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熊の童話

東日本大震災を前後してツイッターに投稿していた「熊の童話」を纏めました。宮沢賢治の「なめとこ山の熊」のイメージを、僕なりにポップに再構成した童話です。 震災後、求職活動に専念する為、一時的に創作を中断していましたが、今回の纏めをきっかけに、新たな熊の童話を紡いでいきたいと思っています。
震災 支援 童話 東日本大震災 癒し
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M*A*S*H「ジェントルマンはレッドギターを歌う。温泉に入っているのではない。」 @kumakakiya
熊は目覚めた。洞の中から身震いして、毛にこびり付いた汚れを払った。…隣の洞で眠っていたあいつが…出てこない。まさか、腹を空かせて途中で起きて、人間の所へ行ったのか?…熊は泣いた。大きな声で哭いた。天国にいる神様は、熊の泣き声が…聞こえなかった…。 #twpoem
M*A*S*H「ジェントルマンはレッドギターを歌う。温泉に入っているのではない。」 @kumakakiya
熊は涙を拭いて思い出す。「人生、楽ありゃ苦もあるさ。涙のあとには虹も出る」…それは人間の歌だが、だったら「熊の人生」とは?…お腹が空いてきた。熊は考えるのを止めて、食べ物を探しにゆく。…人間が俺達の住みかを狭くしてるが、生きていかなきゃな!…熊はそう思った。 #twpoem
M*A*S*H「ジェントルマンはレッドギターを歌う。温泉に入っているのではない。」 @kumakakiya
熊は川を訪れた。中を覗き込むと、いきなり…うねうねしたものが現れた。熊は問う。「君は誰だい?」うねうねは答える。「僕はタコだよ。僕の身体に寄りかかってごらん」熊はタコの言う通りにした。ぽよん。タコの身体はソファみたいに柔らかかった。…熊はまた眠くなってきた。 #twpoem
M*A*S*H「ジェントルマンはレッドギターを歌う。温泉に入っているのではない。」 @kumakakiya
…熊は昼寝をしている。さっき冬眠から目覚めたばっかなのに、春のぽかぽか陽気の誘惑に負けてしまったのだ。春眠、暁を覚えず。…いや、春眠というよりムーミンだね。眠そうなムーミンが呼びかけてるよ、ねえむうみん(ρω*)…夢の中で、熊は幸せの吐息を漏らした。ぐらうふ。 #twpoem
M*A*S*H「ジェントルマンはレッドギターを歌う。温泉に入っているのではない。」 @kumakakiya
…熊はまだ昼寝していた。熊は暖かい想いを言葉にしようとした。「あたたたかいなあ」…ちょっと噛んだかな?もう一度。「あたたた、あたたたたた…ほわたぁ!」上手に喋れず、熊は吠えた。「…良い腕をしてるな。奥義を伝授しよう」…胸に七つの傷のある男が話しかけた(…続く?) #twpoem
M*A*S*H「ジェントルマンはレッドギターを歌う。温泉に入っているのではない。」 @kumakakiya
世紀末救世主伝説。熊は暗殺拳を伝授した。旅を続ける熊の目前に、瀕死の兎が倒れている。「額にスペードが記された者にやられたんです…」熊は兎の秘孔を突く「お前はもう…生きている!」回復秘孔を突かれた兎は元気になった。「熊さん、ありがとう!」熊はいいことをした。 #twpoem
M*A*S*H「ジェントルマンはレッドギターを歌う。温泉に入っているのではない。」 @kumakakiya
春一番が吹いた。熊は全身全霊で春の訪れを受け留めた。風になびく巨体、冬毛がふわりと抜け落ちる。宙に舞う冬毛はまるでタンポポの綿毛のようだ。やがて花粉も、それを追う蝶や蜂も宙に舞うのだろう。熊は、春が長く続くことを願った。ふわふわと冬毛は舞い続ける。 #twpoem
M*A*S*H「ジェントルマンはレッドギターを歌う。温泉に入っているのではない。」 @kumakakiya
