美少女北条久奈いいんちょが語る、日本と世界のまつりごとの話

何故今の国会が上手く機能しないのか、 いいんちょのつぶやきを拾ってみました。
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マルベリー公 @D_o_Mulberry

ここまで強い権限を与えられた参議院を持ちながら、それでもなお日本の国会審議が活発なものであったとは言い難い。これは国会という審議の場が単なるセレモニーとしての機能しか持たないことに原因があると言える

2011-08-10 19:38:13
マルベリー公 @D_o_Mulberry

先ほどもいったように、衆議院先議の法案について、参議院送付後には内閣は修正の権限をもたないこれは国会法に定められている。これが何を意味するかというと、参議院の審議の場においては、当該法案について原案通り可決するか否決するかの選択肢しか取れないということ。

2011-08-10 19:40:40
マルベリー公 @D_o_Mulberry

つまり、参議院においては国会審議によって妥協案を成すという選択肢そのものが排除されているといえるならば衆議院でやればいいと思うかもしれないけれども、衆議院でもそのような審議は行われてこなかったのよねその原因は党の強い党議拘束にあると言える

2011-08-10 19:42:23
マルベリー公 @D_o_Mulberry

日本の与党、この場合特に自民党においてはどの政府提出法案に対してもまず先に自民党総務会での了承のうえで閣議決定がなされ国会に提出されるという手続きが取られていたのだけれども、総務会の了承の時点で党所属の全国会議員に出席して賛成する義務が生じるのよね

2011-08-10 19:44:50
マルベリー公 @D_o_Mulberry

つまり、政府提出法案が国会に出た段階ですでに原案について与党内で合意がなされしかも全議員にそれに賛成する党議拘束がかかってるのだから、国会の審議を通じて妥協案をつくっていくなんてことが起こるはずがないのよね

2011-08-10 19:46:09
マルベリー公 @D_o_Mulberry

じゃあ、どこで妥協案をつくっているのかというと、総務会での了承前。つまり自民党の各部会で所属議員と官僚やらの折衝が行われて、そこですでに妥協案が作られてるわけでに言うと国会にあげられた段階でやることは何もないわけです

2011-08-10 19:47:41
マルベリー公 @D_o_Mulberry

ここで野党の仕事は何かというと、法案を引っ掛けること。つまり法案をたなざらしにしてできるだけ時間を稼ぐこととなる。原案通り可決するか否決するかしか仕事がないのだから当然。そしてその戦術を可能にしたのが、内閣と国会との関係、そして国会の制度の二つにある

2011-08-10 19:49:30
マルベリー公 @D_o_Mulberry

まず、国会と内閣との関係でいうと、参議院について言及した際にも書いたように、内閣には国会に対し法案の審議を促進させる手段というものを持っていないのよね。つまり、国会がどのような重要法案であってもたなざらしにしておこうと思えば何時まででもたなざらしにすることができる

2011-08-10 19:51:08
マルベリー公 @D_o_Mulberry

さらに、日本の国会は会期制を取り会期の終わりまでに議決がなされない法案は審議未了で廃案となってしまう。つまりたなざらしにすればするほど廃案となってしまう危険性が高まるわけで、ここから言わば法案を人質にとって、政府与党から譲歩を引き出すのが野党の戦略だったわけね。

2011-08-10 19:53:46
火猫 @h_firecat

@Hisana_ つまり野党は政策の微修正とかに参加できない?とするとなんか野党がかわいそうになてきた。

2011-08-10 19:57:15
マルベリー公 @D_o_Mulberry

.@h_firecat その点については国会の審議を通じてという意味でならイエスしかし実質的にはノーなぜなら、重要法案をたなざらしにすることで別の法案について政府与党の譲歩を国会外で迫ることができたから。いわゆる国対政治ってやつだな。

2011-08-10 20:15:10
火猫 @h_firecat

@Hisana_ 逆に棚晒し戦略を取らざるを得なかった、ってことか。その伝統が今もずっと続いてるのね。。。 てか衆参のねじれは当初から想定されていたのかしら?

