2021年4月1日

掌小説語り~自作つぃのべる集~68

自作つぃのべるのまとめです。 2018年12月分。
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リュカ @ryuka511

世界最高峰の山に挑む。幻と噂される山頂の花畑を、カメラに収めるのが長年の夢だった。極寒の地である山頂に一体どんな花が咲くのか。さぞ幻想的で美しいに違いない。寒さと酸素の薄さに朦朧としながらも、漸く山頂へたどり着いた。あぁこの景色は、カメラには残せない。 #twnovel それは、天国の花畑

2018-12-01 00:35:40
リュカ @ryuka511

神々の憤怒に触れたという森は、一日中雨が降り続いている。鬱蒼と茂る樹々の間に、かつては人間が暮らしていた痕跡がある。煙突のある朽ちかけた小屋。畑だったらしい囲いは荒れ放題。苔に覆われた井戸は濁った水を湛えている。一体何が神々の怒りに触れたのか。降り止まぬ雨は何も語らない #twnovel

2018-12-02 00:51:25
リュカ @ryuka511

孤児院を出て、黒魔法使いとして貴族の護衛をする事になった。主は温厚で親切な人だ。何故黒魔法が必要なのだろう。ある日魔物に襲われそれを知る。主は古の勇者の末裔で、未だに魔王軍残党の襲撃に遭うのだと。私は勇者ではないと嘆く主。俺に居場所をくれた人を、理不尽な目には遭わせない #twnovel

2018-12-03 01:04:13
リュカ @ryuka511

原初の荒野には、神がいるだけだった。神は自らを神であると認識していたが、やがて他者からの認識を求めた。そうして神はその手を血に汚し、荒野に生命を創り世界を創造する。生命に神の存在を知らしめ世界に君臨する。神の血を糧に生まれた生命は、神を知覚し救いを得んと世界に血を広げる #twnovel

2018-12-04 00:50:18
リュカ @ryuka511

永遠の愛を神の御前で誓ったはずだった。誓いは破られた。神にしか引き離せない僕らを引き離した咎人に、罰を。君を探す。咎人に惑わされ誓いを破った君を、神に許してもらう為に。だが君は怯えた顔で私を見る。一体どこで過ちを犯したのだろう。引鉄を引く。永遠など刹那の偽名だと自嘲する #twnovel

2018-12-05 00:45:24
リュカ @ryuka511

標的の死を確認し、冷えた心臓に名を刻む。肉体が骨のみになり、抜け出た魂を黄泉へ送るまで気は抜けない。時には肉体に戻せと暴れる魂と格闘し、時には本気で死ぬつもりじゃなかったと泣き喚く魂を宥める。心臓に名を刻まれた者は近い内に死ぬと言われ、死神が恐れられたのは、遠い過去の話 #twnovel

2018-12-05 23:21:59
リュカ @ryuka511

地上から勝手に付けられた鎖で星々は繋がれ星座となった。そんな鎖は無意味だ。鎖があっても星は飛べる。それでも星々は燃え尽きるまで繋がれたままでいる事を選んだ。地上からは平坦に見えるのであろう夜空に、絵を描き物語を語った人々の孤独に、何億光年も離れた星々の孤独を重ね見たから #twnovel

2018-12-07 00:21:00
リュカ @ryuka511

名前とは存在の証明、所有の証、そして呪いである。君の未来を思えば、私がそこに在る事は許されない。さぁ、私の名前を忘れるといい、それだけで君は幸せになれる。首を振り泣く君を眠らせ指を鳴らす。3.2.1.どうか幸せに #twnovel 君の名前は私の胸を裂く。許されぬ恋慕の咎は、私だけが負えばいい。

2018-12-08 01:10:44
リュカ @ryuka511

この桜の樹の下には心臓が埋まっていると、あの人は語る。誰の? と問うても答えは返ってこない。だがその寂しげな瞳から、愛しい人のものではないかと推測する。桜の季節になると彼はその樹の下で微睡んだ。幸せそうなその寝顔に胸が痛む。僕が死んだら、心臓を桜の樹の下に埋めてくれますか? #twnovel

2018-12-08 23:57:05
リュカ @ryuka511

貴方は私の命の恩人であり、人生の師だ。スラムで寒さと餓えに震えていた私を拾ってくれた貴方。貴方が行く道は私の人生。貴方の言葉は私の全て。この世界は過ちを犯した、貴方がそう言うなら、それは真実。世界を断罪し、救いを。終焉以外にそれは無いと、貴方がそう言うなら、間違い無い #twnovel

2018-12-10 00:56:01
リュカ @ryuka511

解っていたつもりだった。あなたは人間より寿命が長い。あなたは変わらないのに私だけが変わっていく、それは恐ろしい真実だ。あなたを残し私は老いて死ぬだろう。その時私はあなたをあなただと解っていられるのか。時折、あなたの名を忘れてしまう。そんな私にあなたが苦しむのが恐ろしい #twnovel

2018-12-11 00:59:33
リュカ @ryuka511

守れない約束はしないでほしいとあれほど言ったのに、あの人は「必ず戻るから待っててくれ」と言い残して行った。いったいいつまで待てばいいのだろう。あの人はもうこの世にいないかもしれない。確かめる術も無く、約束を反故にもできず、ただ待ち続ける。約束を守ってくれると言い聞かせて #twnovel

