機械式時計が動く仕組み

機械式時計が動く仕組みを画像付きでまとめました!
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鶴岡 智恵子 / GINZA RASIN @Tsuruoka_Rasin

時の記念日にちなみ、勝手に緊急企画! 今更聞けない!機械式時計の仕組み ①ぜんまいと輪列 時計の仕組みを知ると、より愛着が湧いたり、適切な取り扱いに対して理解が深まったりするものです。 と、いうことで勝手に機械式時計の仕組みについて解説していきます。 では次ツイートから1919(/・ω・)/ pic.twitter.com/ofYoRxyhxX

2021-06-08 18:37:43
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鶴岡 智恵子 / GINZA RASIN @Tsuruoka_Rasin

本日の第一回はぜんまいと輪列について。 ちなみに第二回が脱進機、第三回が自動巻きの仕組みです。

2021-06-08 18:37:51
鶴岡 智恵子 / GINZA RASIN @Tsuruoka_Rasin

◆機械式時計の動力となるぜんまい このぜんまいこそが、機械式時計の動力です。脱進機の「ヒゲぜんまい」と区別するためか主ぜんまいと呼ばれることもあります。 ぜんまいは香箱車(こうばこしゃ・バレル)と呼ばれる箱に収められ、ほどける力を利用して時分針を動かします。 ぜんまいが長いほど(続 pic.twitter.com/QTbEfSg0L2

2021-06-08 18:38:59
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鶴岡 智恵子 / GINZA RASIN @Tsuruoka_Rasin

パワーリザーブもまた長くなります。この香箱を大型化したりキャパを大きくしたり複数個に増やすのが、近年のロングパワーリザーブ化の主な手法ですね(ってクロノスに書いてあったンゴwww)。 ちなみに、第三回でも言及しますが、自動巻きの場合はゼンマイの先端と香箱内部にスリップさせる(続

2021-06-08 18:39:30
鶴岡 智恵子 / GINZA RASIN @Tsuruoka_Rasin

ための工夫がこらされています。最大まで巻くと手巻きの場合は巻きどまりがありますが、自動巻きはぜんまいの先っぽが次の溝へとスリップしていくことで、この巻きどまりを持たず、ローターが動いてめいっぱい巻いてもゼンマイへの負担が軽減されることとなります。このスリップの音はかすかに(続 pic.twitter.com/7VjkJdak33

2021-06-08 18:40:30
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鶴岡 智恵子 / GINZA RASIN @Tsuruoka_Rasin

カチッカチッって聞こえることがあります。 さて、ぜんまいの動力を伝えるための機構が輪列となります。 この輪列は香箱を一番車として、二番車・三番車・四番車という歯車が続きます。なお、二番車から四番車までは裏側の軸にカナという小型歯車がついていて、嚙み合っています。 このカナが(続

2021-06-08 18:40:46
鶴岡 智恵子 / GINZA RASIN @Tsuruoka_Rasin

歯車のスピードを制御しており、二番車には分針が取り付けられ1時間で1回転・四番車は秒針が取り付けられて1分間で1回転します。三番車は二・四番の仲介役です。 時針は分針と同軸となりますが、筒カナと呼ばれる小型歯車によってやはりスピードが制御され、12時間に1回転の動きとなります。~完~

2021-06-08 18:41:43
鶴岡 智恵子 / GINZA RASIN @Tsuruoka_Rasin

勝手に緊急企画!第二回 時計の脱進機とは? 機械式時計の仕組み・第二弾として、本日は脱進機とは?について勝手に語っていきます(`・ω・´) では次ツイートから1919٩( ''ω'' )و pic.twitter.com/X7jXUcuWMV

2021-06-11 11:48:20
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鶴岡 智恵子 / GINZA RASIN @Tsuruoka_Rasin

◆脱進機とは? 前回、機械式時計の動力はぜんまいのほどける力とご紹介しました。 しかしながらぜんまいはほどけるに任せていると、あっという間にほどけきってしまいます。チョロQが良い例ですね。 そこで、ぜんまいがほどけるスピードを制御する役割を果たすのが脱進機(エスケープメント)です(続 pic.twitter.com/PpDeI3eozD

