2021年5月16日

五胡十六国時代に匈奴の皇帝赫連勃勃(かくれんぼつぼつ)が巨大な城を築くのに使った「謎のコンクリート」の正体

石灰に水をかけて蒸気を発生させ、砂と粘土を結合させたセメント類似の工法が、漢籍に「蒸土」という名前で記録されていた。五胡十六国のひとつ夏を建国した匈奴出身の赫連勃勃(かくれんぼつぼつ)が築いた「統万城」の歴史
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巫俊(ふしゅん) @fushunia

『図説中国文明史』シリーズ、五胡の出土品についても画像を多く掲載してる。このシリーズが出た頃から出版不況がリアルに忍び寄ってた気がしてて、実際これを買った奈良県の大きな書店では、長い間このシリーズを並べたままだったので背表紙が日焼けしてました。 #五胡十六国の日2021 pic.twitter.com/U6ReLhB5AU

2021-05-16 14:48:48
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巫俊(ふしゅん) @fushunia

論文探索 門田誠一「『三国史記』百済本紀所載の築城用語に対する釈義 「蒸土」をめぐって」(『鷹陵史学』、2002年) 『晋書』載記、赫連勃勃に「蒸土築城」の記事があり『三国史記』蓋鹵王二一年条の「「蒸土」によって築城された城」とは何か、検討した論文のようです #五胡十六国の日2021

2021-05-16 13:51:10
巫俊(ふしゅん) @fushunia

五胡十六国と同時代の朝鮮半島・日本列島もそれなりにホットな分野のはずなので、文化史的なつながりは無いかな?と思って検索したら出てきた論文です。

2021-05-16 13:55:31
金印 @lubu2557lubuwei

赫連勃勃の統万城経過年数を考えると異常な程よく残された城壁から調査をすると、石灰に大量の水をかけ高熱による膨張と水蒸気発生の化学反応を伴って完成する格段に高質な蒸土が版築で使われたのが判明して本当に錐を通さない程に強固な城だったのだなって

2020-09-27 15:21:03
巫俊(ふしゅん) @fushunia

統万城の空撮映像がYoutubeで見れました。 youtu.be/WUOpugdlvjs

2021-05-16 20:23:38
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巫俊(ふしゅん) @fushunia

413年の記述 「改元して鳳翔とした。叱干阿利という人物を築城の責任者(将作大匠)に任じ、嶺嶺北の夷と夏の十万人を徴発し、朔方水の北、黒水の南にある都城を造営させた。(赫連)勃勃は自ら「朕は今まさに天下を統一し、万邦に君臨した。よって(新しい都城に)統万と名づけるべし」と言った。」

2021-05-16 14:07:05
巫俊(ふしゅん) @fushunia

「叱干阿利は技巧にたけ、しかも残忍で凶暴でもあった。彼は「蒸土」によって城を築き、(蒸土に)錐が一寸でも入ると、それを作った者を殺して城壁のなかに埋め込んでしまった。(赫連)勃勃はこれを忠義であるとして、叱干阿利にすべての営繕の任を委ねた。」

2021-05-16 14:07:59
巫俊(ふしゅん) @fushunia

これ凄い論文っぽい!五胡十六国の中でも一部界隈でカルト的人気がある赫連勃勃(かくれんぼつぼつ)が築いた「統万城」は、「蒸土」と呼ばれる工法で堅固に築かれてたが、発掘の結果現在の「三和土」にあたることが分かった三和土は日本では和製コンクリートと呼ばれ土間などに使われる。叩き漆喰とも twitter.com/fushunia/statu…

2021-05-16 14:23:17
巫俊(ふしゅん) @fushunia

研究ノート「代来城の位置と現況について」(市来 弘志、『東洋文化研究』、2003年) 「夏」を建国した匈奴の赫連勃勃は、広い意味でコンクリートの仲間になる「蒸土」工法で高さ数十メートルもあった統万城の城壁を築城したが、その父劉衛辰も(続 ci.nii.ac.jp/naid/110000967… #五胡十六国の日2021