2011-08-10 20:22:08
マルベリー公 @D_o_Mulberry

.@h_firecat とてもいい質問かしら。実を言うと初期の参議院の最大会派は緑風会なのよね。緑風会には党議拘束がなかった。つまり、与党が過半数を押さえてなかったという意味で、国会はねじれからスタートしていたと言える

2011-08-10 20:26:58
マルベリー公 @D_o_Mulberry

.@h_firecat じゃあ、なぜその時に現在のような国政の停滞が起こらなかったかだけども緑風会は政府案に是々非々の立場を取った。また、その当時内閣には法案の修正権が確保されていたというのもあるそれゆえ、そこでは実質的な修正審議が行われていたと言える。

2011-08-10 20:27:15
マルベリー公 @D_o_Mulberry

.@h_firecat ところが、参議院が党派対立の場に変わることで、緑風会の勢力は減少し自民党が過半数を得るに至って参議院のいわゆるカーボンコピー化がなったと言えるわけだわさ。それ以降は知ってのとおりね

2011-08-10 20:27:34
火猫 @h_firecat

@Hisana_ 結局参議院の変質(と書いていいのかわからんけど)が原因か。最近までgdgdにならなかったことのほうがすごいな・・・

2011-08-10 20:37:43
マルベリー公 @D_o_Mulberry

火猫さんがとてもいい質問をくれたので、さらに少し続けようか。衆参のねじれが想定されていたのかという質問、これはひっくるめていうと「そもそも現行憲法体制下ではどのような政治制度が志向されていたのか」という問題にいいかえることができる

2011-08-10 20:35:00
マルベリー公 @D_o_Mulberry

実を言うと、現行憲法が想定していた政治制度とはウエストミンスター型の議院内閣制とアメリカ型の分権的議会との折衷的制度だったのよね。この両方の特徴を併せ持った制度を憲法は志向していたと言える

2011-08-10 20:36:41
マルベリー公 @D_o_Mulberry

これはどういうことか。つまり議院内閣制の観点からいえば、衆議院と内閣との政治的意思の一致を予定していただからこそ内閣に解散権がある。参議院にはそのような縛りはない。これは参議院がアメリカの議会のように行政と独立した立場にあって変換型の機能を果たすことが想定されていたと言える

2011-08-10 20:38:52
マルベリー公 @D_o_Mulberry

初期の国会はこの要請にある程度こたえていたと言えるかしら。参議院における緑風会の活動もそうだけれども、衆議院においても議員による立法活動というのは行われていた。議院内閣制でありながら議員にローメーカーであることを求めたこの制度はそれなりにうまく機能していたと言えるかしら

2011-08-10 20:40:28
マルベリー公 @D_o_Mulberry

これはまず制度的な側面でいうならば、国会法において、議員の法案発議権が初期にはほぼ制限されていなかったことが大きいつまり議員個人の自律的な立法活動を可能にしていた。さらにその当時は政党が分立気味で、党の議員に対する縛りが強くなかったことも大きい

2011-08-10 20:42:10
マルベリー公 @D_o_Mulberry

そして慣習的な面でいうならば、やはり貴族院の流れをくむ参議院の態度によるところが大きい。戦前の貴族院が会派ごとにまとまっていたとはいえ、緩やかなつながりであり、基本的に政府案には是々非々で対応してきた伝統が初期の参議院には残っていたわけね。

2011-08-10 20:43:20
マルベリー公 @D_o_Mulberry

しかしながら、この流れというのは55年体制の成立とともに終焉を迎える。自民社会という二大政党の誕生、自民党内における事前審査制度の導入、国会法の改正による議員立法発議権の制約、参議院の政党化。これらすべてが国会審議を形骸化に追いやったわけだな。

2011-08-10 20:45:22
マルベリー公 @D_o_Mulberry

ただこれは悪いことではないことだけは注意してほしい政府内閣からすれば、自分の提出した法案が予期せぬところで修正されてしまうことは避けたい。与党からすれば法案の作成段階から与党議員が関与できる事前審査制度は大きな影響力を発揮しうる手段となる

2011-08-10 20:46:34
マルベリー公 @D_o_Mulberry

まり、55年体制下において、国会審議で行われることが想定されていた法の調整修正作業が与党段階で行われるようになったということなのよね。その意味で日本の政治家が仕事をしていなかったわけではないし、必要な仕事がなされなかったわけでもない

2011-08-10 20:47:59