2021-06-11 11:50:40
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鶴岡 智恵子 / GINZA RASIN @Tsuruoka_Rasin

テンプ・ヒゲゼンマイ・ガンギ車・アンクルが主要パーツとして語られ、前の二つを脱進機,後を調速機と分けるらしいのですが、面倒なので脱進機でまとめますww 上の画像、後から虫みたいな↑が追加されてますが、ピンクの↑がアンクル、紫がガンギ車です。本当にへたっぴでごめんなさい…(続

2021-06-11 11:53:13
鶴岡 智恵子 / GINZA RASIN @Tsuruoka_Rasin

テンプは円(テンワ・天輪)と真ん中から伸びる橋(アーム),軸(天真)で構成されます。グルグルしてるのがヒゲゼンマイです。 このテンプの動きが好きな方、多いのではないでしょうか。主ぜんまいを巻き上げるとテンプが動くと思いますが、この往復運動こそが主ぜんまいのほどける力を調整します(続 pic.twitter.com/9HhgdtAMn0

2021-06-11 11:57:26
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鶴岡 智恵子 / GINZA RASIN @Tsuruoka_Rasin

ではなぜテンプが往復運動をしているのかと言うと、ガンギ車(画像左)が主ぜんまいから輪列に伝わってきた動力によって回転し、そこに隣接するアンクル(画像右)にぶつかります(船の錨に似てるからアンクルと呼ぶらしい)。アンクルとぶつかることでガンギ車は一回転はしませんが(続 pic.twitter.com/aE4IHMTi9D

2021-06-11 11:59:43
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衝撃を受けたアンクルは左または右に押し出されます。このアンクルの、テンプに伸びた方のアームが、テンプに取り付けられた振り石(画像の丸)にさらにぶつかります。 振り石は振り子の玉のような役目を持っており、大きく左右に振れます。振り石とともにテンプが回転を始めますが、ヒゲゼンマイは(続 pic.twitter.com/8F90U66yGQ

2021-06-11 12:00:36
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鶴岡 智恵子 / GINZA RASIN @Tsuruoka_Rasin

伸縮性があるため、回りきった後にまた元の位置に戻ってきます。元の位置に戻ってくる時、また振り石も戻ってくるためアンクルにぶつかることで、アンクルは反対方向へ衝撃を受けますこの繰り返しが往復運動になりますが、前述の通りアンクルの二股になっている部分はガンギ車と隣接していました(続

2021-06-11 12:01:04
鶴岡 智恵子 / GINZA RASIN @Tsuruoka_Rasin

振り石によってアンクルの二股部分が左右それぞれに振れる時、ガンギ車もそれに合わせて歯を一つずつ進めていけることになります。 これが、主ぜんまいのスピードを制御する仕組みです。 なお、このアンクルとガンギ車が重なる音が、機械式時計の「チッチッチッ…」という快い音の正体です(続

2021-06-11 12:01:47
鶴岡 智恵子 / GINZA RASIN @Tsuruoka_Rasin

ちなみにアンクルの二股部分に付けられた石(入りつめ石・出つめ石)は、接点部分の耐摩耗性・耐久性のために搭載されたものです。 私の説明クソofクソやろ!と思うので、みんな大好きSJXのめちゃくちゃわかりやすい動画を見よう!!ww youtu.be/cZwq1KL4SD0 ※6:41~が動くのでわかりやいかと。

2021-06-11 12:02:32
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鶴岡 智恵子 / GINZA RASIN @Tsuruoka_Rasin

テンプの回転が時計の精度そのものとなりますが、一往復を2振動と数え「8振動(毎秒)」「28,800振動(毎時)」などと呼びます。いわゆるハイビート・ロービートで、一般的には前者が高精度を出しやすいと言われています。 このへんとかヒゲゼンマイの素材や巻き方も、いつか企画やりたいンゴねぇ…~完~

2021-06-11 12:04:12