2021-05-16 15:38:23
巫俊(ふしゅん) @fushunia

関連する工法を使って、367年オルドスに「代来城」を築いた。その遺跡が白城台遺跡で、今でも黄色い砂地の中に白い城が見えるとのことです。その「白色」は統万城と同様に「石灰」を使用してることに由来するが、統万城に比べると脆(もろ)く、崩れやすいそうです

2021-05-16 15:43:28
巫俊(ふしゅん) @fushunia

『太平御覧』《晉載記》曰:赫連勃勃以叱于呵利領將作大匠,乃蒸土筑城。以錐刺之,錐入一寸,即殺作者;不入,即殺行錐者。勃勃以為忠。 夏を建国した匈奴の赫連勃勃は、石灰に水をかけて蒸気を発生させ、砂と粘土を結合させたセメント類似の工法で城壁を築いたが…(続 #五胡十六国の日2021

2021-05-16 15:55:01
巫俊(ふしゅん) @fushunia

城壁の完成後に錐(きり)で壁を刺して、一寸も刺さったら城壁を作った者を処刑するという話は分かるとして(分からないと言ってたら話が進まないので)、刺さらなかったら錐で刺した人を処刑するって書かれてたので、「えっ」となった。必死で錐を打ち付ける姿が思い浮かぶのですが…

2021-05-16 15:58:40
巫俊(ふしゅん) @fushunia

赫連勃勃の「蒸土」工法は画期的なものだったようで、唐代の漢詩にも蒸土が「鉄門」と並べられて出てくるとのことですが、その「蒸土」の首都・統万城を陥落させた北魏の太武帝は、北魏首都の城壁の整備を進言した臣下の意見を退け「落ちない城は無い」と言って国力に負担をかける築城を避けたのだとか

2021-05-16 16:04:14
巫俊(ふしゅん) @fushunia

こちらのnote記事「コンクリートの歴史」によると、コンクリートの歴史は古く、9000年前のイスラエル・ガラリア地方の「イフタフ遺跡」から最古のコンクリートが出土してるそうです。中国でも5000年前には使われてたのだとか。 note.com/cncrt/n/nb6676…

2021-05-16 16:20:46
dendoh @dendoh

斜め読みしました。ローマン・コンクリートは有名だと思うけど、それ以前にコンクリート呼べるものが存在していたとは初耳でした。 鉄筋コンクリートの発明者は神ですね。 twitter.com/fushunia/statu…

2021-05-16 20:34:49
巫俊(ふしゅん) @fushunia

早 川 光 敬「古 代 セ メ ン ト ・コ ン ク リー ト(豆知識識)」に詳しい記述がありました。イフタフ遺跡のコンクリートは建物の床で、現在でも難しい「高品質の石灰コンク リート」だったということです。 jstage.jst.go.jp/article/coj197…

2021-05-16 16:25:04
巫俊(ふしゅん) @fushunia

甘粛省秦安県の大地湾遺跡から出土した5000年前のコンクリートも、大型住居の床面がコンクリートで作られてて、遺跡の北方のオルドスで産出される料彊石(りょうきょうせき)を、セメント窯を用いて 1000℃程度で焼成したとのことです赫連勃勃の「蒸土」城も同じオルドスですが#五胡十六国の日2021

2021-05-16 16:33:51
巫俊(ふしゅん) @fushunia

大地湾遺跡コンクリートの「料彊石」は炭酸カルシウムを主成分とし,多量の粘土を含有しているとのことですが、赫連勃勃の「蒸土」工法の統万城の城壁の方は「生石灰」を使ったとあり、五胡の方は焼成してないような説明でした。 ↓大地湾遺跡コンクリートの記述がある記事 ihi.co.jp/var/ezwebin_si…

