石川優実氏の著書"KuToo本"の裁判は「スラップ訴訟」と言えるのか？

2021年5月26日、通称「クソリプ本」と呼ばれる石川優実氏の書籍が訴訟された裁判の判決が、東京地裁から言い渡された。

石川優実氏の著書『#KuToo: 靴から考える本気のフェミニズム』について、著作権侵害を巡って起こされた裁判の第一審判決が、5月26日に言い渡された。

この本には、発売当初から様々な批判や疑問が寄せられていた。一部の例を挙げると、以下の通りである。

• ニュース記事の感想を投稿しただけなのに「クソリプ」として掲載された
• その際、投稿部分に含まれるニュース記事のタイトル部分は削除されており、石川優実氏にリプライしたかのようなページデザインになっている
• 他者との会話していたところ、石川優実氏の方から引用RTされたのに「クソリプ」として掲載された
• 石川優実氏にブロックされているにも関わらず「クソリプ」として掲載された
• 投稿者の疑問に対して石川優実氏と投稿者の双方が和やかに会話をして疑問が解消されたにも関わらず、書籍で「クソリプ」として掲載された
• その際、「匿名なら恥ずかしくないか！」「ダサい！」「お前がこじらせ人間だ！」と酷評されている
• 投稿者本人の発言ではなくブログ記事の引用文のツイートであり石川優実氏もそれを認識した旨を投稿しているが、投稿者が発言した「クソリプ」として掲載された

詳細は、以下の猫柳氏のnote記事に網羅的にまとめられている。非常に長い記事だが、それだけ声を上げる人々が多かったのだ。

ドット絵師として活動する"はるかちゃん"氏も書籍にツイートを掲載された人物の1人である。

同氏は、インテグラル法律事務所の小沢一仁弁護士を代理人に、石川優実氏と現代書館を相手に訴訟を起こした。

　そして、2021年5月26日に東京地方裁判所が言い渡した判決は……。

　被告側（石川優実氏）の主張が全面的に採用され、被告側の石川優実氏が「勝訴」となり、原告側の主張が棄却された形であった。

職場でヒールやパンプスを強制することに声を上げた｢#KuToo 運動｣を立ち上げた石川優実さんの著書内でのツイートの引用が著作権法に違反しているなどとして、ツイートを引用されたとするアカウントの主が出版社の現代書館と石川さんを相手取り、出版差し止めや約220万円の損害賠償を求めた訴訟で、東京地裁は5月26日、原告の訴えをいずれも棄却した。

（#KuToo ツイート引用の著作権訴訟、出版差し止め及び賠償請求退ける【東京地裁】 | Business Insider Japan より引用）

この判決について。

石川優実氏の支持者間では『石川優実さん#KuToo本をめぐる裁判ではるかちゃん氏（@iroa1991）に勝訴!!アンチの遠吠えが鳴り響く!!くやしいのうwww』というTogetterまとめが盛り上がっているようだ。

石川優実氏が所属するフェミニズム団体「フェミやろ!!!!」メンバー4人のうちの1人であるねこのこね氏も、このTogetterまとめをシェアしている。

なお、原告側はこの第一審で終わりにせず「控訴」をする方針のようである。

現在、一般に公表されている判決文は以下の通り。

判決の前日、原告側の代理人弁護士は各メディアに向けてこのような注意喚起を行っていた。