上空が光った。熊の頭上にはUFOが浮かんでいた。銀色のヌメヌメした肌で、アーモンド状の大きな目の宇宙人が現れた。宇宙人は謎の言葉を放つ「あ~だ~も~す~て~」熊は答える。「スピルバーグやエメリッヒの映画は、本当のことだったんだね☆」現実とフィクションが交錯した。 #twpoem
M*A*S*H「ジェントルマンはレッドギターを歌う。温泉に入っているのではない。」 @kumakakiya
熊はロックンロールに夢中。頭の毛を伸ばしてリーゼントを作ろうとした。…コッペパンみたいな毛の固まりが出来たけど、その上にカッコウが舞い降りた。「あら、いい巣だわ♪」「カッコウさん、そこに止まったら、僕、踊れないよぉ」ロックンロール熊は仕方なく、じっとしていた。 #twpoem
M*A*S*H「ジェントルマンはレッドギターを歌う。温泉に入っているのではない。」 @kumakakiya
熊刑事が行く。カンニングをした仔犬がマスコミに叱られている。「まあ、いいじゃないか。次からは絶対にするなよ」熊刑事は仔犬を家に帰した。南の島でぶつかった船の事実を隠す政治家がいた。熊刑事は剛腕を奮う!官房長官の首がふっ飛んだ!熊刑事は曲がったことが大嫌いだった。 #twpoem
M*A*S*H「ジェントルマンはレッドギターを歌う。温泉に入っているのではない。」 @kumakakiya
ロックンロール熊はリーゼントにカッコウを乗せ、日々を過ごす。熊が蜂蜜を探してる時に、カッコウは周りに飛ぶ虫をついばみ、雛に与えた。月日が経ち、カッコウ親子が巣立つ。「くまさん、今までありがとう。一年経ったら頭の上に戻るからね☆」「えぇーっ?」熊は困った笑顔に。 #twpoem
M*A*S*H「ジェントルマンはレッドギターを歌う。温泉に入っているのではない。」 @kumakakiya
春なのに雪が降ってきた。熊はいそいそと、冬の間に眠っていた洞に戻る。首だけをちょこんと出して、いつ止むのかなあ、と思いながら空を見上げる。兎も雨宿りで、洞の中に入る。巣立ったばかりのカッコウ親子も。みんなで空を見上げる。お天道さまは…ちょっぴりいじわる、だった。 #twpoem
M*A*S*H「ジェントルマンはレッドギターを歌う。温泉に入っているのではない。」 @kumakakiya
雪が止んだ。朝日が昇る。希望の朝だ。熊は洞から飛び出して、今の気持ちを歌にした。「新しい“熊”が来た~希望の“熊”が~」「くまさん、歌がちがうよ」兎は注意するが、大丈夫。…森の奥からピンクのリボンを付けた雌熊が現れたのだ。…ドキッ。熊の恋が始まる。 #twpoem
M*A*S*H「ジェントルマンはレッドギターを歌う。温泉に入っているのではない。」 @kumakakiya
熊は洞の中をオレンジ色に染めた。美味しいお茶を淹れてパーティーをするんだ。そうしたら、あの雌熊も来てくれるだろう。「わあ♪くまさん、ナイス・アイディア☆」兎はマイカップで一番乗り!そしてカッコウ、キツネ、シカが次々とパーティーに。…忙しくて雌熊を探す暇もない。 #twpoem
M*A*S*H「ジェントルマンはレッドギターを歌う。温泉に入っているのではない。」 @kumakakiya
熊は山の頂上に登った。遠くを見回す。麓には道路が走り、人間の住居が建ち並ぶ。熊は…じいさん熊の言葉を思い出す。人間はお互いに殺し合い、自らの仲間を減らしてきた。そんな人間が熊のテリトリーに侵入している。「…お前等、今にバチが当たるぞ」熊はそっと呟いた。 #twpoem
M*A*S*H「ジェントルマンはレッドギターを歌う。温泉に入っているのではない。」 @kumakakiya
…麓では災害に苦しむ人間がいた。熊は山を降りた。突然の熊の出現で人間は驚いたが、有無を言わさずに傷ついた人を背負い、熊は山へ戻る。多くの人間が熊の後に続く。山の中は人間の避難所となる。「困っている時はお互い様だ、同じ生き物だしな」熊の言葉に人間は泣いた。生きろ! #twpoem
M*A*S*H「ジェントルマンはレッドギターを歌う。温泉に入っているのではない。」 @kumakakiya
