『コンサルタントの秘密』読書会メモ 感情と体感覚への認識、アルコール依存症互助会と神、強力なコンサルタント

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コンサルタントの秘密―技術アドバイスの人間学

G.M.ワインバーグ,木村 泉,ジェラルド・M・ワインバーグ

めんたね @mentane

さきほどまでやっていた今日の #コンサルタントの秘密 読書会は大変に面白い内容であった。

2021-05-13 23:01:16
めんたね @mentane

話題1:自分の感情(時には体感覚)をうまく認識できない人に認識させることについて 企業コンサルタントである著者のワインバーグ先生が、クライアントになんとか自分の感情を認識させることを重視し、そのための働きかけを色々と工夫してやっているということ自体がまず面白い。

2021-05-13 23:03:06
めんたね @mentane

企業コンサルタントというのは、社内の技術的な問題を解決したらいいんじゃないの?という風に多くの人は思うかもしれないが、結局、中での問題の大半は人間の関わる人間の問題である。そして、その根幹にかかわる感情を正確に認識できないと、無自覚におかしなことをやってしまう。

2021-05-13 23:04:45
めんたね @mentane

自分の感情をきちんとありのままに認識して、それを反映させて行動を起こせないと、仕事だってうまく進められないということなのであった。

2021-05-13 23:05:34
めんたね @mentane

もう一つの #大人国語読書会 で読んでいる『つらいと言えない人がマインドフルネスとスキーマ療法をやってみた』のメインテーマに共通するテーマである。

2021-05-13 23:07:57
めんたね @mentane

男性は「恐怖」「劣等感」を、女性は「怒り」を表現すると社会的にマイナス評価をより受けやすい。その影響もあって、それらの感情はよりそれぞれの性別の人たちには自覚されにくい傾向がある。本当は別に男性が恐怖を感じても女性が怒りを感じてもかまわないんだけどね。

2021-05-13 23:11:48
めんたね @mentane

「感情を自覚できない」という問題は、「意識的努力で問題を克服できる」という世界観とも密接につながっている。感情というのは本来、無意識的に自然とわいてくるものであり、意識的努力でコントロールするものではない。コントロールは基本、できない。怖いものは怖いし、腹が立つものは腹が立つ。

2021-05-13 23:13:48
めんたね @mentane

だが、周囲から自分に向けられる社会的評価のみを基準に自分を評価する癖がある人にとっては、そういったネガティブな感情を実際に抱いている自分は受け入れがたいダメな存在である。なんとか意識的努力でネガティブ感情を追い払い、なかった事にしようとする。

2021-05-13 23:16:41
めんたね @mentane

その結果、無意識的なレベルではネガティブ感情がわいていて渦巻きながらも、意識レベルではその認識を抑圧し、そのような感情はなかったことになる。その結果、明らかに怒った態度で行動しながらも、「怒ってる?」と聞かれると「怒ってない!」と怒る人が誕生する。

2021-05-13 23:19:03
めんたね @mentane

「周囲が自分をどう評価するか?」ではなくて、「自分は自分をどう評価するか?」という価値基準をもつことができる、つまりある程度適切な自己理想をきちんと持てている人は、周囲からの高評価や賞賛がなくても自己満足できる。

2021-05-13 23:21:33
めんたね @mentane

だが、「私は人から褒められなければならない」「人から愛されなければならない」というのは自己理想ではない。受動態を能動態に直すと「人々は私を褒めなければならない」「人々は私を愛さなければならない」となる。これは他者理想である。他者理想しかないといい意味の自己満足ができないのだ。

2021-05-13 23:23:05
めんたね @mentane

自分の感情をそれがネガティブなものであれ、ポジティブなものであれ、ただそのまま、ありのままにその存在を認める、受け入れる。そのためには、ある程度うまく現実に適応した形の自己理想を持っている必要があるということだ。

2021-05-13 23:25:24
めんたね @mentane

先日、レンタル話し相手さんが「自分のことを誤解されて悪く思われるのが本当に嫌だ。どうしても誤解を正したい」と述べるのに対し、ぼくは「まあ、別に誤解されたとしても君に実害があるわけじゃないからいいじゃない。相手には相手の都合があるし、君を誤解する自由もあるんだよ」と答えた。

2021-05-13 23:28:51
めんたね @mentane

でも、こうやって思えるためには、勝手に自己満足ができるための自己理想が必要だってことなのである。自己理想がきちんとあって、その自己理想通りにふるまえていると感じられれば、相手の反応は相手の問題として捨て置けるようになる。

2021-05-13 23:30:06
めんたね @mentane

自分の感情をありのままに見つめて認識できることと、他者から自分に対する反応に一喜一憂して振り回されないでいられることは、確固たる自己理想をきちんと持てているというところでつながっている。

2021-05-13 23:32:19
めんたね @mentane

自己理想の種というのは、誰か自分の好きな人や尊敬する人の行動を見て「ああ、自分もこんな風な言動をする人間になりたいな」と思う感覚の中にあるのかもしれない。少なくともぼくはそんな風にして自分の中に自己理想が自然とできていった気がする。

2021-05-13 23:35:31

話題2:アルコール依存症患者の自助組織(AA)がなぜ匿名で神への信仰を前面に持ち出すのか?

めんたね @mentane

話が派生して、アメリカのアルコール依存症患者の自助組織(AA)がなぜ匿名で神への信仰を前面に持ち出すのか?というグレゴリー・ベイトソンの理論の話にも触れた。

2021-05-13 23:40:44
めんたね @mentane

アル中患者は酒と対決する。一杯飲んでもまだ酔わないでいられる。二杯飲んでもまだ酔わないでいられる。自分の理性の強さを証明するために杯を重ね、ついにあるタイミングで理性のタガが外れ泥酔し、しでかす。酒よりも自分の意識的努力、理性の方が強いと思うからこの勝負を始める。

2021-05-13 23:43:56
めんたね @mentane

自分の意識的努力(理性)よりも、酒を求める身体的欲求のほうが強いと認めれば、最初からこのような勝ち目のない不毛な戦いは挑まなくなる。最初から酒に触れない。アル中が回復するには一滴も飲まなくなるしかない、という話はこういう理屈から生まれる。

2021-05-13 23:50:28
めんたね @mentane

理性で酒に打ち勝って見せる(自分の理性が上位、ワンアップポジションにある)から、酒への欲求に従わずにはいられない(自分の理性が下位、ワンダウンポジションにある)という認識の変化が起きないと、酒からの完全撤退を行えない。

2021-05-13 23:52:20
めんたね @mentane

常に自分の意識的努力、理性が世界の中で何よりも一番強く、ワンアップポジションにあるという認識を持っている限り、アル中からは抜け出せない。これと同じことが感情を認識することについても言える。

2021-05-13 23:54:06
めんたね @mentane

自分の理性こそが最強であるというワンアップポジションにある人は、自分の抑えがたい、認めがたいネガティブ感情の存在を許せない。強い理性でその気持ちを消滅させ、理性に感情を従わせることができると心のどこかで考える。

2021-05-13 23:55:58