2018-12-12 01:35:39
リュカ @ryuka511

海に漂う月の影は、様々な事を思い出させる。生まれた海を離れ、夢を抱き大陸で暮らした日々。失意を抱え戻ってきた海。今宵は静かに月の影を映し揺れている。指の間から流れ落ちる海水にも、僅かに月の影が揺らぐ。かつては同じ月を見ていた。今は己の掌に浮かぶ月の影に、想いを馳せるのみ #twnovel

2018-12-13 01:00:10
リュカ @ryuka511

ガラスの棺で白い花に囲まれ眠る、君の死に顔に恋をしました。思わず棺に手をかけ、君に口づけをしてしまいました。すると君はまるで魔法にかかったように息を吹き返してしまったのです。私を命の恩人だと慕う君を邪険にもできず、あれよあれよと纏まる婚約話。そんなつもりはなかったのに #twnovel

2018-12-14 00:07:25
リュカ @ryuka511

幸せかと聞かれ、もちろんと答えると君は嬉しそうに笑う。儀式のように繰り返される問答は僕の心を引き裂く。兄の死を受け入れられない君は、僕を兄だと思い込み愛を告げ、幸せかと聞く。君の心を持って逝ってしまった兄を憎みきれず、何より君に生きていてほしくて、虚構の幸せを守り続ける #twnvday

2018-12-15 00:36:04
リュカ @ryuka511

君に別れを告げた。それは、拍子抜けするくらい簡単なもので、君は寂しげに笑っただけで頷いた。それは愛じゃない、依存だという僕の言葉を、君は納得してくれた。と、思っていた。「わかってた。ごめんね」そう言った君が、ナイフを用意していた事に気づけなかった僕が愚かだったんだろうか #twnovel

2018-12-16 00:43:55
リュカ @ryuka511

君を死に追いやった奴を殺してやった。その現場を見た奴に強請られたからそいつも殺した。そいつの親が仇討ちに来たから返り討ちにしてやった。1人殺したらもう同じだ。復讐は何も生まないなんて綺麗事。神に赦しなど乞うものか。己の正義を貫いた結果を受け入れる覚悟で復讐に臨んだのだから #twnovel

2018-12-17 01:15:35
リュカ @ryuka511

人間共から君を守るべく戦った。力無き人間共は知恵を絞る。君は一族の中では力が弱い。奴らはそれに気づいたらしい。君を集中して攻撃し始めた。卑劣な連中め。力で劣る人間共は数で押してくる。君の悲鳴が響く。手を伸ばす。君を守ると誓ったのに。この手に残ったのは灰になった君だけ #twnovel

2018-12-18 02:06:13
リュカ @ryuka511

やっぱり勇者には敵わないのか。勇者の親友として共に魔王討伐の旅に出た。仲間の魔法使いに俺達は恋をしていて、非力な魔法使いを守って俺が魔王を倒してやると意気込んでいたのに。敵の刃に志半ばで倒れる。何か叫びながら敵を倒す勇者。『格好悪いなぁ』俺があいつと君を守りたかったのに #twnovel

2018-12-19 00:51:32
リュカ @ryuka511

確かにこの手で殺したのに、なぜ君は生きているんだ。幽霊か? だが君は俺の手を握り笑っている。その手は生きた温もりを感じた。ただし君の目は、俺を地獄へ誘おうとする悪魔の目。君を裏切った俺を地獄へ落とそうというのか。やめてくれ。俺が悪かった #twnovel 詰めが甘いのは相変わらずね。さよなら

2018-12-20 00:46:52
リュカ @ryuka511

血気盛んな戦士達の中で、君は戦いを疎んでいた。手柄を立ててれば王に取り立ててもらえるかもしれないのに。ある日の出陣前、さよならと君は言った。まるで永遠の別れみたいに。そんな言い方はよせと言ったが、君は己の運命をとっくに知っていたらしい。 #twnovel 部隊は全滅した。君を除いて

2018-12-21 01:10:01
リュカ @ryuka511

剣を手に戦いに明け暮れた。王に害を与える敵を斬り捨てる。誰もが私を無慈悲な剣聖と恐れた。今にして思えば、私の目は盲信的な忠誠と戦闘の高揚感に曇っていたのだろう。敵なんてどこにもいなかったのだ。いたのはごく当たり前な感情を抱いた人間。私が守るべきは王ではなく王国だったのに #twnovel

2018-12-22 01:48:05
リュカ @ryuka511

サンタなんていないと人々が言う度に、サンタクロースの力は衰えていく。ずっとプレゼントと共に喜びや幸せを届けてきたというのに、何という仕打ちだろう。このままではサンタクロースは滅びてしまう。サンタは絶望と悲しみを込め力の限り叫んだ。「人間なんていない!」 #滅びしこの夜 #twnovel

2018-12-22 23:41:52
リュカ @ryuka511

きっと彼らも私が全てを無くせば去って行くのだろう。友情も愛も、私の才能や財力を条件に成立している。皆私を利用するだけ利用し、利用価値がないとみなすと去って行く。ならば私はもう何も望まないことを決めた。友情も愛も所詮その程度。私には必要無い。君の淋しげな目になど騙されない #twnovel

2018-12-24 00:17:53
リュカ @ryuka511

「君は生きて」最期に貴方はそう言った。貴方を失う恐怖に泣く私の腕の中で、私を永遠に愛すると言った。だから死ぬなと。愛に満ちた貴方の一言は呪いの言葉になった。貴方のいない世界で生きる絶望が永遠のものとなった。貴方はいないのに、貴方の愛がそこにあるといつまで信じられるだろう #twnovel

2018-12-25 00:24:44
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