落ちようとも、誰一人向こう側には行かせない。 #twnovel

2018-11-09 00:12:39
リュカ @ryuka511

メイドとの恋なんて、貴方にとっては単なる遊びだと解っている。将来のある貴方の為、そして何も知らない貴方の憐れな婚約者の為に、身を引いてあげる。だからもう、本気だったとか君の事を愛したかった、なんて。戯言も大概にして。私はそんなに馬鹿じゃない。 #twnovel

2018-11-10 01:39:38
リュカ @ryuka511

どんな手を使ってでも君を手に入れたかった。 権力、金、心理操作、あらゆる手段を駆使して君を欲した。君に憎まれても構わない。君が私に逆らえない世界を作り上げるのだ。愛してくれなくて構わないから君が欲しいと思うのは異常なのだろう。私の愛の行き着くところは、闇。共に堕ちよう #twnovel

2018-11-11 01:02:53
リュカ @ryuka511

魔王城に程近い王国は真っ先に攻め落とされた。闇に閉ざされた王国で、過酷な労働を強いられながら、人々はいつ叶うとも知れぬ願いを抱く。強大な魔王をいつか誰かが倒してくれると。我こそはと立ち上がった者もいたが、誰一人生きて帰っては来なかった。誰か、誰か。願いは虚しく闇に消える #twnovel

2018-11-12 00:50:24
リュカ @ryuka511

深い深い森の奥に、魔法を駆使し花園を作り上げた。人間の手が触れていない大自然と人智の及ばぬ私の魔法で、この世のものとは思えない美しい花園となった。最高傑作だ。やはり、欲にまみれた人間の為に魔法を使うべきではない。私の力を後世に残しはしない #twnovel

2018-11-13 00:42:21
リュカ @ryuka511

君と2人で列車に揺られる。窓から射す月明かりが、外を見つめる君の横顔を静かに照らしていた。夜の闇を進む列車。辿り着く先は本当に明るいのか。信じて行くしかない。君との間に言葉はなく、だがかつてない濃厚な時間が流れている。身分も家柄も何もかも、愛には敵わないと証明してみせる #twnovel

2018-11-14 00:41:42
リュカ @ryuka511

旅の始まりはふたりだった。魔王軍の侵攻に遭った街で唯一生き残った僕らは魔王軍へ復讐を誓う。魔王を討つ事は叶わなくとも何もせずにはいられなかった。旅をする内に同じ境遇の者が集い、一大勢力となった義勇軍を率いて戦う事になると誰が予測しただろう。君の号令で、最後の戦いが始まる #twnvday

2018-11-15 00:46:48
リュカ @ryuka511

どれ程の年月が過ぎても死なない君が欲しかった。アンドロイドの身体に君の記憶をコピーしたり、君のクローンを作ったり様々な手段を試したが、どうしても君は死んでしまう。まるで僕から逃げているみたいだ。僕が死ねるのが先か、君が死ななくなるのが先か。追いかけっこは永遠に続く #twnovel

2018-11-16 00:45:08
リュカ @ryuka511

必ず帰って来るから、あの場所で待ってて。そう言い残し魔王討伐の旅に出た。戦いは熾烈で何度も死にかけた。その度に約束を思い出し満身創痍で立ち上がる。何年もかけ辿り着いた魔王城。魔王は圧倒的に強かった。もう指先すら動かない。約束したあの場所は今や遥か遠く、君の顔も脳裏で霞む #twnovel

2018-11-17 00:50:58
リュカ @ryuka511

スラム街の教会で、神父は祈る。ここにいる子供達には、せめて救いがありますようにと。親に捨てられた子、ここで生まれた子。人生の始まりを選べず、自ら運命を切り開く力も持たない、か弱き者達。どうか、この死が救いでありますように。そして、こんな事でしか子供達を救えない私に、罰を #twnovel

2018-11-18 00:36:08
リュカ @ryuka511

それは悪魔との賭けだった。期日までに私が悪魔を愛さなければ、私の願いは叶えられるのだ。自信はあった。だが悪魔は時に献身的に時に強引に私を誘惑し、永久凍土のような私の心を溶かしていく。賭けは悪魔の愛を願った私の負けだ。悪魔に魂を渡し薄れる意識の中で、愛を知れた事に満足する #twnovel

2018-11-19 00:36:50
リュカ @ryuka511

気がつくと恋人が心配そうに見下ろしていた。目を開けた私に安堵の息を洩らす。「突然倒れたから驚いたよ。あまり心配させるな」「ごめん」口移しで飲ませたのだろう、口内に広がる鉄の味に顔をしかめる。「いい加減に慣れないとまた倒れるぞ。私と同族になるとはそういう事だ」「解ってる」 #twnovel

2018-11-20 00:28:37
リュカ @ryuka511

魔法文明で栄えた都は、退廃しやがて滅んだ。魔法を得た人間の驕りが滅びを招いたと言われているが、真相は違う。遺跡の調査に行った学者達は口を揃えて「何があったかなど想像するのも恐ろしい」と震える。学者達の報告を聞きながら、魔法は人間なぞに扱えるものではないのだと密かに笑う #twnovel

2018-11-21 01:38:54
リュカ @ryuka511

成長し魔王を討つと予言された子供を匿っている。剣技と魔法を教え、清く正しく育ててきた。やがて、魔王を討つ勇者の噂を聞き魔王軍に村が襲われる。私の役目を果たす時だ。「嗚呼勇者様!どうかお逃げ下さい!」「馬鹿野郎!居場所をバラすな!」 #twnovel 任務完了。予言が覆された絶望を味わうがいい。

2018-11-21 23:41:08
リュカ @ryuka511

提灯と月明かりが照らす祭の夜の帰り道は、友の中に見知らぬ者が紛れている事がある。別れ際に互いの名を呼び合えば友を現世に留める事ができる。常世と現世の境が曖昧になる祭の夜は、現世の名を忘れた者が友のふりで近づく。現世に留まりたいのなら、その淋しげな目に惑わされてはならない #twnovel

2018-11-22 23:57:22
リュカ @ryuka511

僅かな硬貨を握りしめ、二人で一つのアイスを買った。約束も明日も何も無くて、二人でいる事実だけがあった。ある日、親の都合ってやつで君は突然いなくなってしまった。アイスを分け合って笑う君の顔を鮮やかに思い出せるのに、あの夏はもうずっと遠く、とおく、大人になる僕の胸を軋ませる #twnovel

2018-11-24 00:41:50
リュカ @ryuka511

恋人には双子の妹がいる。よく似ているが彼女と妹は別人だ。けど彼女が死んでしまって、なぜ双子なのに運命は違うのかと疑問を抱いた。僕の心の中で彼女は生き続けている言われハッとする。僕に恋しているらしい彼女の妹。一つの生命を分け合って生まれた君達。「君こそが魂の器に相応しい」 #twnovel

2018-11-25 00:13:42
残りを読む(5)

コメント

コメントがまだありません。感想を最初に伝えてみませんか?