「テスラコイルと馬の骨」第一章 消えた総帥 第五話

第五話
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お富士 @fujishiro1127

「総帥はね、このUNIONにはいない。でも、外でお仕事ってわけでもない。お家にもいらっしゃらない。けど、旅行に行っちゃったわけでもないんだよ。」「…どういうことですか?」そしてマスターは、驚くべき事実を告げた。「行方不明なんだよ、平沢進総帥は…。」To Be Continued…

2011-08-08 23:58:37
お富士 @fujishiro1127

「え…。」面喰った表情の僕を見て、マスターはさらに笑った。「はははっ!ごめんねびびらせちゃって。でもさ、これは…失礼な言い方かもしれないけど、君のような一般研究員には絶対に漏れていてはいけないことだから、ちょっと確認させてもらったの。」確認…先ほどのことだろうか…。

2011-08-08 23:52:09
お富士 @fujishiro1127

上からの命令や重大発表はおろか、基本的な研究内容さえ、外部には総帥がよしと言うまで決して漏らしてはいけない、というのが常識であった。そのため、僕たち研究員はほぼ強制的に寮生活を送っているくらいだ。「うん。よろしい。」マスター秋山は、そこで初めて笑顔を見せた。「君は大丈夫だね。」

2011-08-08 23:49:59
お富士 @fujishiro1127

平沢総帥自身の意思によるものとも言われているが、このUNIONは、他の音楽事務所や芸能プロダクションなどと比べ、常に新しい試みを行っている研究所であるため、入所当初から、守秘義務は徹底されていた。

2011-08-08 23:47:40
お富士 @fujishiro1127

何やら、大変なことになっているな…と直感的に思ったが、とりあえず話を聞くことにした。「…はい。もちろん。守秘義務はきっちり守っています。」と、いつも通り答えた。

2011-08-08 23:45:29
お富士 @fujishiro1127

「そう…わかった。」マスターは、再び座りなおして、穏やかな表情に戻った。「あの…もしかして、総帥になにかあったんですか…?」僕は少し安心して言った。そして、マスターは告げた。「君に、今からとても重大なことを教えてあげる。けれど、このことを誰にも口外しないって約束できる…?」

2011-08-08 23:41:17
お富士 @fujishiro1127

振り向いたマスター秋山は、かなり深刻な顔をしていた。「君、本当に知らないのね?」冷たいともとれるまなざしで、僕をまっすぐに見据えて、マスターは問いかけた。「…知りません…。」僕はひやひやしながら答えた。

2011-08-08 23:36:15
お富士 @fujishiro1127

※第四話までのあらすじ:未来型音楽研究所 CHAOS UNIONの研究員である僕は、ある日上司の命令を受け、幹部塔に向かった。そこで、主任研究員のマスター秋山こと、秋山勝彦氏に会う。しばらく話をしていくうちに、UNIONの創設者、平沢進総帥に関することだということがわかるが…

2011-08-08 23:33:58
お富士 @fujishiro1127

「テスラコイルと馬の骨」第一章 消えた総帥 第五話

2011-08-08 23:31:17