「統計学的に言って野球の送りバントは無意味」という説は間違いなく暴論である

そもそも統計データの使い方が間違っている。
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よっしー @yosshi758

近年、「野球の送りバントは戦略的に無意味なのですべきではない」という言説が流布している。 そのほとんどがセイバーメトリクス(統計学を用いる分析方法)の観点から送りバントの無意味さを論じたものである。

2021-05-15 22:38:21
よっしー @yosshi758

だが実際にやってみれば分かるが、統計的データを用いて個々の場面における送りバントの期待値や得点確率を予測することは、ほとんど不可能なのである。

2021-05-15 22:38:28
よっしー @yosshi758

なぜなら、「期待値」は確率論において「平均」と呼ばれるが、「平均(期待値)」という統計的数値は、必ずしも調査対象の実態を正確に表しているとは限らない。

2021-05-15 22:38:33
よっしー @yosshi758

例えば、日本国内に住む男女1060人を対象に行った貯金額の調査では、平均貯金額は317万円だった。 moneyzine.jp/article/detail…

2021-05-15 22:38:41
よっしー @yosshi758

しかし貯蓄額が317万円前後の人数が最も多いというわけではなく、100万円以下の人の割合が53.7%と半数以上だったのだ。 yz-cdn.shoeisha.jp/static/images/…

2021-05-15 22:38:46
よっしー @yosshi758

それなのに「317万円」という平均貯金額だけを見て、「新型コロナの影響で仕事が減ったので、貯金のうち150万円を取り崩して生活してください」と政府が国民に要請しても、半数以上の人は100万円以下の貯金額しかないので無意味である。

2021-05-15 22:38:52
よっしー @yosshi758

より直感的に分かりやすい例で説明しよう。「日本人の誕生日」も「平均値」を算出することはできる。そしてそれは6月か7月のいずれかの日になるであろう。

2021-05-15 22:38:58
よっしー @yosshi758

しかし実際には誕生日が6月でも7月でもない人が大半であるので、「平均値を算出する」という方法では他人の誕生日を正確に予想することは不可能である。

2021-05-15 22:39:04
よっしー @yosshi758

たとえ何年にもわたって統計を取り、バッターの得点期待値や得点確率を算出したところで、そこから分かるのは「また同じ年数と同じ方法で統計を取れば恐らくまたそれに多少近い結果が得られるだろう」という程度のことでしかなく、個々の選手の得点期待値や得点確率まで正確に予測できるわけではない。

2021-05-15 22:39:11
よっしー @yosshi758

例えば「無死一塁からヒッティングした時の得点確率は40%」という数字が統計データから得られたとして、それを全打者の全打席に当てはめようとしても、40%付近に落ち着く選手の数よりも、40%から大きく外れる選手の数の方が圧倒的に多くなる。

2021-05-15 22:39:17
よっしー @yosshi758

ある選手は1~3割程度しか得点につなげられず、他の選手であれば5~7割で得点につながった、というような結果が出るだけなのだ。

2021-05-15 22:39:24
よっしー @yosshi758

要するに、40%を中央値として下方向にも上方向にも同程度に外れるので、それらを全てひっくるめると「統計的には」40%前後の数字に落ち着く、ということでしかない。

2021-05-15 22:39:31

送りバントにも潜む「統計の罠」

よっしー @yosshi758

ヒッティングだけでなく、送りバントに対する統計的調査にも同じことが言える。バントが上手い選手とバントが下手な選手の「バントをした時の得点確率」は同じではない。

2021-05-15 22:39:41
よっしー @yosshi758

そのうえ、そもそも「バントが多用される場面」と「それ以外の場面」では前提として状況が全く異なるので、「バントした時」と「ヒッティングした時」の結果を単純に比較することはできない。

2021-05-15 22:39:47
よっしー @yosshi758

もともと送りバントは「大量得点の可能性を減らす(=得点期待値を下げる)代わりに、得点できる確率を上げたい時」に採用される戦法である。

2021-05-15 22:39:53
よっしー @yosshi758

つまり、「バントをせずに普通にヒッティングをした方が得点できる確率は高い」と思われる状況では採用されない。 具体的には、そのバッターが強打者である場合が代表的だ。

2021-05-15 22:39:59
よっしー @yosshi758

一方、送りバントが採用されるのは「ヒッティングで得点できる確率が低い」と思われる状況下である。 打線が下位であったり、相手投手の調子が良くなかなかヒットを打てそうにない時など、「少ないチャンスをどうにか得点につなげたい場合」に主に採用される。

2021-05-15 22:40:04
よっしー @yosshi758

要するに、送りバントが採用される場面というのはそもそも「ヒッティングしても得点できる確率は低い」と判断される状況なので、単純に「バントした時」と「ヒッティングした時」の得点確率を比べるだけでは不十分なのである。

2021-05-15 22:40:11
よっしー @yosshi758

それどころか「バントしても走者生還率はヒッティングより約1%しか上がらない」というデータが示すのは「バントの無意味さ」ではなく、むしろ「下位の打者でも“上位の打者まで含めたヒッティング”と同程度の確率で走者を返せる」という「バントの有用性」とも言えるのだ。 i.imgur.com/oOrX1rf.jpg

2021-05-15 22:40:56
よっしー @yosshi758

「送りバントをすると勝利確率は下がる」という統計データが紹介されていたりもするが、それも至極当たり前の話である。 lifehacker.jp/2017/03/170330…

2021-05-15 22:41:05
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