「くまさん、どこに行くの!」兎は叫んだが、熊は脇目を触れず…煙を吹き上げる原子力発電所に向かった。「…グスコーブドリよ、俺に力を与えてくれ!」熊は人間と共に、あらゆる手段を用いて、人智を超えた災害に立ち向かう。「…皆、待っていてくれ!何としてでも食い止める!」 #twpoem
M*A*S*H「ジェントルマンはレッドギターを歌う。温泉に入っているのではない。」 @kumakakiya
…熊は目を覚ました。どうやら気を失っていたようだ。目前には業火が荒れ狂う。脇腹が痛む。怪我をしたようだ。(声が聴こえる。皆の声が、魂が、震えている)…ここで倒れてはいけない!俺はまだ、出来る!俺にしか出来ないことを、やり遂げるんだ!熊は再び、業火に立ち向かう。 #twpoem
M*A*S*H「ジェントルマンはレッドギターを歌う。温泉に入っているのではない。」 @kumakakiya
…熊は再び眠っていた。眠りながら傷の回復を待っていた。業火には、遠い所からやってきた二人の巨人「仁王とどっこい」が、口から大量の水を吹きかけて鎮火している。それでも、根源のマグマは煮えたぎる。自然には逆らえない。それでも、生き物の仲間は身を守る為に力を合わせる。 #twpoem
M*A*S*H「ジェントルマンはレッドギターを歌う。温泉に入っているのではない。」 @kumakakiya
放射能って何だろう?熊は、慌てふためく人間の姿を見つめていた。機械の針が動いただけで怯える。細かい数値や記号が飛び交う。…まだ、毛が逆立つ程の恐怖は感じない。熊はいつもの様に水を飲み、ほうれん草を食べた。今、やるべきことは怯えることではない!熊は吠えた! #twpoem
M*A*S*H「ジェントルマンはレッドギターを歌う。温泉に入っているのではない。」 @kumakakiya
熊は想像してみる。もし、巨大化することが出来たら?…伝説の巨人、ダイダラボッチの様に、山をまたぎ、雲の上から頭を出して、この国を闊歩するだろう。口から水を吹いて業火を消して、物資が足りない所にはひとっ飛びで届けてやろう。…寝る所は?…熊はちょっと縮こまった。 #twpoem
M*A*S*H「ジェントルマンはレッドギターを歌う。温泉に入っているのではない。」 @kumakakiya
熊はまた炊飯器のスイッチを入れ忘れた。これで四度目だ。「もう、いやんなっちゃう!」熊はウィニー・ザ・プーの口癖を真似したが…ふと気が付いた。…何故、炊飯器を使っているのだろう…。気を取り直した熊は、生の鮭をバリバリかじろうと川へ向かってスキップした。 #twpoem
M*A*S*H「ジェントルマンはレッドギターを歌う。温泉に入っているのではない。」 @kumakakiya
熊は尻尾を欲しがった。出来ればエレキングの様に相手に巻き付き放電するタイプ。もしくは切られても大阪城を破壊するゴモラタイプ。…でも物は壊したくないな。熊はお尻に付いてる、ぼんぼりみたいな尻尾をつついた。ぼよよん。熊はちょっぴり幸せな気持ちになった。 #twpoem
M*A*S*H「ジェントルマンはレッドギターを歌う。温泉に入っているのではない。」 @kumakakiya
熊は笑ってみた。「ぐらうふ」ちょっとモデル気取りではにかんだ。「はるふ」…この笑い方は、ウィーンのペンション・グリルパルツァーで知り合ったガープ氏から教わった。そういえば、エレン・ジェームス党員は今でも活動してるのか?…熊は洞の中にある本棚に手をかけた。 #twpoem
M*A*S*H「ジェントルマンはレッドギターを歌う。温泉に入っているのではない。」 @kumakakiya
熊は希望を考える。人間に追われて傷付いた身体を洞に横たわせ、傷を癒しながら考える。ズキズキと傷が痛む。早く治したいなぁと思う。お腹が空いてきた。早く元気になって、川で鮭を取りたいな。そう思うだけで希望が湧いてきた。元気だった頃に戻りたい、それで充分と熊は思った。 #twpoem
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