茂木健一郎氏 @kenichiromogi 「にんげん」についての連続ツイート

2011年8月2日 茂木健一郎氏による連続ツイート 「にんげん」について
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茂木健一郎 @kenichiromogi

「連続ツイート」をお届けします。文章は、その場で組み立てながら即興的に書いています! 今朝は、「にんげん」について。というよりは、「にんげん」に託した、ある紀行文であります。ああ、ゆったりと歩いて、旅してみたい。

2011-08-02 05:55:55
茂木健一郎 @kenichiromogi

にんげん(1)武者小路実篤の「新しき村」が、まだ存在していると知ったのは、学生の頃だった。埼玉にあるという。ある日、私は東武線に乗ってでかけてみた。小さな駅で降りて、てくてく歩いていく、やがて、細い道をめぐって、田んぼに出た。

2011-08-02 05:58:47
茂木健一郎 @kenichiromogi

にんげん(2)たんぼの向こうに、「ひょっこりひょうたん島」のような緑の塊がある。そこが、新しき村だった。あぜ道を近づいていくと、次第に、桃源郷に至っているような感覚になってきた。村の道に入るとすぐに、養鶏場があって、たくさんのニワトリたちがこっここっこと言っていた。

2011-08-02 05:59:47
茂木健一郎 @kenichiromogi

にんげん(3)進んでいくと、やがて、「新しき村」の中心に来た。広場のようなものがあって、その横に「食堂」と書いてあった。「食堂」には、野菜や卵が置いてあって、代金を置いてもちかえってよいようになっていた。野菜や卵の横には、板きれに書かれたメッセージがあった。

2011-08-02 06:00:59
茂木健一郎 @kenichiromogi

にんげん(4)「新しき村」の食堂に置かれた板きれには、「にんげん」がたくさんあった。「下の畑に行っています。 にんげん」「代金は箱の中に入れておいてください にんげん」呼びかけられている私も、またにんげんなのだろう。武者小路実篤の理想郷には、にんげんがたくさんいた。

2011-08-02 06:07:05
茂木健一郎 @kenichiromogi

にんげん(5)「新しき村」は、晴耕雨読を目指している。「村人」たちは、畑仕事のかたわら、芸術活動をする。村の中には、武者小路実篤の画賛や、「村人」たちの作品が置かれた美術館があって、中に入ってながめてみると「にんげん」として、心豊かな気持ちになるのだった。

2011-08-02 06:08:50
茂木健一郎 @kenichiromogi

にんげん(6)私は、「新しき村」がすっかり気に入ってしまって、何度も通った。そのうちに、周辺の地理にも詳しくなった。村を散策した後、歩いて、毛呂山に出る。そこから八高線で小川町に移動するという「必殺ルート」を開拓した。小川町には、大いなる喜びが待っていたのだ。

2011-08-02 06:10:24
茂木健一郎 @kenichiromogi

にんげん(7)小川町のよろこびと言えば、「忠七めし」で有名な「二葉」。山岡鉄舟が、当時の主人の忠七に、「調理に禅味を盛れ」と言ったのがきっかけで生まれたという、「日本三大名飯」の一つ。この忠七めしが、すさまじい旨さなんだよ、これが、さあお立ち会い。

2011-08-02 06:12:36
茂木健一郎 @kenichiromogi

にんげん(8)「二葉」の料理は、本当に技術水準が高くて、おいしい。最後に出る「忠七めし」は、あれこれ腹一杯食べたあとでも何杯もおかわりしてしまうという、信じられない旨さ。女性でもおかわりしてしまう。ある種のお茶漬けなんだけど、ただのお茶漬けじゃないんだなあ。

2011-08-02 06:14:04
茂木健一郎 @kenichiromogi

にんげん(9)にんげんとして、ゆったりと田園を歩いて「新しき村」に出て、「にんげん」の看板を見て、そこから毛呂山まで歩いて、八高線で小川町に出て、「忠七めし」を食べて帰ってくる。この必殺わざの楽しみを、最近やっていない。いろいろ大変な日々の中で、なつかしく思い出す。

2011-08-02 06:15:27
茂木健一郎 @kenichiromogi

以上、「にんげん」について、ではなかった、「新しき村」から「忠七めし」に至る、私のおすすめの小旅行についての連続ツイートでした。

2011-08-02 06:16:05

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