ストレイトロード:ルート140(55周目)

オリジナル短編「ストレイトロード」をベースに、毎日1作ずつ投稿している掌編という名の習作。 今回は2701~2750+おまけ。終盤のリクエスト回数以外の共通テーマは「わるいやつら」。なお各話の内容につながりはありません。 今後も引き続き1日1組つぶやいていきます。 続きを読む
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Rista(化屋月華堂) @Rista_Bakeya

基本的に藍ちゃんの両親は一人娘に甘いので、頻繁な遠出を心配しても反対はしないし、車が要ると言われたら費用出すし運転手を雇うこともあっさり許す。 突然モルカー欲しいとか言われてもきっと探し出して買い与えると思う。 pic.twitter.com/KUPAcSvCNy

2021-03-13 09:52:43
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Rista(化屋月華堂) @Rista_Bakeya

#月燈祭 #一次創作発掘祭_ファンタジー 怖い怪物がうろつく世界で、風を操る魔女が荒野を進む。 ただし、飛ばない。乗るのは車(運転手つき)。 近未来ロードムービー風冒険日誌『ストレイトロード』 短編と140文字SSシリーズがあります。 bakeya-gekkado.booth.pm/items/764301

2021-02-26 21:36:02

今回の本題

Rista(化屋月華堂) @Rista_Bakeya

水不足の村に雨を。依頼人を連れて現地へ向かったが、到着直前に藍が停車を命じた。「たまにいるのよね、平気で嘘つく人」外へ出た依頼人を突風が吹き飛ばした。丘から見下ろした集落は潤っている。「で、誰の指示?」風の魔女。その出自や知名度ばかりか恐ろしい能力さえ時には悪人に狙われるという。

2021-02-11 22:00:03
Rista(化屋月華堂) @Rista_Bakeya

140文字で描く練習、2701。悪人。

2021-02-11 22:00:03
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角を曲がるなり藍の表情が一変した。真新しい深紅のポスターが壁一面に並んでいる。顔写真はないが、近くにある施設の名が現実を示していた。「わたしを引き留めようとするはずだわ」魔女を足止めして利益がある人物など限られる。街全体があの慈善家の言いなりになっている現状は気に入らないだろう。

2021-02-12 19:35:43
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140文字で描く練習、2702。言いなり。

2021-02-12 19:35:43
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私を雇って以来、藍が輸送の仕事をやたら欲しがると研究員がこぼした。貴重なサンプルを研究所へ輸送した経験が少女に妙な自信を与えたか。危険な条件でも二つ返事で請け負うので止めるのが大変だという。「悪い奴に利用されてるようにしか見えなくて」本当に問題があるなら道を正すのは大人の役目だ。

2021-02-13 18:52:01
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140文字で描く練習、2703。請け負う。

2021-02-13 18:52:01
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「選りすぐりの精鋭を集めた研究チームだ。君の協力があれば我々は」握手を求めた男の太い指を、藍の手は迷わず払いのけた。毛一本程にも触れていない。「わたしはあなたを選ばない」すぐ店を後にした藍に私はついて行くしかない。破れた上着に半端な髭に口臭。機嫌を損ねた理由を聞く必要もなかった。

2021-02-14 19:50:04
Rista(化屋月華堂) @Rista_Bakeya

140文字で描く練習、2704。選りすぐり。

2021-02-14 19:50:05
Rista(化屋月華堂) @Rista_Bakeya

足音が通り過ぎるまで呼吸音も出せなかった。危機を脱した後、藍が風上を仰いだ。「本物の爆発だったみたいだけど」大量の黒煙が夜空の半分を覆っている。私達が迷い込んだのは厄介な集団が棲む建物だったようだ。「こんな騒ぎなのに警察が動いてない」一帯を治める勢力を敵に回した可能性が出てきた。

2021-02-15 19:46:56
Rista(化屋月華堂) @Rista_Bakeya

140文字で描く練習、2705。治める。

2021-02-15 19:46:56
Rista(化屋月華堂) @Rista_Bakeya

高台や高層階の人々が家を失い、多くは怪物の支配が届きにくい低地へ移り住んだ。人が集まれば軋轢が生じる。ある都市の地下街で藍がその爪跡を見つけた。「何これ、悪趣味ポスターのコンテスト?」数年前、街の代表を決める選挙で候補が乱立したらしい。壁は過激な主張と落書きの合戦場と化していた。

2021-02-16 18:41:58
Rista(化屋月華堂) @Rista_Bakeya

140文字で描く練習、2706。過激。

2021-02-16 18:41:58
Rista(化屋月華堂) @Rista_Bakeya

室内に暴風が吹き荒れた形跡はないが、藍を連れ去った男達は皆床に倒れていた。密室で何が起きたのか。一人を調べようとしたら止められた。「ほっときなさい。気絶してるだけ」藍はスポーツの試合でもした後のような態度で答え、棚やデスクの物色を始めた。「あなたなら監視用のカメラをどこに置く?」

2021-02-17 19:06:31
Rista(化屋月華堂) @Rista_Bakeya

140文字で描く練習、2707。気絶。

2021-02-17 19:06:31
Rista(化屋月華堂) @Rista_Bakeya

高い城壁の外に集まった人々は予想以上に多かった。街へ雪崩れ込む足音と雄叫びが地響きのように見張り台を揺らす。「門を開けたのはお前だな!」兵士が藍に槍を向けた。外敵の要求に屈したのは城門に関わる者、あるいは権力者か。だが魔女の仕業となれば彼らは守られ、私達を追い出す口実も生まれる。

2021-02-18 18:45:25
Rista(化屋月華堂) @Rista_Bakeya

140文字で描く練習、2708。屈する。

2021-02-18 18:45:25
Rista(化屋月華堂) @Rista_Bakeya

炎上する廃ビルから隣の建物へ。古い板一枚の橋を藍は軽々と渡った。「壊し屋さんはわたしを蹴落として」私の一歩は板を踏み抜いた。直後、追い風に背中を殴られ、なんとか落下を免れた。「強くて目立つ有名人にでもなりたいんじゃない?」一見動じていない。先輩の余裕を演じることで乗り切る構えか。

2021-02-19 18:45:01
Rista(化屋月華堂) @Rista_Bakeya

140文字で描く練習、2709。蹴落とす。

2021-02-19 18:45:01
Rista(化屋月華堂) @Rista_Bakeya

唸り声が壁越しに聞こえてくる。無遠慮に人里へ現れた怪物と、それを挑発した無防備な人間が、睨み合いを続けていると藍は言う。「根性あるのはわかったけど、何したいのかしら」膠着した状況をうまく想像できない。人はともかく怪物は何を恐れるか。「逃げて!」地面に走った亀裂が考察を中断させた。

2021-02-20 19:36:31
Rista(化屋月華堂) @Rista_Bakeya

140文字で描く練習、2710。膠着(こうちゃく)。

2021-02-20 19:36:31
Rista(化屋月華堂) @Rista_Bakeya

車のキーを奪おうとした男は「頼まれただけ」と繰り返した。対価を聞いても藍は突き放した。「それでお金もらえるなんて裏があるに決まってるでしょ」助けを必要としない立場から見下ろせば詐欺を疑う余裕が生まれる。だが一度困窮した者がそこまで登るには、生意気な魔女に拾われる位の幸運が必要だ。

2021-02-21 18:53:32
Rista(化屋月華堂) @Rista_Bakeya

140文字で描く練習、2711。詐欺。

2021-02-21 18:53:32
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