2021-05-16 16:37:10

石灰(せっかい)とは、
酸化カルシウムCaO
水酸化カルシウムCa(OH)2
炭酸カルシウムCaCO3
カルシウムCa

のいずれかを指すそうです。

巫俊(ふしゅん) @fushunia

確認しますと、「生石灰は、石灰岩などの主成分である炭酸カルシウムを1,100℃ほどに加熱し、二酸化炭素を放出させる熱分解により製造する」をwikipedia「石灰」にありますので、赫連勃勃の「蒸土」工法に使った生石灰については「加熱していない」という意味では無いようでした。

2021-05-16 20:12:06
巫俊(ふしゅん) @fushunia

「ローマ帝国が滅亡したあとも、コンクリート製法が伝わっていた南フランスのカルカソンヌ城では、建造物の一部にコンクリートが使われた形跡がある。しかし、このコンクリートを調査した研究者は、ローマン・コンクリートに比べて均質でなく、調合が悪く、つき方もまずい。使用された石灰は質が悪い」

2020-12-31 23:53:54
巫俊(ふしゅん) @fushunia

「ローマン・コンクリート ―二千年経っても崩れない古代ローマの建築技術―」 anc-rome.info/roman-concrete/

2020-12-31 23:54:44
巫俊(ふしゅん) @fushunia

新大陸では、毒抜きが徹底されてたキャッサバが、アフリカに持ち込まれると、中毒者が続出して、毒抜き失敗してるのに低濃度で気づいてなくて、病気になるとか、一度失われた(伝わらなかった)文化の再発見は、困難な道のりだと本に書かれてました。

2020-07-23 16:36:09
あさしん @ssassincreedo

@fushunia 同じことがトウモロコシでもあったらしいですね。石灰を混ぜる先住民の調理法がヨーロッパやアフリカには伝わらなくて、栄養不足による病気になったとか

2020-07-23 17:33:51
巫俊(ふしゅん) @fushunia

@ssassincreedo あっ、そうだったのですか。石灰を混ぜると、何が変わるのでしょうか?

2020-07-23 17:35:59
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コメント

まあちゃん02(ワクチン2回目) @eK0SV72lWxlYb8L 2021年5月16日
そう言えば中国では龍のイメージばかり強くて巨人の伝説はまるで知らないなぁ。しかし巨人の国も「龍伯国」というとは、龍=強くて巨大なモノというイメージなのかな?
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Daregada @daichi14657 2021年5月17日
「強固な壁を崩すと、そこには人が埋められていた・・・・・・これは使えるぞ」 「あの、それもうありま(以下略)」
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あめ玉10えんの助 @awadama10 2021年5月17日
赫連勃勃が隠れんぼの語源になるエピソードはまだかね?
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生き残った墺太利伊太利帝国さん @NotAustralia01 2021年5月18日
「なお、現代にも残る遊戯である『かくれんぼ』の語源がこの赫連勃勃であることは言うまでもない」 みたいな微妙に信じる要素のある文章を作ったりはしないのが民明書房の良いところ か?
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晏嬰 亮@ワクチン💉完全体 @mondo_oclt 2021年5月18日
eK0SV72lWxlYb8L 中国の巨人伝説といえば、最初は互いにくっついていた天と地の間に立って両者を分けたとされる盤古がいますね。天と地がもうくっつかないほど充分に分かたれたある日、ついに盤古は力尽き、その両眼は日月に、血潮は水に、肉は土に、毛は植物に、息吹は風と雲になって、そこからこの世のあらゆるものが生まれたという伝説。
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まあちゃん02(ワクチン2回目) @eK0SV72lWxlYb8L 2021年5月20日
mondo_oclt ああ、創生神話に盤古がいましたね。北欧神話のユミルと類似している存在ですが中国の神話だと女媧の方がイメージ強くて失念していました。
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まっつん2 @mazda2desu 2021年5月22日
「お父さん、生まれましたよ!元気な男の子です!」「よし、この子の名前は赫連勃勃(かくれんぼつぼつ)だ!!」
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