五輪は第二の敗戦となる
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神戸市で武道と哲学研究のための学塾・凱風館を主宰している物書き兼業武道家です。2023年4月に右膝の人工関節手術をしたおかげでようやく稽古できるようになりました。今年は正座できるようになるとうれしいです。でも、老骨はそろそろ後事を若い人たちに託して、竹林に端座して琴棋詩酒の余生を楽しみたいです。
僕は「中止」を求める立場ですが、このままだと東京五輪は中止されないかもしれません。歴史的惨事としての東京五輪が終わった後に「私は開催に個人的に反対だったのだが、とても『中止』を言い出せる空気ではなかった」と責任者たちが口々に言い訳するありさまが目に浮かびます。
2021-05-16 09:33:37その点でも大日本帝国戦争指導部とよく似ています。客観的に判断したら戦争に勝てるはずはないことはわかっていたが、ここで「講和」を言い出せば「敗北主義者、非国民」と非難されることがわかっていたので誰も言い出せなかった。責任者たちに東京裁判の記録をそのまま読み聞かせてあげたいです。
2021-05-16 09:37:06五輪中止以外に合理的選択はありません。中止は「コロナに打ち勝った証」ではなく「対コロナの負け幅を抑えたことの証」でしかありませんが、ここでいう「負け幅」というのは死者数のことです。国威や経済効果の話をしているわけじゃない。
2021-05-16 09:41:23日本人は「戦況もはや好転せず」の分岐点を見切って、被害を最少化したことの成功体験を過去に持っていません。だから「負け幅を抑え込んだ」功績を評価する文化がない。それよりは「すべてがうまくゆけば皇軍大勝利」というタイプの超楽観的なシナリオに飛びつく。そのせいで帝国は瓦解したのに。
2021-05-16 09:54:591942年のミッドウェイ海戦の敗北時点で負けを認めて講和していれば、310万人の死者のほとんどは死なずに済みました。南方での餓死戦病死も東京大阪大空襲も原爆投下もなかった。北方領土も残り、沖縄の米軍駐留もなかった。「負けを認める」ことを拒んだせいでどれだけのものを失ったか。
2021-05-16 09:46:08